第五回 パクリとオマージュ【ネタ】
パクリとオマージュ、今回はオマージュではなく「ネタ」を中心にします。
【ネタって具体的にどんなのがネタなの?】
なんとなく意味がわかると思いますが、具体的にはどんなものがネタと呼ばれるのかは、実のところ人によって違うことがあります。
小説におけるネタは大半の人にとって「他作品のセリフや技などの設定を笑いのタネになるよう使う」って感じがそうだと思います。
ですが人によっては、どシリアスな作品で突然軽い感じのギャグやコメディを混ぜて笑いを誘うのもネタだと言えますし、コメディ作品でシリアスにくだらないことをするのもネタだと言えます。
読者を笑わせるのが目的の本文とは少し毛色が違う文章も含まれると考えてもらえればいいと思います。
今回ネタとして紹介するのは他作品のセリフなどを用いるものです。
【他作品のものをネタに使うのは盗作じゃないの?】
厳密に言えば、他作品の設定などを用いるのは盗作に該当する可能性が非常に高いです。
しかしながら、著作権侵害は親告罪なので、現実的には見逃されている。また、暗黙の了解的に半ば許可が与えられていると考えられます。
当然のことながら、悪意を持ってネタとして扱う場合や作者がネタとして使うことを禁止している場合はこの限りではありませんし、あくまで暗黙の了解であるため正式な許可があるわけではありません。
《第四回 パクリとオマージュ【盗作】》で少し触れたように、盗作との違いは「他者のアイディアを他者のものだとわかるように書く」ことであるため、文章中にネタとして他作品のセリフなどを用いる際には「だが断る」や「某未来から来たネコ型ロボットのように~」と言った形で元の作品やそれがなんなのかわかりやすく書く必要があります。
有名作品のネタであれば、上記のように読者の大多数がわかるでしょうが、マイナーな作品のセリフや人物をネタとして扱う場合は注意が必要です。場合によってはあとがきなど何らかの形で作品名とネタとして使用した部分を書いておくことも必要になります。
【ネタと悪意のあるネタ】
多くの場合、文章中にネタを入れる際には前述したように読者を笑わせるのが目的になることが多いです。
しかしその笑わせ方が問題になります。
ネタとして扱わせてもらう作品を中傷するような形で使用するのは言語道断です。
自分では悪意がないと思っていても、ネタをネタだと判断するのは読者とネタ元の作者です。注意を受けたらもう一度文章を見直して、場合によっては書き直すようにした方がいいでしょう。
ネタとして使わせてもらう以上は一般的な常識の範囲内で悪感情を抱かれないように使いましょう。