第2話 少しずつ
コンビニからはキャーッと声が聞こえる。
意識が遠のいてく。
遠くからかすかに救急車のサイレンの音。
バタバタ…
カランッ…
キャーッ!
ピーポーピーポー…
…
「ん……はっ!」
「…ん?」
目を開けると、青い空、白い雲。
何かおかしい。
起き上がって周りを見ると、見たことの無い風景が流れ込んできた。
周り全てが草原。
ちらほらとたんぽぽ、アサガオ、チューリップなどが咲いている。
え…怖。
私はなんでこんな所にいるの?
私はなんでここに来たの?
最近のことなはずなのにちっとも思い出せない。
そうだ!服は…
服は、ワンピース?ボリュームがある。色はピンク。胸元には網のようになっていて、本当にプリンセスが来ているような可愛い服装。
レースも着いている。
立って周りを歩いてみる。
少し歩くと、山が見えてきた。
果樹園みたいだ。
もう少し歩くと、村?が見えてきた。
あ!人がいる!
トタトタ走っていくと誰かに肩を掴まれた。
「ねぇ。君誰?」
私と同い年位の男の子。
彼の服装は、緑で制服のブレザーを脱いだような服装。
身長は私より少し高い顔立ちもレベルがひとつ高そうな顔。
「えぇと、私も分からなくて…」
…しまった!自分が分からない子って思われる!
いや、実際そうか。
「とにかく誰かは知らないけど、この村へようがあるんだね?誰?呼んでこようか?」
「あ、いや、私、起きたらそこの草原の真ん中にいて、私もなんでそこにいたのか分からないの。だからどうしたらいいか悩んでて。」
「そっか。食料は?家や家族はいる?」
ズキッ…
急に少し頭痛がした。
「ううん。分からないの。多分…居ないんじゃないかな。」
「そうなんだ。この街で泊まっていく?俺の隣の家、空き家だから。そこに住んだらどう?」
「え!良いの?いいんだったら本当に住んじゃうよ?」
「うん!この街では、空き家、空き部屋は許可を貰ったら住んでいいんだ。」
「ありがとう…!」
変な街だけど、優しい人がいて良かった!
で、誰だろう。
「あの、君の名前は?」
「俺の名前?シオンだよ。階級は緑。見たらわかるか…!君は?」
「私の名前は、」
瑠梨…
「私は瑠梨!シオン君よろしくね!ところで階級って何?」
「瑠梨、よろしく!あと、シオンでいいよ。階級は、レベルみたいな感じで、赤、ピンク、橙、黄色、薄黄色、緑、黄緑、薄緑、青、水色、紫、赤紫、薄橙、茶色、白、灰色、黒の順番で、レベルが変わるんだ。」
「へぇ!じゃあカラフルだね!」
「うん!だから、瑠梨はレベルがすごく高いんだ。俺はそこそこだけど。」
「レベル高いといい事あるの?」
「レベルは強さを表しているから、住んでいる家も豪華に出来るんだ。富豪みたいな感じ。それと、赤の1番権力が高い、ルドベキア蝶強に話すことが出来るのはピンクだけなんだ。あ、蝶強って言うのは総理大臣みたいな人だよ。」
「へぇ。すごいんだ……!」
「とにかく、街へ入ろう。ファイアードラゴンが来るよ。」
「ファイアードラゴン?」
「うん。ドラゴン。ドラゴンは夜に街の周りに来るんだ。夜に街から出て草原の方にいたら、一生ここに戻れなくなって…でも、迷信?みたいな感じだから!」
「えぇ…」
迷信だろうけど…この世界ではどうなのかな…
「街へ入ろう。」
そう言われて私はシオンについて言って、街へ入った。
…何か見られているような気がする…
ちらっ
うわぁ。街の人みんな私達を見てる…
いや、私か?
するとシオンが止まって裏道の方へ入っていった。
「すごく見られてるね…」
「うん。瑠梨がいるからね。」
「え?なんで?」
「ピンクだからだよ。この街では、薄黄色までしか居ないからね」
「え…!ピンクはレアなの!?」
この街では権力が高いみたい。
するとシオンの横の家にたどり着いた。
「ここだよ。空き家だから好きに使ってね。」
「ありがとう。じゃあまた明日!」
見た目はログハウスのようになっていて、とても綺麗。
家の中も綺麗で、キッチン、リビング、トイレ、風呂場、寝室、和室、ベランダ、部屋が4個ある。
広くて驚いたが、寝室で寝よう。
寝転がると気持ちよくてすぐ寝てしまった。
ここまで読んでくれてありがとうこざいます!
次はもっと街のことをシオンに教えてもらいます!
良ければ読んでください( 厂・﹃・)厂