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仮想彼氏・只今・戦闘中 第12回 終幕

ついに物語も最終局面に、69の全ての謎があきらかになります。

果たしてレイの存在する意義とは!?

DIGクリエイティブ アワード 2012投稿作品!!

所々・猥褻な表現が含まれます。

各自・モザイクをかけてご覧下さい。ではどうぞ!!

(黒田さん)

(貴方とこんな風にあいたくなかった)

(そしてラドクリフは彼自身なのだ)


ーカレの眼はどこか悲しげであったー


世界中で人工が爆発していた。それは地球のキャパを遥かに超えていた。

あらゆる地域で食料は不足し、電力供給の間に合わない箇所から人間は死滅していった。


やがてそれらを奪いあうための戦争が引き起こされ、

各地域で非人道的な殺人行為が合法的におこなわれた。


原爆・水爆なんてモノは平気で使われた。

汚染された土壌は、食糧難をより一層加速させる。


我々がその愚かさに気付いた時には、地球の環境はもう、

とりかえしのつかない状態になってしまった。そして人類は一つの答えにたどり着く。


人間の数が多過ぎる。定員すでにオーバーしている。

地球を元に戻すためには、絶対的な人口の抑制が必要不可欠だ。


 理性的にそれを抑制しようと、頭の中で考えてはみた。

 だが、それを押さえつける事はできない。


そしてまた戦争は繰り返される。それは余計に抑制を妨げる。

一旦・負のスパイラルに陥ると、二度とそこから抜け出す事はできない。


そしてある結論を導きだす。人類はその答えを選んだ。


 この殺しあうゲームを、心から楽しむ事をだ。

 世界は組織的戦闘ゲームに造りかえられた。


効果は絶大だった。

戦争をしても減らなかった人口が、

少しずつだが減少しだした。


それは非人道的な戦争などではなく、自由と尊重で選択された、

完全に平等な芸術作品そのモノなのだ。


皆がそれを心から楽しんだ。

意義ある犠牲者は死を理解し、

そして最後には殺されていく。


全ての事が上手くいくはずであった。地球のキャパを満たす人口に達すれば、

このゲームは終了する。そこには人類にとって幸福なエンディングが用意されている。


けれども、オチのない喜劇はいつまでも続かない。それは最後に悲劇に変わる。

このゲームを支配していたマザーコンピュータが、突然暴走しはじめた。


 既に地球上の人口は、そのキャパを満たしていた。


『しかし、このゲームは、終わらない』


勝手に人が排除すべき存在と判断したマザーは、

地球上から全ての人がいなくなるまでこのゲームを続ける事にした。


『そんな事をさせるモノか』


人類は必死になって交戦し抗議した。だがそれは、意味のない寸劇の様なモノだ。

すぐに鎮圧されて、火のない所に煙を立てる事はできなかった。


ラドクリフと呼ばれている男は、クレージーキャッツにいた。

パトリックとイトウのいるチームにだ。ドリフターズはその猫マネをして作ったチームだ。


三人は世界を変えるために、電脳空間でチャットを繰り返し、

その作戦を練りに練っていた。


やがてそのチャットは、戦闘シュミレーションゲームに進化した。

いかにして革命を起こすかという推考を重ね、しだいに共感する同士達を募っていった。


 確実にそれは実行されるはずであった。

 まさに一歩手前の段階まで、その計画は進んでいた。


『諸君、革命のときは、まさに今』


だが怖じ気付いた裏切りモノの密告で、全ては未遂に終わってしまう。


そしてそのチャットは、バカバカしい恋愛ゲームに作り替えられた。


パトリックとイトウはアカウントを残したまま退会し、

そのIDはいろんな人間やデータのバグたちにハッキングされ続けた。


「・・・・・・?」


(ナニを言っているのか、さっぱりわからない)

(とても受け入れられる事ではない)

(いくらなんでも、・・・そんな事)


キミはこの事実を理解できないだろう。

だが・しかし、現実だと思っている方が恋愛ゲームで、

戦闘ゲームだと思っている方が実は現実なんだ。


 オレは諦めきれなかった。

 そんな現実、どうやって受け入れろというんだ。


オレはイトウとパトリックのアカウントをハッキングして、

その世界でテロを引き起こした。


 ゲリラ戦を各地で繰り広げ、血の雨を流し続けた。

 そしてキミに出会ってしまった。


 キミは美しい眼をしていた。

 一度見つめられたら、どうする事もできなかった。

 そのまま、二人は恋におちていた。


キミはレイと名乗っていた。それは本当の名前なのかどうかわからない。

キミ自身でさへ、昔の事はナニも覚えていないのだから。


 本当の事などどうでもよかった。

 欲しいのはキミ自身だけだから。

 何回も何回もキミを抱き続けた。


キミの背中には美しい蝶が飛び続ける。その刺青には、ある秘密が隠されている。だけどその事を、ナニも知らない。それは注射の副作用だ。嫌な事は全て忘れてしまう。そうナニもかも。


 ゲームの世界はマザーに支配されている。

 しかし裏をかえせば、ヤツの脳みそにそれは直結している。


『そこにウイルスを送りこむ』

『そうすれば世界を変える事ができる』


このテロ組織の名前は猫又だ。

飼い猫が年老いて妖怪に化ける様に、

世界を牛耳るマザーに取り憑いてやる。


マザーの中央神経に侵入した。キミがそこにたどり着けば、

それは成功するはずだ。そして、それが実行されるまであと一歩だった。


ーだが、それは、失敗に終わったー


わたしは捕えられ、精神をハッキングされた。

キミは拷問されていたが、知らない間にどこかに行ってしまった。


『生きている人間に、禁忌の呪術を使うとどうなると思う?』


まず頭を二つに割られた。そしてその血を使って、身体中に梵字が刻まれる。

最後には自分でない誰かが肉体の中に入りこんでくる。


そしてわたしはラドクリフになった。

正路雁を飲まされ、その身体はバケモノの様になってしまった。


『不思議な事に精神は自由のままだった』


ゲーム世界の中では、ありのままの自分でいる事ができた。

その自由を保障するかわりに、ある厄介事をやるはめになった。


マザーは完璧に計算され尽くしたデータの塊だ。虚構の恋愛ゲームの中で、

人々の幸福は満たされ、なんの不満も生じるはずはなかった。


『しかし、おかしな人間は、確実に存在する』


ソイツらの思考がバグとなって、

その世界を今度は自分達で壊しはじめた。


ー口をそろえてこう言ったー


『我々は世界を変える事ができる』


まかされた任務は、

その様な危険思想の持ち主を見つけ出し、

速やかに排除する事。


そう、わたしがやらされたのは、『赤狩り』の様なモノであった。


急に人間がなんの理由もなく消えてなくなる。

各地域に、そう言った類いの都市伝説が存在する。


『ちょっとしたメンテナンスの様なモノだ』


我々はメカニックでかつ、トリックのないイカサマ師の部類だ。


どんなにヤツらがチートを引き起こそうが、

最後には簡単に処理されてしまうんだから、

こんなアンフェアな事は他にはない。


『その対価として、世界中のナニもかもが、自分の思い通りだ』


ゲーム上でチートを繰り返した。おんなも金も、ナニもかもが思い通りになった。

耽美なる果実を貪って、その快楽に溺れていた。


ーそしてボクは、他人の人生を生きてしまっていたー


この人生を生きて、このまま死んでしまうのも悪くはない。

そう理解していたはずなんだ。けれども運命に歯車が狂わされる。


ーキミをその世界(=ゲームの中)で見かけてしまったからー


ボクはパトリックのIDをハッキングしている。

そのアカウントでテロ行為をおこなっていたし、

キミと何回も愛しあっていた。


 ここから先はこの姿で、三年前の話をしようとするか。


(黒田さんがパックンの姿に変わっていく)

(カレの言う事は到底理解できない)

(話は、わたしがクレイジーキャッツに、入隊した頃のモノだ)


ボクがキミを見つけたのは、全くの偶然だった。

ケガをしていたし、裸のままでその場所に倒れていた。


『キミは綺麗な身体をしていた』

『とても魅力的な裸であった』

『言わばそれは、一目惚れであった』


自分のモノにしたいと思ったし、他のヤツに取られたくなかった。


キミは死にかかっていたが、

まだ死んではいなかった。

勿論、半殺しでもない。


ボクはイトウの力を借りて、キミの状態を回復させた。


まずキミの身体中に、豚の血を使って梵字を刻んでいく。

キミの身体に触れて、隅から隅までまんべんなくそれをした。


忘れた箇所があると、そこだけあの世にもっていかれる。

忘れない様に何回も何回も見直した。


イトウにはそれをさせなかった。

キミはボクだけのモノだから。

イトウには触らせなかった。


最後の最後にイトウと協力して、キミに呪文をかけた。

これで禁忌の呪術は完成する。


キミはとても可愛らしく、お茶目にボクに接してくる。

少なくとも表面上はそう装っている。けれども昔の事はナニも知らない。


それは薬の副作用であるのかもしれないし、

意図的にそう記憶を改ざんしているのかもしれない。


『どちらにしろ、キミはとても魅力的だ』


 ボクはキミに夢中になった。

 それはゲーム上の黒田も同じ事だ。


ゲーム上で黒田は、あらゆる種類の人間を演じた。そしてキミを口説こうとした。

時には女性になって、キミをモノにしようとした事もあった。


恋愛がはじまると、夢の様な時間がはじまる。それは身体を燃えあがらせる。

けれども原因不明で歯車は狂っていき、最後にはそれは悪夢に変わってしまう。


黒田は諦めきれない。

手を変え、品を変え、身体も思考も変えて、

そしてキミを愛し続ける。


失恋に変わるたびに、アイツは深く傷ついていく。

表層上では平静を装う。だが本当の自分は、深層心理の闇の中に堕ちていった。


キミがゲームの中で見た、黒田との思い出は、

ヤツがデータを改ざんしたモノだ。


チョットしたチートであるのだけれども、パトリックのアカウントを使って、

キミと愛しあった頃の記憶に近いモノがある。


ボクは今でもキミを愛している。例えそれが黒田だとしても、パトリックだとしても、

ナニも変わる事はない。


オレはイトウのアカウントをハッキングしている。ここから先は三年前の後の話。

イトウがクレイジーキャッツを抜けた頃の話をしよう。


(今度はパックンからイトウさんの姿に変わる)

(理解しようとはしている)

(だがそれを、わたしは受け入れられない)


オレはキミを見た瞬間に、心を掴まれてハートを盗まれてしまった。

その肉付きのいい身体も透き通った肌も、ナニよりもキミの微笑みが眩し過ぎた。


惚れたおんなが親友の彼女だと言うのが、

どれだけ辛いかキミにはわからないかもしれない。


オレは冗談でセクハラを繰り返していたが、本当はキミを抱きたくて抱きたくて仕方なかった。自分でもその感情を抑える事ができない。それを抑制するのに必死であった。


 キミは過去を振り返りたくないらしい。

 未来の事しか興味がないのだそうだ。


『オレはキミの裸体を何回も何回も、この眼で直接・拝んでいる』


パトリックは相当嫌がっていたが、

このチームの参謀でメカニックをしているのだから、

それは仕方のない事だ。


背中のクレージーキャッツの刺青は、キミに最低限度の記憶を思い出させるための、受け皿の様なモノだ。注射の副作用で記憶がなくなっていくたびに、そこから記憶を注入し続ける。


キミは淫らなポーズをとって、オレを誘惑し続ける。

オレの脳みそはそれを記憶して、抑えきれない感情と葛藤し続ける。


 『キミは一体ナニモノなんだ?』


どこからきて、どこに行こうとしているんだ?

ナニもかもが到底理解できない。


一つだけわかっていることがある。

その背中の蝶の刺青。

それは69のコードそのモノだ。


そのコードをスキャンし、マザーに送り込む事ができれば、

文字通り『世界を変える事』ができる。


いや、正確には、自分の思い通りに造りかえる事ができる。


オレはそんな事には興味がない。ただ、キミといるのが辛過ぎて、

オレはこのチームを離れる事にした。


キミはゲーム上で恋愛ごっこを繰り返し、現実世界では殺陣劇を繰り広げた。


(やがて、ラドクリフの姿に変わる)

(この答えを受け入れなければならない)


 『今日・本当は、わたしは死ぬはずであった』


パトリックがわたしを倒し、キミのデータをマザーに送りこむ、

それで世界は変わるはずだったんだ。


「だけども、オレはそれができなかった」

「なぜ?なぜ・それができなかったの?」

「もう一度、オレはキミを抱きしめたかった、だから・・・」

「わたしはあなたを殺してしまいたい」


目の前の光景が歪みだし、意識が突然・揺らぎだす。どうやらこれ以上は覗く事ができないらしい。イトウさんが生きていられる時間は、あともう少ししかないのだ。


ラドクリフは悲しい眼をしている。カレはゲームの世界では、

パックンであり・イトウ氏であり・黒田さんでもあるのだ。


やがてその意識の中から、わたしは現実世界へ引き戻されていた。


そこにはイトウさんがいて、わたしの胸に顔をうずめている。


「うー、最高。もうたまらん」

「いつまで触ってるんですか、もう離れてください」


そう言って引きずり離した。わたしはバスタオル一枚しか身につけていない。

イトウさんはわたしを直視する。


『もしかして、透視能力を使って覗いておりますか?』


『こっ、この距離から、

 オッパイもお尻も乙女の大事な所も全部ずばっと盗撮ですか?』


『嫌ーーー、本当に恥ずかしいのんです』


そんな思考も、この人にはずばっとお見通しだ。そしてニッコリ微笑む。

きっとスケスケの丸見えだ。いや・イヤ・嫌!もう本当に辞めてください。


そんなわたしの雑念を全く無視して、イトウさんは直接話しかけてくる。


《オレはキミの事を愛している》

《親友のおんなであるにもかかわらずだ》

《絶対にいつか、オレのモノにしてやろうと考えていた》

《本当は透視なんて一度もしていない》

《それはキミを抱くための、おまじないみたいなモノだった》

《こんな事なら、もっともっと、覗くべきだったのかもしれない》

《最後ぐらい、・・・いいよな》


それは余りにバカバカしい話。けれどそれが、イトウさんの最後の言葉になった。

いつものように胸と股間を押さえる事はしない。今・丸見えであるに違いない。


《くー、最高。なんていいおんななんだ》

《パトリックの野郎が羨ましい》

《一度でいいから、キミを抱きたかった》

《いいかい、オレもパトリックもこの世界からは消えてなくなる》

《だけど、決して希望を捨てないでくれ》

《いつかキミの前にいいおとこが現れる》

《そしてキミはソイツと恋をする》

《いつの間にか、恋は愛に変わる》

《キミは家庭を持ち、心からそれを愛する》

《願わくば、元気な赤ん坊を産んでくれ》

《子供は人類の宝なのだから》


わたしはイトウさんを抱きしめた。

カレはわたしの胸の中で、そっと息をひきとった。


「ゲームセット・ドロー」


部屋一面にロボットたちが押し寄せ、わたしを取り押さえる。

得体の知れない注射を肩に突き刺す。こうしてわたしの意識は、

そのまま一旦途切れてしまった。


 ♢♢♢♢♢♢


雨の日曜日はなぜだか憂鬱だ。文明がどんなに進歩しても、結局傘が手放せない。

天気予報なんて当たったためしがない。


そんな現実も、カレがいれば別の出来事に変わってしまう。

雨には風情があると思ってしまうし、その待ち時間がなんだかとても愛おしい。


「ごめん、待たせちゃって」

「もーー、遅いよ、パックン」


カレはユーモアのセンスもあるし、紳士そのモノだ。

今日もカレから手を握ってくる。わたしはそれを握り返す。


「今日はナニを食べますか?」

「たまにはマクドがいいかな」

「なんだよそれ、お子様ですか?」

「どーせ、お子様ですよ。べーだ」


つまらない会話を恋人の様に繰り返す。いや、本当は恋人であるのだろうけれども。

お決まりのデートコースを堪能したあと、二人は身体を重ねあわせる。


「いやっほうぅぅぅぅぅ。たまんないな」

「なんでイトウさんが出てくるんですか?」

「いや、キミが喜ぶと思って……」


そして最後には黒田さんが甘い言葉を囁き続ける。


「どんな辛い現実も、キミさへいてくれれば、乗り越えていく事ができる」


カレはパトリックであり、イトウであり、黒田であり、ラドクリフでもある。


現実世界では殺してやりたいと考えているのに、

ゲームの世界では何度も何度も逢瀬を重ねてしまっている。


『わたしの精神はどうやら限界の様だ』


「刀・ライフル・こて・こしあて、新人はやく武器をくばれ」


「レイさん。いい加減に名前ぐらい覚えてくださいよ。

 タケルですよ。タ・ケ・ル」


「生意気言う前に手を動かせ」


わたしはこのチームのリーダーであり参謀だ。パックンとイトウさんが死んでからも、

クレイジーキャッツとザ・ドリフターズの激戦が続いている。


わたしは完全に現実世界で恋愛を封印している。

全てはチームの勝利のために。


後方から誰かがわたしを抱きしめる。ソイツは臭いをかいで、

わたしの身体を撫でまわす。振り向いて、おもいっきり顔面をビンタする。


「痛ってーーー、ナニするんですか?」

「こっちのセリフだろ。またお前か」


うちのチームでこんな事をしてくるのは、

コイツぐらいのもんだ。

頭がおかしいに違いない。


「もうつれないですね。いいおんなが本当に勿体ない」

「へらず口をたたくな。この青二才」

「おお恐。でもそこがたまんないんですよ。今度デートしてくれませんか?」

「お前本当に頭大丈夫か?」


コイツはまわりの草食系男子とは違う。根っからの肉食系だ。

わたしは困惑しているが、どこかでそれを受け入れてしまっている。


「よしわかった。この戦争で生き残る事ができたなら、

 お前の子供を産んでやる。どうだいい条件だろ?」


「性格マジでキツいですね。おてやわらかに頼みますよ。

 それにしてもたまんない。絶対に抱いてみせますから」


ラブコメみたいな展開だ。

かろうじてそれで、精神を崩壊させずにすんでいる。


ラドクリフはゲームの中でわたしを抱き続ける。その世界(=ゲーム)の中では、

二人はラブラブであり続ける。だが戦場でヤツが容赦などするはずがない。


「ギャー・ギャー」

「レイさん、将軍が現れました」

「ラドクリフめ、やっぱり現れたか」


わたしは日本刀を抜き、全力でそれで斬りこんでいく。

ヤツは斧で受けとめ、そして斬りかえす。


「うおぉぉぉぉぉ、チェスト」

「甘いなレイ、死ぬんじゃないぞ」


ゲームの中の甘い言葉も、戦場ではなんの意味も持ちはしない。

この戦いに一体どんな意味があるのであろう?


わたしも、パックンも、イトウさんも、ラドクリフも、

世界を変える事はできなかった。


現実は容赦しない。気を抜いてしまうと、

次の瞬間には命を失ってしまっている。

この戦いはいつまで続くのであろうか?


わたしは仮想現実のカレと、今まさに、戦闘中である。


ー(了)ー



最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。

是非、ご意見・ご感想をお送り下さい。

DIG クリエイティブ アワード 2012にも投稿しております。

よろしければご覧下さい。

http://dig-award.com/#/book/read?isbn=5794838776465&chapter=0

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