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遊羅恋帳  作者: 安倍椿
4/5

〜西下り〜


屋敷の前には黒山の人だかりができていた。

遊羅が旅に出ることが都中に広まっていたのだ。

侍女たちをまとめいている乃絵はこの時点での出発は止めるよう言う為に遊羅の寝室へ向った。

乃絵は遊羅でも気を使うやり手の侍女だ。

遊羅は寝室で着替えをしていた。

「遊羅様。乃絵でございます。」

「どうした。こんな早くにお前がくるとは何かあったのか?」

遊羅は着替えながらそっけなく声をかけた。

「遊羅様、外は黒山の人だかり、このような状態での出発は危険かと思われます。」

「出発を止めよと?」

「はい、裏口にもどこにも人で埋め尽くされています。何より、遊羅様につれなくされた者達が遊羅様の名前を叫びながら、おいでになるのを待っております。このような状況ではあまりにも危険かと思います。」

「止めぬ。」

「遊羅様!」

「乃絵、私の留守中のこと全てお前に任せる。侍女たちに出発の準備を急がせよ。」

遊羅はそう言って、寝室と廊下を隔てる御簾を上げさせて、寝室から出て行った。

乃絵はため息をついて頭を下げて、仕事に戻った。


遊羅はアヤメの部屋へ向った。

アヤメの部屋は侍女たちの部屋がある場所の最奥にある。

遊羅がここに足を踏み入れるのは滅多に無いことだ。

そのにいた侍女たちは遊羅の登場に慌てふためいた。

遊羅はこの空間の様子を興味深く見ている。

しかし、アヤメの姿は無い。

「アヤメはいるかい?」

侍女たちは慌てふためきながら答えた。

「アヤメは日も上がらない朝早くに出かけました。いつ帰ってくるかはわかりません。」

「そうか・・・。」

遊羅は扇子を顎に当てながら去っていった。

屋敷の中はとても慌しかった。

外からは時間がたつほどに騒ぎの声が大きくなり、内も外も落着いた状況ではなかった。

遊羅はそんな状況の中、朝食をとり、筆をとりあちらこちらへの留守中のあれこれを書いた手紙を書いていた。

傍らには乃絵が遊羅を止めようと必死になっていた。

しかし、そんなこと遊羅には聴こえてないようだ。

そして、他の侍女が遊羅の元に準備が完了したことを伝えに来た。

遊羅も丁度手紙を書き終えたらしく、あて先を書いて乃絵の方を見た。

「乃絵、この手紙を宛名の主たちに届けておきなさい。留守中、すべてのこと頼んだぞ。」

遊羅そう言って立ち上がった。すると、乃絵はきつい口調で言った。

「そこまでして、田舎の男と遊びたいのですか!?」

遊羅はしばらく乃絵に背を向けて黙っていたが、肩を揺らして笑い始めた。

「乃絵、言ってくれるな。」

そう言って、遊羅は振向いた。その表情は憤怒とはかけ離れている。乃絵はあっけに取られた。

遊羅の乃絵の前に座って言った。

「確かに、田舎の男と遊びたいとも思っているが、それはついでだ。実はな、最近西の国々の国情がよろしくないとよく聞いていたのだ。だから、それを見てみるためだ。しかし、政治に関わらない私がこれを大々的な理由として遠出すると、政に関わるものたちが何をするか・・・。乃絵お前ならわかるだろ。」

「出すぎたことを申しました・・・。申し訳ございません。」

乃絵は自分の言ったことに恥じ入り深々と頭を下げた。

遊羅はそんな乃絵の頭を上げさせてやさしくいった。

「分かってくれれば良い。では、留守中頼んだぞ。」

「はい。」

遊羅は旅姿に衣服を仕替えて、門の外を出た。

するとそこには数え切れないほどの人だかりができていた。

遊羅はその人々に笑顔で手を振って牛車に乗り込んだ。

人々は遊羅が顔を出して手を振ってくれたいう滅多に無いことに動くとすら忘れて見入ってしまった。

乃絵が危惧していた事態は起こらず、遊羅は人々の見送りの中悠々と出発した。


どうも、椿です。

梅雨ですね。でも、雨一回も降ってません・・・。

私は水不足が心配です。

さっそく、神社にでも行ってこようかなと思いました。

(雨乞いでもするきか!?)

じめじめ暑いだけなのは耐えられませんね・・・・(涙)

学校の教室には冷房完備なのですが・・・。質問に行くさきの研究室には冷房ないんで、放課後は地獄です・・・。

寒暖の差が激しいのは温度にナーバスな椿には辛いと嘆く今日この頃・・・・。

安倍椿

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