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翌朝、カイルさんがきたのでお弁当ではなくマフィンとシャツとレシピを渡します。
料理を食べた方がお兄さんもわかりやすいと思ったから。
「ノアさんは一緒じゃないんですね?」
「どっかその辺にいるだろう。会いたいのか?」
ちょっとムスッとしてるのがわかる。
「いえ、護衛がバレてると言ってたので、一緒にいれば守りやすいんじゃないのかなと思っただけ。気をつけて帰って下さいね!」
「ああ、アキラも無茶するなよ?早く帰ってくるから待ってろよ?じゃあ、行ってくる。」
「はい。待ってますね。行ってらしゃい!」
ううぅ〜。顔が熱い。
嬉しそうに笑って私の頬を撫でていく。
体温が上がるからや〜め〜て〜。
ふぅ〜〜。
私も仕事に行かなきゃ!
ノアが用意した馬車に乗り家に戻る。
道中、馬車の中でアキラにもらったマフィンを食べる。
美味いな〜。
思ったよりも早く着いたので厨房に行き料理長にレシピとショーユ、ミソを渡し、昼食に作ってほしいと伝える。
兄上に味の確認をしてほしいから無理なら少量でも構わないと伝えておく。
いったん自分の部屋に戻り、アキラに貰ったシャツに着替えて兄上の執務室に向かう。
「兄上、ただいま戻りました。」
「おかえり、カイル。無事でよかった。そのシャツはどうした?洒落てるじゃないか。」
ニヤニヤしてる顔にムカつきながら
「兄上が付けたノアに聞いて知ってるんでしょう?」
「カイルから聞きたいんだよ。」
アキラと知り合ってシャツをもらった事を話す。
それから、街を回って見つけたミソとショーユで料理ができる事、それを名物料理にしたらどうかという事を話す。
「それは、お前が考えたのか?」
「いや、アキラが言ってたんだ。」
「そうか、アキラさんか。どんな子だ?いつ会わせてくれるんだ?」
「はっ?何言ってるんだ?」
「お前こそ何言ってるんだ?ようやく見つけた相手だ。結婚するんじゃないのか?どんな相手なのか知りたいし、お前が騙されていないか兄として心配なんだよ。会わせてくれるよな?なんなら会いに行ってもいいんだぞ!」
「騙されてなんかない!アキラは可愛くて優しくて料理が上手いんだ。って何言わせるんだ。仕事の都合もあるから、アキラに聞いてからでいいか?ただし、アキラを傷つけるような事を言ったりしないでくれよ?」
「おぉ!当たり前だろ。お前が惚気るとは・・ますます会いたくなった。楽しみにしてるよ!」
他に採取したものを見せながら、アキラに教えてもらった稲というのがオコメで食べれる事、この実で作った梅干しは酸っぱかった事など話していく。
昼食の準備ができたと執事がきた。
食堂に行き、兄上の妻アリスと長男のシエルも一緒に昼食を食べる。
ステーキにサラダやスープなどがあるが、少量の生姜焼きと味噌汁もある。
「これは?」
「アキラが教えてくれたレシピで作ってもらったんだ。名物料理にできるかな?」
生姜焼きは美味いが味噌汁はアキラが作った方が美味かったな。何故だ?
「うーん。肉の味は、悪くない。美味いと思うが見た目がなぁ。このスープはちょっとなんと言っていいか・・・うーん。」
「そうか。スープの味はアキラと違うんだよな。アキラが作ったのは美味かったんだ。何が違うんだろう?アキラに聞いてみるよ。」
はぁー。料理長の料理も悪くないんだが、アキラの料理が食べたい。
「あぁ。早く会ってみたいな。フローラも会いたがるだろう。楽しみだな。」
「アキラさんと言うのは?」
「カイルが結婚するかもしれない相手だ。」
「まぁ!おめでとうカイルさん!私も、お会いしたいわ!どんな方かしら?楽しみにしてますわ。」
「アキラは、優しくて可愛くて料理が上手いんだそうだ。楽しみだな、アリス。」
「ええ。」
ニコニコ笑っている顔をみると本当に喜んでくれてるのがわかる。
食事を終えたので
「じゃあ、俺は帰るから。」
「どこに帰るんだ?」
「アキラのとこに決まってるだろう?」
「いやいや、まだ結婚もしてないのに女性の家に泊まるのはダメだ!それに帰ってきたばかりなんだ。家でゆっくりしろ!話を聞かせろ!」
「アキラが待ってるから帰る。それに泊まるのは宿屋だぞ?」
「ノアに伝言させる。今日は飲むぞ。いいな!」
「わかったよ。でも、明日は帰るからな!」




