表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
田舎者が異世界トリップに巻き込まれたようです  作者: ぬるはち
プロローグ
6/6

魔法ってこういう物のようです

取り敢えず三人とも「異形の者」の手を確認した。

手だけだが見れば見るほどロボットのように思える。

おまけに謎金属だし、一回全体像を見てみたいものだが…


コマを撫でくりながらフレイ姫が口を開く。

「この腕は、音魔法で振動させて斬れ味を上げた刀で何度も斬りつけ、異形の者が動かなくなる前に切り落とした物だと報告されて居ます」


へえー、高周波ブレードみたいなものか、さすがファンタジー。なんても有りだな。

「魔法は効かないと言っていましたが、間接的な物は大丈夫なのですか?」

とカズマサ君、ナイス質問だな。


「ゴホン、はい、そもそも魔法とはこの世界に重なるように存在するエネルギーだけの世界から力を借り受けて現象を起こす物だと最近の研究では実証されています。

ですので、異形の者は恐らくその重なる世界『精霊界』とわたし達は言っていますが、精霊界からの干渉を打ち消す、または断ち切る様な感じで無効化していると予想されます。

通常の魔法は精霊界に干渉し、引き出した力で一定時間の効果を及ぼします。

例えると、岩や氷を魔法で生み出しても干渉力が切れると無くなるのです。水魔法で出した水を飲んでもその時はいいですがすぐにまた喉が乾きます。

なので、土魔法で異形の者の頭上に大岩を生成して落としてもダメージは有りませんが、こちらの世界の岩を風魔法などで撃ち出すのはダメージがあります。

今現在、その様な力押しで敵の撃破が出来るのは元々精霊界との干渉力『魔力』の強い魔族大陸アルバンと妖精族大陸ミーレスの森林部族だけなのです。

それも敵の戦線を押し返すには至らず、膠着している状況です。

人族大陸サルザスでは大陸の1割を異形の者に占拠されていますが、奴等はそれ以上進軍してきません。」


流石に研究室の室長だ。狸なのは見た目だけか、魔法のある程度の原理と効果、それに戦況まで一息に教えてくれた。


しかし、魔法なんぞ無い世界から呼ばれたのだ。目で見て感じて無いものは信用出来ない。ここは一度見せて貰おう。


「すみませんが、魔法の知識は今ある程度教えて頂きましたが、何分その様な物のない所から来たものですから、一度見せていただけませんか?」


するとフレイ姫が一度頷き、コマを膝からソファーに移し、右手をコマにかざした。

姫の手に薄ぼんやりと光が灯り、そっとコマに触れる。


すると、なんという事でしょう(某リフォーム番組風)

コマの体がふわりとソファーから離れ、慌てたコマは足をバタバタさせだした。

こ、こいつ!浮くぞ!


あまりにも衝撃的だったので、召喚三人組はパクパクと口を開き、声も出せずに2分ほど固まるのだった。




----------------------------------------



フリーズ常態から回復した俺は今のはどのような魔法なのか聞いた。


「はい、今のは土魔法の一種でコマちゃんにかかる重力を限りなくゼロにして浮かせました。」


と、フレイ姫。コマはビビって俺の膝に戻ってきた。

姫は残念そうな顔だ。


「あの、僕らも魔法は使えるのでしょうか?」

さっきからナイス質問を連発だなカズマサ君。

お兄さんびっくりの連続で標準語のつもりが、訛って伝わらずどういう魔法か聞くのに同じ質問2回したというのに。


「貴方方を召喚する際に、ある程度条件付けでそちらの世界の精霊界との繋がりが薄く、こちらの世界にも同位体、つまり精霊が居る方をお呼びしたのですが…

本来一人だけ呼ぶ計画でしたので、お聞きした常態からカズマサ様とサキ様のどちらかが引っかかり、どちらかが巻き込まれたというのがこちらの推察です。

召喚の儀式の魔法陣が暴走したようで、私も過干渉の不可で気絶してしまいました。

エリヤ様とコマ様は恐らく暴走の影響で偶発的にこちらに跳ばされたと思われます。

重ね重ね申し訳ありません。」


と、今度は土下座ではなく座った常態で頭を下げたフレイ姫。

どうやら俺とコマは事故的な感じでこちらに来たようだ。


「頭を上げてください。向こうでは大した仕事もしてませんでしたし、居なくなったり、事故で死んでも良いようにきちんと弁護士さんにも頼んでありますから。」


これは本当だ。爺ちゃんの遺産の土地を売り、隣の市の駅前にマンションを買ってその家賃収入で暮らしていたのだ。管理は勿論人を雇っていたし、何かあった場合は弁護士から親父に受け継がれるようにしていた。畑は人に貸していたしね。ま、個人で仕事の様な物も偶にしていたけど、説明するようなものでもない。


それよりもやはり魔法だ。

使えるのなら使ってみたい。コマと一緒に空中散歩とか出来るかもな。



「それで俺たちは魔法の適性とかあるんでしょうか?」


「はい、ではお調べ致します。アナ、お願い。」


姫の背後に居たメイドさんがお盆から四枚の透明なカードの様な物をそれぞれの前に置く。俺の前には何故か2枚。もしやコマの分か?


メガネをかけ、キリッとした表情でアナと呼ばれたメイドさんが説明する。もしやこれはかの伝説の先生モードが!?


「では、説明させていただきます。

こちらのカードは『ステータスカード』と言われている魔道具です。魔道具とは、干渉した効果を永続的に与えるように物に物理的な細工をしたものにでございます。

このステータスカードはサルザス国民全てに配布され、身分証の効力も持ち合わせます。効果は現在の自分の能力や干渉力、加護と呼ばれる精霊界からのある特定のエネルギー効果などが解るようになっております。

また、名前、職業や年齢、ご本人の潜在属性などは他人からも見えますが、能力、干渉力、加護などは表示するかどうかご自分で選べるようになっております。

まずはカード上部の石にお触れください。」


召喚三人組は恐る恐るカードの石に触れる。

バチっと強めの静電気の様なものが起こり、三者三様に呻き声を上げた時、カードに文字が浮き出した。



名∥ タイスケ エリヤ

年齢∥ 20

職業∥ 異世界の鍛冶師

魔力(干渉力)∥ 630〜???

加護∥ 異世界神の加護(豊穣) 獣神の加護(伝達・中)

能力

筋力 20

知力 15

敏捷 25

感応 30

体力 50


潜在属性∥ 闇 土 火 無



おー色々出るもんだ。異世界神の加護はたぶんお稲荷さんだな。ありがたやありがたや。

さて、コマにも一応やってやろうか。


コマの右前足を石に乗せると、キャウンと鳴いて飛び上がった。すまんなコマよ。でも毛が逆立ってちょっとカッコイイぞ。いやほんとマジで。



名∥ コマ エリヤ

年齢∥ 2

職業∥ 異世界の猟犬

魔力(干渉力)∥ 400〜???

加護∥ 異世界神の加護(豊穣) 獣神の加護(成長・中)

能力

筋力 10

知力 9

敏捷 35

感応 60

体力 40


潜在属性∥ 風 生 光



コマちゃん、2歳にしては能力高いな。といか俺の知力に対して9って相当頭よくないか?

ウチの子って天才だわ!!







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ