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いいペット見つけました

 その獣を表すなら暗黒。

 深淵の闇。


 私には、その生き物のオーラが見えた。

 黒。見ていると息苦しくなるほどの圧迫感を感じる、そんな黒。


 いつからここにいるのだろう?

 長い黒髪は乱れて、顔を隠している。

 そこから覗く眼は、爛々と輝く金。

 下から睨み上げるように、こちらを照らすように光る。


 そう下から…。


 両腕には、太い鎖が何重にも巻かれ、その端は、神殿の遥か天井に穿たれた杭にきつく繋がれていた。

 膝をついた両足には、枷が嵌められている。ご丁寧に鉄の重しが付いて。

 その上、髪でよく見えないが、どうやら口にも特殊な布製の魔具がぐるりと巻かれているらしく、その獣は一言も発しない。


 ただ瞳だけが、鋭くこちらを睨み続けている。


 ぼろ切れを下半身に巻き付けただけのソレは、淀んだ球体状の結界の中にいた。

 裸の上半身の肉付きと体の小ささから、ソレがまだ幼い獣だと思われた。


「深紅……!」


 友達の橙が、私の腕にしがみついた。


「どうしたの?」


 震える橙に、首を傾げる。


「ど、どうしたって…、怖くないの?!あ、あんな化け物!」


 何言ってるの?!とばかりに、友達が言うけど、よくわからない。

 化け物?あの獣が?


「怖い?」


 いや、全く。


 私の顔を見た橙は、気持ち悪そうに眉をしかめていた。


 だって、嬉しくて。キラキラした目をしてるのは、仕方ないじゃない。

 背中がゾワゾワっとなった。これが萌えるってヤツだね!


 私は、獣に釘付けだった。生唾を呑み込んだ。


 欲しい!

 このコ、飼いたい!

 ペットにしたい!

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