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ストキルラ  作者: サムネがリスの人
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chapter■■

 そこで僕の意識は、一度途切れる。

 何を見たのか、よく思い出せない。

 思い出そうとする度、頭が割れそうになる。

 思い出してはいけないと、何かが邪魔をする。

 思い出す事など何もないと、誰かが告げる。

 しかし、1つだけ覚えている事がある。

 忘れたくても、忘れられない光景がある。


 赤、だ。


 一面の赤。赤く濡れた壁、地面、僕の手、そして──

 ──男の、死体。

 彼女は笑う。優しく、愛らしく微笑む。そして、軽く柔らかな声で、囁いたのだ。


「……これが、君の観たかったもの。そうでしょう? 君は、観たかったんだ。私が、人を殺すところを」

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