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糸口

 俺の返しに焦った妹が慌てて聞いてきた。

【じょ、冗談だよね?】

【そりゃな……】

 妹を見捨てられるわけがないだろ……。

 一緒にいた時もよく冗談を言っていたが、あの頃と全く状況が違う。本当に不安にさせちゃったかな?

 でも、どうしよう。俺は画面の前で考える。

 いくら助けたいと願っても、所詮は一個人。俺がどれだけ頑張ろうと、出来ることなど限られている。

 ところが、サービスが終了していて、援軍は誰も来ない。

 こんなの完全に詰んでるよな……。

【朔那の部屋のノートパソコンを借りるぞ】

【……うん。パスワードは……溝口(みぞぐち)(ごう)

 俺の名前か……。さすがお兄ちゃん子。別に今さら驚かない。むしろ、好きな奴でも出来て、そいつの名前になっていなかった事を心から喜ぶ事にしよう。

【ちょっとだけ待っててくれ】

 俺は妹の部屋からノーパソを持って自室に戻ってくる。

 膝の上でノーパソを開き、電源を入れた。

 ノーパソが処理をしているカリカリ音が懐かしい。

『溝口豪』っと……。

 二人で一緒にゲームをしていた時は俺がノーパソを動かし、画面が大きくてゲームがしやすいデスクトップの方を朔那に譲っていた。

 俺がこのノーパソに触れるのは朔那と一緒にゲームをする時だけだ。

 頼むぞ……。この手しか思い浮かばない。

 カタカタカタッとサブキャラをログインさせる。

 これが無理ならもうお手上げだ……。

 俺は手を合わせて画面に向かって拝む。

『接続中』の文字が妙に長く感じる。


 三十秒経ってもログインが終わらない。

 やはり朔那が姿を消したパソコンからじゃないとアクセスができないのだろうか……?

 諦めかけた時、すーっと視界が開けるように画面が切り替わり俺のサブキャラが中央に立っていた。

「……ありがとう」

 朔那を助けるために立ち上がってくれた分身に俺は涙を流す。

 ノーパソの方から朔那にメッセージを送る。

【よし、こっちのキャラでもログインができた】

【まさかそれで、足りないキャラを増員するの?】

【それしかないだろうな……。あとは動かしてくれる人を探しながら、朔那のレベル上げだ!】

 まだ糸口が見つかっただけ。気を抜けない。



――――ステータス――――

 名前 ミューモ

 性別 女

 クラス 聖職者

 レベル 四


 HP 一五三/一五三

 MP 五〇〇/五〇〇

 SP 一四〇/一四〇


 筋力 三

 体力 三

 素早さ 三

 知識 三

 知恵 六

――――――――――


――――ステータス――――

 名前 ミラーモ

 性別 男

 クラス 修羅

 レベル 八九


 HP 一七八三/一七八三

 MP 六一一/六一一

 SP 一二〇五/一二〇五


 筋力 九六

 体力 三

 素早さ 三

 知識 三

 知恵 三

――――――――――

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