謎のおっさん
下手ですが良かったら読んでください
声が聞こえた、複数人の知らない人と、死神様の声。
「ちょっと時間くれないかな…?」
死神様の声は…やっぱり可愛い、それより誰と話しているのだろう、気になるがもう少しだけ寝ていたい、ちなみに僕の布団はない、買ってないから。
「申し訳ありませんが、来て頂きます」
死神様はどこかへ行くのだろうか?そうなると寂しいから僕は体を起こした。
「おはようございます」
僕は死神様に話しかける、死神様は玄関先で2人の白い翼を生やした男達と話していた。
「あ、おはようわたる」
「死神様、その方達は?」
僕はとりあえず男達に軽く会釈をする。
「この子達は天使、わたるの先輩だね、私は今から天界に行ってくるから大人しくしててね」
天界に何をしに行くんだろうか?
「なにしにいかれるんですか?」
「帰ったら話すよ、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃいませ」
白い光が死神様と天使達を包み込んだ瞬間、僕の視界から三人とも姿を消した。
…暇だ、散歩にでも行こうか。
『死神視点』
「死神様、先程いた男は何者でしょうか?」
迎えの天使が私に話し掛けてきた、私は今天界にいる、神の謁見に召集されたんだ。
「あの子はね、私の下僕なんだ、一応天使だよ」
「天使にしては力が殆ど感じられませんでしたが」
確かにわたるはまだ弱い、天使としての力も使えない、でも私の下僕…私が育ててあげればいいんだ。
「確かにあの子はまだ弱いよ、でも君には関係ないよね?」
「申し訳ございません、つい失言を」
「大丈夫だよ」
謁見の間についた、とても深刻な事態らしいけど…まぁとりあえず入ってみよう。
「死神です、お召によりまして参上致しました」
『わたる視点』
僕は目的もなくただ歩く、こういうのってなんかいいよね…仕事してたらまず殆どしないと思うよ、お腹が減った…コンビニでも寄ろうか。
僕はとりあえずおにぎり、お茶、菓子パンを買い菓子パンをつまみながら歩く。
…死神様のアパートをでた辺りからずっとついてきている人がいる、フードを被った恐らく男性だろう…怖い、死神様の言った通りアパートで大人しくしてれば良かった。
とりあえず、ダッシュ!僕は足には自信があるんだ、50m走11秒という俊足!
「てめぇ…俺が見えてるな?」
声が聞こえた、その瞬間辺りが暗くなった…というより夜と言った方が正しいのだろうか?気がついたらフードの男が目の前に立っていた…一瞬で追いつかれただと…僕の俊足を上回りやがった!!!
「お前は何者だ、ただの人間じゃないな、うまそうだ」
低い声でフードの男が話しかけてきた、うまそうだとか、怖いよ。
「お、お前こそ誰だ!さっきからついてきてるな?知ってたんだぞ!」
「質問に質問で返すなよ」
怖い、今すぐ帰りたい…けど周りが変だ、なんで夜になった?
「なんで暗くなったか…不安か?ふっ、どうせ死ぬんだ知っても意味無いだろ」
えっ、僕死ぬの?それはいけない、まだ死神様の食事の支度が済んでない。
「そう簡単に殺されてたまるか!」
僕がそう言うとフードの男が笑い出した。
ききききき…
変な笑い方…そんなことより逃げないと、僕じゃ勝てない、直感で分かる…とりあえずダッシュ!
僕は必死に走りながら後ろを振り向く、奴の姿は消えていた、さっきまでそこに居たのに、どこに行った?
「逃がさねーぜ…せいぜい逃げ惑え…!!!」
頭の中に奴の声が聞こえてくる、取り敢えず今は、ここを離れよう…。
どうやらこの前迷い込んだ異世界とはまた違うようだ、少しだけ安心…もう走れない、少しだけ休憩しよう、ほんの少しだけ、僕は近くの高台にある公園に入る。
「…」
でかいオッサンがベンチに寝転んでいた、半分以上体がはみ出しているが。
「あのー…」
僕はとりあえず声をかけてみる、死んでるんじゃないかと思うくらい動かなかった。
「ぅ…ぁぁ…」
うめき声のようなものが聞こえた。
「こ…小僧、何か食いもんもってねぇか…」
なんだこの偉そうなオッサンは、小僧呼ばわりか…食べ物…おにぎりならある。
「良かったらこれどうぞ」
僕はおにぎりを差し出した。
「ありがてぇ…!」
オッサンは袋を開けずにそのまま口に放り込んだ…頭おかしいのか?それにしても見てくれよこのオッサン、あ、見えない?なら想像してくれ…逆立ったトゲトゲの黒い髪、白眼の中に黒眼が点ほどのちいささ、古びたTシャツに古びたジーパン?のようなものを着ている、筋肉の塊のようなオッサンだ。
「ききききき…見つけたぜ…」
奴の声が聞こえた、振り返るとフードの男が立っていた…一瞬で距離を詰められて、もうダメだ、僕はそう思い目を閉じた。
「うるせぇ」
…オッサンの低い声が響き、目を開けるとフードの男の頭をオッサンが握り潰していた。
「小僧、名前は何という」
僕は驚愕した、このオッサン只者じゃない。
「…井上亘」
「わたるか…貴様に命を救われたな」
オッサンはのっそりと背伸びをする、デカい、250cmくらいありそうだ…おそらくゴリマッチョとはこの事だろう。
「よし、わたるお前は俺の命の恩人だ…今日からお前の用心棒になってやる」
用心棒になると言われた、この恐ろしいおっさんが用心棒…よく見ると髭も生えてないし、いいかも…良くねーよ!怖いよ…でもこのオッサンなら、無事に帰してくれるかも。
「あなたの名前は?」
「名前…?俺にそんなもんはない、好きに呼べ」
名前が無い…知られたくないのか?なら…名前が無いということで…名無しさんだ!
「なら名無しさんと呼びます」
「名無しでいい、普通に話せ」
「…ならこのおかしな世界…どうにかしてくれないかな」
「いいだろう」
オッサンがそう言うと周りが一気に明るくなった、やっぱり普通じゃなかったんだな、それじゃぁ、帰ろう…名無しどうしよう。
『死神視点』
「地獄から…魔王が脱出した!?」
私は謁見で魔王が地獄を抜け出したということを聞かされた、今は人間界に逃げているという…速やかに地獄に戻さなければ。
「それでは、任務引き受けました」
私は急いで人間界に、わたるのところに戻る、何故か私の住んでるアパートから人の声が聞こえる、わたるじゃない別の誰か。
「ただいま」
「あっ、死神様お帰りなさいませ」
「邪魔している」
何かいる、とてもごついオッサン、というより…魔王がいる。
この世は残酷だよ、標的が私の下僕と仲良くなっちゃった。
続き載せるつもりなんで良かったら覗いてください