使命より残り湯
下手ですが良かったら読んでください
「わたるー!ご飯まだなの!?」
僕は今、死神様の夕飯を作らされている、君は食事と入浴、どちらから済ませる派なんだい?僕は入浴派。
「おそい!」
あの幼女は我儘すぎる、僕は先に幼女の残り湯を堪能しようと思っていたのに…まぁ楽しみは後に取っておこう、ご飯が遅い遅いとそればかりだ、何を作ろうかすら決まっていないし…冷蔵庫には、ひき肉と卵…あと玉ねぎしかない、これは天がハンバーグを作れと言っているのだろう、めんどくさい、可愛いからいいけど。
「私、もうダメかも」
どうやら餓死するみたいだ、死神もしぬんだね…よし、僕の最高のハンバーグで復活させてあげよう、そして死神様を僕の虜にするんだ。
「そういえばさー」
テレビを見ながら死神様は僕に話しかけてくる、ちなみにここのテレビはブラウン管だ、地デジチューナーもなにもない、なぜ映るのかとても不思議だ。
「なんですか?」
取り敢えず返答してみる。
「何であんなところにいたの?」
あんなところ、そう…ただ道に迷っていただけだ。そこで運命的な出会いをしたんだ、名前を聞くのを忘れた、あの可愛い女の娘。
「ただ道に迷っただけですよ」
何歳になっても道に迷うことはある、人間だもの…僕は人間じゃないけど。
「あそこね、普通の人間が入ったら戻ってこれない場所なんだよ、簡単に言うと異空間だね」
…そんな馬鹿な、異空間なんてオカルト的なものが存在するなんて…ありえる。
「異空間って、本当ですか?」
「なんか、普通とは違う雰囲気なかった?思い出してみて」
僕はあの場所のことを思い出す…そうだ、蝉がとてもうるさかった、だが蝉は普段からうるさいものだ…夏ならば。
「…蝉が鳴いてました」
「それだけ?他に何かない?」
他に…あの女の娘、あの娘の声が聞こえて向かおうとして気がついたら神社があって、僕は鳥居のしめ縄を切った。
「君はいけないものを解放しちゃったんだよ、わたる」
しょうがないじゃないか!可愛かったんだ。
会話しているうちにハンバーグの完成だ、あの幼女を僕の虜にしてやる。
「出来ましたよ、死神様」
「なにこれ?」
「なにこれって、ハンバーグですよ」
「ハンバーグ…初めて知った」
ハンバーグを知らない死神もいるのか…人生、いや神生を半分損してるな。
「まぁ、美味しいか保証できないですが、どうぞ」
「いただきます!」
いい子だ、ちゃんといただきますが言えるだなんて…下僕感激!
「…まぁ普通だね、不味くはない」
なんという偉そうな糞ガキ…まぁいいか、可愛いから。
僕も食べるとしよう。
「明日から頑張って働いてもらうから足でまといにならないようにね」
働く、とはなにをするのだろうか。
「例えば何をするんですか?」
「死人をお迎えに行ったり、悪霊や悪い妖怪、悪魔の封印、討伐」
なんという物騒な…下僕怖い!
「わたるが解放した悪魔も消さないとね」
「あの娘は駄目ですよ!友達になるんです」
あんなに可愛い娘を標的にするなんて、可哀想だ、可哀想すぎる、あんなに可愛いのに。
「わたる、あの悪魔はなんで異空間に封印されたと思ってる?封印されたからにはちゃんとした理由があるんだよ」
「それは、可愛すぎるからです」
神々が嫉妬したんだ、あの娘の可愛さに…でも目の前のこの幼女も引けを取らない、嫉妬する必要は無い!
「わたる、私の責任上わたるに罰を与えないといけないんだ、なにがいいかな?罰」
「死神様と睨めっこがいいです」
「また罰は考えておくね」
無視された…
「ごちそうさまでした、お風呂入ってくるね」
来た、ついに来た…!!!
「はい!行ってらっしゃいまし!」
…さて、死神様が出てくる前に就寝の準備だ、なんて気が利く下僕なんだろう僕は…あとは、正座して待つか、最高の時を。
1時間経過
「ふぅ、いい湯だった…なんで正座してるの?」
「主人の帰りを謹んで待つ、これが理想の下僕像かと思いまして」
「いい心掛けだね…寝る準備が出来てる、気が利くね」
「当然ですね、残り湯…いや死神様のためですから!」
「ありがと、お風呂入っちゃいなよ」
「はい!」
僕は音を超える速さで風呂場に移動する、食事の前にはちゃんと言わないとね、手を合わせて…
「いただきます!!」
…この世は残酷だ…でも良いこともある、寿命が1万年くらい伸びた。
続き載せるつもりなんで良かったら覗いてください