3.蛇足-人生計画と幸運-
密かなファインプレーとして28歳の私が人生の方針を決めたことが挙げられる。
というのも、今回の一連の騒動の半年前、28歳の時にこれからの人生について考えていた。友人も数える程しかおらず、あまり外に遊びに出かけない。職場はほぼ女性のみであり、出会いは限りなくゼロに近い状況であった。付き合う・結婚といったことは性格的にも向いていないだろうと思っていたが、憶測だけでは決定打に弱い。このままダラダラと過ごしていてはいつの間にか30歳を過ぎ30代後半で考え動き出しては遅い、自分を売り込むなら20代の今しかないと動き始めたのだ。
子どもが欲しいというのがゴールであったため、早速結婚相談所に登録し何人かの男性と会って話をした。結果、自分に結婚は向いていないと分かった。そもそも人付き合いが苦手であったため、他人と関係を築いていくことが大変苦痛であった。それを体感できたことが最大の収穫であり、結婚をしないという人生計画を立てた。もちろんこの先素敵な人との出会いがあるため絶対というわけでない。しかし、方針を早くから決めておけば前もって準備をすることができると考えたのである。因みに姉も同時期に結婚相談所に通っており、姉も独り身を貫くことを決意していた。独身で生きるということは老後も一人で生きていかなければならない。そのためには老後資金を確実に準備しておく必要があるため、NISAや貯金をしよう、年金では家賃は払えないだろうから持ち家が欲しいなど、先々まで何となくではあるが計画を見据えることができた。そして、予測はしていなかった今回の騒動でも、自分達のおおよその人生の方針は決まっていたため早々と分譲マンションの購入を行えたと思っている。今思っても昔の自分に拍手を送りたい。
もう一つ、今回の騒動で頼りになったのが職場の先輩方である。私の職場は先輩方がとても優しくそしてフレンドリーである。気さくな先輩ばかりであり、優しさも相まって休憩中などはプライベートな話もよくしていた。今回の騒動についても相談をすることができたことはとても意味が大きく、人生の先輩でもあるため自分にはない考えが聞けたことはとても幸運であった。また複数の先輩(もはや自部署のほぼ全ての先輩)が話を知っていたこともあり、違った意見を聞くことができたため、自分の中の選択肢が広がり増えたこともとても助かった。
今回の騒動は今後の人生にも影響するような大きな事柄であったため、一人で考えるのではなく周りに相談できたことが何よりも幸運であったと感じる。