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小さくたっていいじゃない!  作者: 蘇芳 誉
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今日はカイルさんのお兄さん・・・お兄様に会う日です。

手土産にクッキーを数種類作りました。

カイルさんの用意した馬車に乗って行きます。

住んでる街の外に出た事がないので窓から外を見るだけでも楽しい。

大きな広場には噴水がある。

お店も色々あるようで、見てみたいなぁ。

カイルさんが

「楽しそうだな、アキラ。そろそろつくぞ!」

えっ!もう?早いよー。

「あの、私大丈夫ですか?おかしなところとかないですか?」

ブラウスにスカート、ジャケットを着てるけど、大丈夫かな?緊張してきたよっ?

「アキラは可愛いな。大丈夫だよ!みんな歓迎してるから安心して。」

手を握ってくれたので

「頼りにしてます。」

ニッコリ笑ってギュウッと握り返します。

馬車を降りると、ほぇーー。

大きなお家、いやお屋敷だよ。

「アキラ、こっちだよ。」

お屋敷の中に入ると、

「お帰りなさいませ、カイル様。いらっしゃいませ、お嬢様。私この家の執事をしておりますオリバーと申します。何かございましたら、何もなくても私に申しつけ下さいませ。」

えっ?何もなくてもって・・・

「初めまして。アキラと申します。えっと、よろしくお願いします。あのコレ作ったので、よろしければ皆さんでどうぞ!」

クッキーの籠を渡します。

「これはこれは、ご丁寧に。では、遠慮なく頂戴いたします。ご案内いたしますので、どうぞこちらへ。」

案内された部屋にいたのは金髪に青い瞳の男の人。

「ようこそ。君がアキラか。私はカイルの兄でレオンだ。よろしく。」

「はじめまして、アキラです。よろしくお願いします。」

「ふーん。本当に小さいな。これで成人しているのか?それに黒髪に黒目か。」

ジロジロ見てくるので、居心地が悪い。

「兄上、そんなに見ないでくれないか?アキラが嫌がってるだろう!」

「カイル本当にこの娘でいいのか?こんな平凡な田舎娘じゃなくて、貴族の令嬢とか富豪の娘がいるだろう?黒髪に黒目なんて珍しいけど地味じゃないか。それに小さすぎる。成人してない子供じゃないか。胸もなさそうだし、お前そういう趣味だったのか?」

「兄上!言っていい事と悪い事がある!アキラを傷付けるのは許さない!」

「落ち着いて!ねっ?怒ってくれてありがとう。

大丈夫だから、ねっ?」

「アキラ、だけどアキラが・・」

首を振ってレオンさんを見上げる。

背が高すぎだよ!

「レオンさん、確かに私は平凡で黒髪に黒目です。身長が低いのも事実。それはどうしようもない事です。ですが、彼をロリ・・んんっ、幼女趣味みたいな言い方しないで下さい。彼の事を心配しているのでしょうけど、歓迎されていないようなので、私は帰りますね。さようなら。」

「待ってくれアキラ!」

カイルさんが腕を掴んでひきとめようとするけど首を振って

「あなたの気持ちは嬉しいけど、お兄さんとよく話しあった方がいいと思う。私はここにいたくない。ちゃんと帰れるから心配しないで。」

腕を掴んでいる手を外して握る。

「一緒にいてくれてありがとう。心強かったよ。」

「!アキラ・・・俺も帰る!アキラと一緒に帰る!」

ブッ!クククッ

「カイルのそんな姿を見れるとはな!ハハハッ!

すまない。2人の気持ちを確かめたかっただけだ。2人共座ってくれ。」

「気分が悪いのでレオンさんといたくありません。私は帰りますので、彼と話て下さい。」

「待ってくれ!」

これ以上ここにいると泣いてしまうから。

大丈夫と言っても本当は傷ついてるんだから。

声が聞こえるけれど、部屋を出るとお茶を運んできたオリバーさんとメイドさんが気まずそうにしてるので、部屋に入れずそこにいたのでしょう。

「どうぞ入って下さい。オリバーさんお世話になりました。お邪魔しました。」

ニッコリ笑ったのですが、涙が零れます。

慌ててハンカチで拭き、会釈をして歩きだします。

オリバーさんはメイドさんに2人のお茶を任せたようで

「アキラ様こちらへ。」

と追いかけてきてどこかに案内してくれます。

「あの、様付けはやめて下さい。私は一般人なので口調も普通でお願いします。」

「狭いところですがどうぞ。」

使用人の休憩室かな?何人かのメイドさんや料理人がお茶を飲んでいる。

いいのかな?

「あのお邪魔します。」

「オリバーさんの娘さんなの?」

「違うよな?迷子か?」

メイドさんたちが聞いてきます。

「カイル様のお連れ様ですよ。皆さん何も見てない、聞いてないという事でお願いしますね。」

答えながらも、椅子を勧めてくれる。

「さぁここなら大丈夫ですよ。泣いていいですよ。我慢していたら心が傷ついたままですよ。」

その言葉に、優しさに泣いてしまいました。

声を押し殺して泣いている間に、オリバーさんが言伝をメイドさんに託しているのも気付かずに・・・




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