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「あの、私の話を聞いてもらえますか?」
「ああ、もちろん。」
深呼吸をして、話始めます。
おばあちゃんの家に引っ越したら、家ごとここにきていたこと、お金がないから、パン屋さんで雇ってもらったこと。身長が低いから、結婚はもちろん、誰かと付き合うという事も諦めていた事。
カイルさんと出会った事。お米や醤油、味噌など、探していたこと。カリーナさんのこと。
私がここにきて、過ごしてきた日々をとりとめなく喋っていく。
カイルさんは、驚いたようだが、黙って聞いてくれてる。
「あなたに、告白されて嬉しかった。一目惚れじゃないけど、あなたと会話するのは楽しくて。でも、私この世界の人間じゃないって事言ってないし、来た時みたいに、気付いたら、向こうに帰ってるかもしれない。そう考えたら、何も言えなくて。・・・あなたが次の日この街を発つって聞いても・・答えがでなくて。あなたを傷つけたと・・・」
声が震える。
ダメ!頑張れ!
まだ、言ってない。
手をグッと握りしめる。
その手を、カイルさんがそっと握って
「アキラ、まだ俺の名前を呼ばないのは、今もそう思ってくれてるって思っていいか?」
バッとカイルさんを見ると、
「これ、俺の宝物。」
あの時、お弁当にいれたメッセージカード。
* あなたの名前は、私の大切な宝物 *
隠すようにいれたから、カイルさんが気づくかどうか・・気付かなくても構わないと思って入れたのに、気付いたんだ。
うううぅ〜
我慢できない、涙が溢れてくる。
「あなたが、好き。」
声が小さくなったけど、
「俺も、アキラが好きだ。」
手を引かれて、そのままカイルさんに抱きしめられた。
「なあ、名前呼んでくれないか?」
「1度呼んだ事あるけど、その時、心臓がキュウゥとなって物凄くドキドキしたの。今まで、人の名前呼んでも、そんな事なかった。あなたの名前だけ・・・初めての気持ちを教えてくれた、あなたの名前が大切で特別で・・・軽々しく呼べないの。」
「えっ?覚えてない!いつだ?いや、それよりも
アキラの声で俺の名前呼んでほしいんだ。聞かせて?」
うううぅ〜。恥ずかしい。涙目でジトッと見るけど、
「かわいいなぁ。ほら、呼んで?俺の名前。」
優しく笑って待ってる。
くっそ〜。経験値0の初心者乙女に、大人の余裕か。
こうなったら、顔を見られないように、カイルさんの首にしがみついて、耳元で囁いてやる。
そお〜っと
大切な宝物を口にする。
「カイルさん、好きよ。」
破壊力抜群で、暴走しそうになったカイルを、タイミングよく、ノアが回収しにきました。
あまりのタイミングの良さに
「ノアさん、私達の会話聞いていたんですか?」
「いいえ?なかなか戻らないから迎えにきたんですよ?来ない方がよかったですかね?」
ニヤニヤ笑ってます。
これは、絶対知ってるな。聞いてたんだー。どこで?
はっ⁈見られてはないよね?
ってか、異世界からきたのも、知られた!
気が遠くなりそう。
去って行く2人を見送って、ベッドでゴロゴロ。
小さくたって彼氏ができたんだ!
諦めずに、幸せをめざすよ!




