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庚申御遊の宴【第四話】




 僕、萩月山茶花が所属する百瀬探偵結社の本社は、茨城県の常陸《 ひたち》にある。

 常陸なんていう田舎の探偵結社に今回の三尸の一件のような東京からの探偵依頼が舞い込んでくるのは、ひとえに総長・百瀬珠の手腕による。

 そもそもが、東京の山の手のお嬢サマなのだ、総長は。

 首都という中央からの太い人脈のパイプが、もとからある。

 プレコグ能力という、強力なESP能力も保有している。

 そのうえ、〈裏の政府公認〉のエージェントでもある。

 僕らは、そのエージェントの、さらにその代行人として、つまり部下として、働いている。

 ここが探偵結社であって、探偵事務所と呼ばないのは、オカルティックな事件の依頼に応えるから、そう名付けられているという点が大きい。

 僕らは身体を張ってモノノケと戦うこともある、ということだ。



 ……そんなことを反芻しつつ、カレーうどんをつくる僕。

 誰も手伝いにこない。

 薄情者めっ!


 さっき、僕が意識を取り戻したときは、そのとき結社の事務所にいたメンバーは集まったけどね。

 薄情ではない、のか。

 なんて言おうか。

 いや、やっぱ薄情者だ!

 この薄情者たちめっ!



「うち、おなかすいたわぁ。山茶花、もっと素早くしてなぁ?」

 枢木くるるちゃんからの言葉を背に受け、エプロンをつけた僕は立ち回っている。


「くるるちゃんも手伝ってよ」

「いややわぁ。手伝わんよぉ、うちはぁ。山茶花のつくったのを食べる方専門やわぁ」

「はいはい、そーですか」

「うちの裸エプロンが見たいなんて言ったらぶち転がすでぇ」

「言わないよ!」


 ほどなくして、料理は完成する。

 山菜の天ぷらも、ついでだからつくった。


 みんな席について、カレーうどんと山菜の天ぷらをもしゃもしゃ食べながら、会話が始まる。





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