友達になろう
私から動かなきゃ、何も変わらない
自分を変えたい、友達作ってみよう?
今は5月、高校生、新学期を迎えて間もない頃だ
うーん、今日も過ごしやすいなー
一言も声を立てず軽く背伸びをする。
「お腹減った…早く、終わって…」
日々の授業はつまらない。が、私は体が弱くて、追いつけないことが多い、高校からはできるだけ頑張ろうと親と約束をしてしまった。
「もう少し、もう少しだよ…あー!我慢が、出来ない」
机に突っ伏してしまった。あまりの空腹に
すると…チャイムがなった!
やったー!やっとご飯だ!
でももう動けないかも…
そのまま机に突っ伏してる 少しだけじっとしてよう
ふと左隣を見た。女の子だ
彼女を見ると、いつもひとり。何かしている様子もなくただ、何もない空の先をずっと眺めている。
私が彼女を気になりだしたのは 今年の4月の終わりの頃だった
1ヶ月前私は高校入学による度重なる緊張で体を崩し2週間入院していた。2週間で体を元に治して学校に行った頃、クラス内での友達関係は出来上がっていて下手にできなかった私はひとり孤立した。
他にも何人かはぼっちだ。 中学から一人で来た人も何人かいた。一人で楽しんでいるように見えて、不便ともなんとも思わない、ぼっち特有の感覚だ。
でも何かしらペアを作るときこれがまた厄介なのだ。
今まで1ヶ月での経験からクラスで自由いられる友達が出来ない事、友達がいないから、遠い目的のペアを作れない事。
私もだった、仲良しの子はいたけど、クラスは違う
あがり症のこともあり、上手く出来ない
でも一人くらいいたらいいのにな
私から作る友達…
そう、私はいつも人が動いてくれるのを待つ。わがままな人間だと思っている。分かってはいるけど動けない
動いて何かあったらどうしよう…と
でも…このままじゃまずいよ!ひとりくらい作りたい
そう思っていたら気づいたことがあった
隣の人、いつもひとりだ。女の子だし 気になる。
それから今に至る
よし、今日こそ、話しかけてみよう…
ゆっくり机から顔を離して、それから深く息を吸う
気持ちを落ち着かせてまっすぐ前を見る。私の緊張を解く方法だ
よし、行こう
「あ、あの、小野田さん、だよね?」
顔を真っ赤にして溶けそうな顔で話しかけてしまった
ああ、失敗した、かも
びっくりした顔の彼女
時間差で
「??、そうだけど、どうかした?」
よかった、返事してくれた。
半分ほっとした
「あ、あの、突然すみません、私 このクラスの佐藤優衣奈っていいます、その…このクラスにいてから ずっと隣の小野田さんが気になってて どんな人なのか、友達になってみたくて
突然ですみません!」
…しまった。同級生に深く頭下げちゃった
ちょっとだけ顔をあげてみてみると、さっきよりまたびっくりした顔
でも嫌そうに見えない顔
また、時間差で
「なるほどね、ありがとう 佐藤さん、話しかけてくれて
もちろんいいよ、こんな人見たの久しぶり…あれ?泣けてきた…」
!?小野田さん…が 泣いている どうして?
「わわっ!?どうしたの?小野田さん!?」
あたふたあたふた焦りまくる
右手で涙をぬぐいながら
「こんなに優しい人会った事無くて…嬉しくて…」
見かけによらず泣き虫な小野田さん
そ、そんな!こっちこそ嬉しくなっちゃうよ!
内心こう叫びたくて震えるのを抑えて
「こっちこそ、ありがとね小野田さん」
彼女の左目の涙を拭う
ようやく泣きやんだ彼女が笑顔でこう言う
「よろしくね、あと小野田愛姫だから愛姫でいい」
笑った方が可愛い…
「うん、私も優衣奈でいいよー」
「わかった優衣奈」
「早速!ご飯食べよう!愛姫ちゃんー」
すぐ弁当に手を出す
「うん、お腹すいたね」
愛姫ちゃんも弁当を広げた
同時間
窓側から2列目、教卓から見て3番目の席
佐藤優衣奈は誰かの視線を感じる 愛姫と一緒にいたあの時からしばらくの間 その視線の先にあまり見慣れない女の子がいた
自分がぼっちだった頃を思い出しながら書いてみました。楽しいけど辛い。辛いけど楽しい。ぼっちの良さもどかしい小説目指してます。