状況はこんな感じなようです
DOGEZAちゃんに案内してもらい、アズチ城の客室へ移動。制服のお姉さんは侍女の方々(リアルメイド!)に運ばれている途中で目を覚ましました。
ドでかいソファーに腰掛け、DOGEZAちゃんに質問をしていく。
コマは部屋の中をスンスン嗅ぎ回ってる。相変わらずフリーダム。
てんで理解はして無いが、DOGEZAちゃんが言うにはこういう事らしい。
この世界は四つの大陸があり、その内の1つ人族の大陸であるこの大陸は統一国家としてサルザスが統治している。
他の大陸は獣族、妖精族、魔族が統治。ちなみに獣族は猫耳人間とかリザードマンの鱗族とか多種多様。妖精族もエルフとかドワーフの山岳族とかこちらも多種多様。
そして魔族。これは見た目は人間よりだが、肌が浅黒く、角が生えてたり、第三の目があったり、翼が生えてたり。よーはとんでも人間の集まりだな。うん。
ちなみに種族間での交流はとても良好なようで、魔族なんて種族名も魔法が得意だからだとか。物騒でなくてよかった。
で、お気づきの方もいるかと思いますが、ミスdogezaのミドルネーム織田。
そして王城の名前が、アズチ。
どーやら一番初めに召喚されたのがホトトギス殺しちゃうあの方のようで、当時群雄割拠なこの大陸を統一したのが召喚された織田さんなもよう。
なんでも、召喚されてすぐに火縄銃(こっちでは銃全般をヒナワというらしい)を量産改良して、魔法と白兵戦が主流だった、戦場をデストロイして統一。
んでんで、召喚したサルザスのお姫様とくっ付いてミドルネームが織田になったとか。
召喚はこれが2度目らしく、織田さんが余程の事がない限り召喚すんな!って法律を作っていた為に約五百年ぶりの召喚だったとか。
やっぱり本能寺の変の最中に召喚されたのかね?骨見つかってないし。
で、なんで召喚されたかと言うと?
「大変心苦しいのですが、異世界の方々には異界の異形の者と戦い、奴らを追い返してほしいのです。」
異界の異形の者?
「はい、彼奴等は魔法が効かず、物理的な手段でしか倒せないのですが、生憎どの大陸も魔法技術ばかり進歩させていたせいで対抗手段が無いのです。
その容姿は人形では有りますが体に鉱物を纏い、剣や国父様が伝えたヒナワでは傷をつけられませんでした。また、個体によっては空を飛び、地中を潜り、果てには海すらも…
国父様の居た世界は魔法が無いと聞いていましたので、強力な物理兵器等の知識が手に入るのではと、藁にも縋る思いで召喚の儀式をいたしました。どうか我々をお助けください!」
という事らしい。
個人的に魔法には興味があるが、現代兵器の細やかな知識はそんなに持ってる訳じゃないし、戦闘とか無理。
というか、召喚ってランダムなの?つか、帰れるの?
「すみません、何故、召喚の儀式自体が二度目ですし、国父様の定めた法により研究も出来ず、現在送還の方法はありません。誠に申し訳ありません。」
と、ここでまた必殺のDOGEZA。
DOGEZAさんには一度退室してもらい、召喚された3人と一匹で話会う。ま、コマは俺の膝の上で寝てるけどね。
取り敢えず気まづい雰囲気なので、年上な俺が話を切り出そうか。
「取り敢えずもう一回自己紹介から始めようか、お姉さんにはまだ名乗ってないしね。
俺は衿谷 太輔、二十歳だ。青森の自宅で朝食食べてる途中で召喚された。このコマと一緒に。」
「僕は百道 和正と言います、十七歳です。こっちの彩生と部活に出るために学校へ向かう途中で召喚されました。あ、二人とも東京生まれです。」
「私は豊村 彩生です。十六歳です。説明はまーカズがやってくれたので。」
ん?兄弟ではないのか。というか少年のほうが早生まれか。
取り敢えず方針を決めねば。
「さて、どうしようか。色々説明はしてもらったけど、正直な所あんまり兵器とかには明るく無いしね。架空のロボットとかは好きだから詳しいんだけど、帰れるのかもわからないし。」
苦笑気味に発言すると、サキちゃんの方は下を向いたままだ。まー女の子にはキツいかな?
「取り敢えず僕らがどういう待遇なのか、どういう戦況なのか、とかが重要ですね。最悪ここから逃げないと。」
カズマサ君は割と真面目だな。制服着てるけど見た目は完全に小学生なのに。偉いもんだ。
「そーだねー。取り敢えずその辺も含めてもう一回さっかきのお姫様?王女様?に聞いてみようか。それに朝ごはん半分しか食べて無いから俺もコマもお腹ペコペコだ。」
なんて話していると、サキちゃんがイキナリ立ち上がり
「こ、ここ、コマちゃんを抱かせて貰ってもいいですか!?」
どうやら彼女は異世界よりコマが気になるらしい。