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配信者になろう ~突然できた年の離れた義妹に人生キャリーされています~

掲載日:2022/07/22

初投稿です。初めて小説を書いてみました。


みなさんの反応や評価が頂けたら嬉しいです。


よろしくお願いします。 m(_ _)m

()()病ですね、診断書を出しておきますので会社に休職の申請をして下さい」


 医者から宣告されたのは誰しもが一度は聞いたことがある病名だった。


 高卒採用で大手自動車関係の会社に就職してから特に大きなトラブルも無く人並みに働いてきた大山大地おおやま だいちは、10年目の夏にさしかかる時期に手足の痺れが気になり整形外科に通院していた。


 しばらく外科治療を受けていたのだが症状改善の傾向は見られず、紹介された精神科医から()()病の診断を受けたのだ。


 思い返せば25~28歳くらいの間に自分にとって大切だったモノをたくさん失ってきた気がする。


 小学3年生から続けてきたサッカー、中学2年生からハマったオンラインゲーム、結婚して疎遠になっていった友人たち、結婚願望など。


 全てが急につまらなくなってしまい、辞めた。


 働かなければならないモチベーション作りの為に購入した特に興味が深いわけでもない高級車も気づけばローンを払い終わっていた。


 今回休職になったことで最低限人に迷惑をかけないように生きるという大地自身が大切にしていた尊厳も失われかけている。


 別に死にたいわけではない。ただ、何のために生きて何を目的に働いて、何を楽しみにして喜びを得られるのか分からなくなってしまったのだ。


「このままじゃやばいよなぁ……。何でもいいから少しでも気分転換になること……」


 そう思って一番最初に頭に浮かんできたのは、中学生時代の夏休みに友達と肝試しで遊びに行った地元で有名な心霊スポットの廃神社だった。


 かなり山奥にあるのだが、友達と一緒に冒険気分を味わいながらだったので不思議と疲れを感じることなく自転車で登りきることができた。


 夜中に外出しているという背徳感や心霊スポットの廃神社というだけあって不気味な雰囲気にずっと心臓はドキドキしていたが、嫌な気持ちでは無かったのを覚えている。


 友達が近くにいる安心感と非現実的な世界に触れている新鮮な感覚で、ずっとワクワクしていたくらいだ。


 昔は何であんな危険ばかりで利のない行為が楽しかったのか理解し難いが、そのときに見た綺麗な星空は今でも鮮明に思い出すことができる。


 ――時計を見る。


「2時か……」


 大地はコンビニに行ける程度の格好に着替えて車の鍵と財布をポケットに突っ込み玄関を出る。


 一度コンビニに寄ってペットボトルの飲料水と小腹が空いたとき用のお菓子を適当に買い込み目的地へと向かう。


 すっかり自分以外の人間を乗せることの無くなった8人乗りの高級車で見通しの悪い山道を慎重に運転する。


 山道特有の腐葉土が地面から跳ねて自慢の綺麗なボディを汚すが全く気にならなかった。


 昔友達と自転車で来たときは1時間以上掛かったと思うが、車ではあっけなく目的地の廃神社近くに到着してしまった。


 車を山道の脇スペースに駐車して廃神社に繋がる急な階段を一段、また一段と膝に手を付きながら上っていく。


「はぁ……はぁ……こんなに……きつかったっけ……はぁ……」


 かなり急な階段とはいえこの程度で息が上がってしまう程自分の体力が落ちていたことに少し傷つきながら、ついに目的地の廃神社に到着した。


 靴から膝下まで腐葉土で汚れていて気持ち悪い。雨は降っていなかったが山の中特有の湿気でこうなってしまうのだろう。


 社会人サッカーの時に使っていた一人用のキャンピングチェアが畳まれて入っている細長い袋を肩から降ろし、周囲10m程度を照らすことができるライトを置き、椅子を広げてペットボトルとお菓子の入ったコンビニ袋を引っ掛けて最後に自分が椅子に腰掛ける。


 星空を見上げてアニメで得た知識の星座を探す。


「あれがデネブアルタイルベーガ……夏の大三角って……どれが??」


 正直、はっきり見える程の星空を見ても中学のときに習った冬の星座のオリオン座くらいしか分からない。


 コンビニで買った飲料水や食料に手を付けることもせず、階段を上った疲労で早くなっている心臓の鼓動音と一定のリズムで鼻を通り抜ける空気の音をBGMにして名称が分からない星空を観察する。


 相変わらず幽霊に会うことはできず、星空は綺麗なままだったが気分が高揚することはなく、虚しさに心が支配されていくのを感じた。


 自分の心が昔とは変わってしまったのだという現実を再認識する。


「はぁ……(帰るか)」


 そう自分にしか聞こえない独り言のような溜息をついて立ち上がろうと椅子の肘掛けに手をつこうとしたとき、自分以外の存在を知らせる音がはっきりと耳に入ってきた。


――ガリガリガリ……ガリガリガリ……


 その音の主も明かりを有していた。不気味な音を立てながら空中に浮かぶライトの光がゆっくりと近づいてくるが、こちらに向かっているのとは少し方向が違っているようにも見える。


 が、こちらの明かりに気づいたのか方向が明らかにこちらに向いたのが分かった。不気味な音と共に明かりが近づいてくるペースが上がる!


 不気味な音の主の有している明かりと大地が設置した明かりが接近したことによって、ついに正体を認識することができた。


 その正体はヘルメットにライトが付いたタイプの明かりを被った男が、スコップをひきずる音を立てながら歩いてきたというだけで、紛れもない人間だった。


 しかしその男が人間というだけでは安心できない違和感が“2つ”あった。


 何故“階段とは逆方向の廃神社側から来た”のか、


 何故“目隠しをした状態の少女を連れている”のか……


「あ……こんばんは……」


 状況を整理することができず、大地は座った状態のまま怪しい男に間抜けな挨拶をする。


 すると男は突然目隠しをされた状態の少女を横に突き飛ばし、スコップを構えて奇声を上げながら襲いかかってくる!


 少女は目隠しだけでなく後ろ手に縛られていたため顔面から腐葉土の地面に倒れ込んでしまった。


「っがぁぁあああああああ!!」


 男の低い奇声とともにスコップが大地に向かって容赦無しに振り下ろされる!


「……っっ!!」


 大地は声にならない悲鳴を発しながら何とか腐葉土の地面に飛び込み転がるようにしてスコップを避けた。


(殺される……!!)


 大地は男から明らかな殺意を感じて体が震え上がる。


「クソォッ邪魔だっ!!」


 大地が異常事態によって一瞬止まっていた思考から我に返ったとき、スコップ男はキャンピングチェアの布部分に突き刺さったスコップが外れず悪態をついていた。


 男はスコップを諦めたのか振り向きざまに素手でこちらに飛びかかってくる!


 大地は中学生時代からずっと友達から名前負けしているとイジられるほど体格に恵まれてはいなかった。


 男と大地はひと目で判断できる程の明らかな体格差があり、取っ組み合いになったらまず大地に勝機はないだろうということが分かった。


 男に捕まってしまったらという恐怖心が脳裏をよぎり、大地の身体全体に力が入る。


「だあっ……!!」


 大地は手を付いていた地面から爪を傷める心配をする余裕もないほど全力を込めて腐葉土を掴み取り、男の顔面めがけて投げつけた!


「ぎゃっ……!!べっ……!!おえっ!!」


 それは結果的に男の目と口の中に大量に入り、男に隙が生まれた。


 大地はサッカーの試合で相手チームから背番号を覚えられてマークされるほど足の速さと瞬発力には自信があった。


 そのため、反則ギリギリの接触プレーを常に受けていて、実際にそのファール(反則行為)によって怪我をすることも少なくなかった。


 その中で勝手に覚えていった、人間が“動けなくなるほどの痛みを感じる場所”を思い起こす。


 そして、思いっきり男のアキレス腱や膝の裏を靴の硬い部分で蹴り、体制が崩れたのを確認してから股間、鼻、耳、みぞおちなど、手でガードできていない場所を狙って人間の急所という急所を蹴りまくった!


「う゛ぅ゛……!!う゛っ!!ぐぅ……」


 男の悲痛な声が何度も響き渡り、意識があるのか分からない状態で地面に頭を付いてうずくまり、手のひらはピクピクと痙攣しながら手の甲を地面に擦り付けていた。


 大地は男が身動きが取れない状態になっていることを察し、羽織っていたジャージの上着を脱いで男の足首をこま結びで何十にも縛り、更に中に着ていたインナーも脱いで男の手首もきつく縛った。


「はぁ……っ!!はぁ……っ!!」


「はぁ……っはぁ……」


 大地は放心状態だった。状況の把握に時間が掛かる。一体何でこんなことになってしまったのか……少しずつ呼吸が落ち着いていくのと同時に冷静さを取り戻していく。


「そうだ!!女の子はっ……!?」


(いた……よかった……無事?……なのかな)


 少女が突き飛ばされた位置から移動した様子は無いが、女の子座りをして目隠しされた状態のまま体はこちらを向いていた。


 急いで少女のもとへ駆け寄ろうとするが、自分の足じゃないみたいに膝が震えていて走ることができず、転ばないようにゆっくり慎重に少女のもとへ近づいた。


「大丈夫?目のやつ……今取るから……うーん……ごめんもうちょっと明るいところ行こう、大丈夫?」


 恐る恐る腫れ物を扱うような対応で少女に接するが、少女は意外とあっさり立ち上がり大地が支えながら誘導する方向へ移動してくれた。


 大地の持ってきたライトの近くで目隠しを外してやると、少女のあまりにも綺麗で整った容姿に絶句してしまった。


「……っ!(外人さん?)」


 少女の髪は夜のライトに照らされて綺麗な金髪に見えたが、影になっている所は黄色みが無いように見えた。もしかしたら銀髪なのかもしれない。


 少女の顔に泥が付いていたため拭いてあげられるものを探したが、大地は上半身裸の状態。


 申し訳ないが少女に巻かれていた目隠しの布を使って泥を拭いてあげた。


 少女は抵抗することもなく、しかしお礼を言うこともなく素直にされるがままといった感じで不思議そうな表情をこちらに向けてくるだけだった。


 縛られている手首の方は、100円均一などで販売されているナイロン樹脂製の結束バンドが使用されており、ハサミでもなければ外せそうになかった。


「あ……警察に……」


 やっとこの状況において一番にやるべきことであった通報という手段が頭に思い浮かび、ポケットからスマホを取り出して人生で初めて110番に電話を掛けることになった。


(今の時代こんな山奥でも普通に電波通っててくれるんだな)


 近代技術の進歩に関心しつつ、頭の中でこの状況をどうやって伝えたらよいのか必死に考えていたら、警察に電話が繋がったので事の一部始終を説明した。


 しかしいまいち警察側の反応が悪い。とりあえず怪しい男を捕まえてその男から助け出した縛られている状態の女の子がいるという状況は信じて貰えたようだが、通報主である自分にもかなりの警戒心が向けられている感じが伝わってくる。


 イタズラでは無いことを何度も必死に訴えたのが通じ、真夜中に山奥までパトカーを一台向かわせてくれることになった。


 いくら警察とはいえ深夜に明かりも無い状態のこの場所をすぐに見つけて貰えるか心配になったので、車まで移動することにした。


 スコップが刺さっている椅子の近くに落ちている食料と飲み物が入っているビニール袋を拾って軽く泥を落とす。中身は無事だ。


「っふぐ……ふぐ……ぬぁああ!!畜生っ!!ぶっ殺してやるっ!!外しやがれえっ!!」


 男の意識が戻っていて、縛られた足首に顔を近づけようとしていたが全く届いておらず、怒り狂っていた。


 その悍ましい声に少女が怯えていたため、大地はコンビニ袋からグミを取り出して封を開け、ズボンで雑に拭いた手でグミを一つ取り出し少女の口に入れてあげる。


「ごめんね、これちょっと持ってて」


 500mlのペットボトルも入っているため少し重量があったが、結束バンドで縛られている手に渡したコンビニ袋を少女はギュっと力強く握って受け取ってくれた。


 手が空いた大地は黙ったまま男に近づき、もう一度男のみぞおちを思い切り蹴る。


 そして目隠しに使われていた布をポケットから取り出し、強制的に開かせた男の口から首の裏に巻くようにして縛った。


 相変わらず男は聞き取ることのできない怒声を発し続けていたがそれを無視して、少女から再び受け取ったコンビニ袋を手首に通し、代わりに大地が持ってきた明るいライトの取手部分を少女に持って貰う。


「……よし、行こう。ライトしっかり持っててね」


 そう言って大地は後ろ手にライトを持った状態の少女をお姫様抱っこで持ち上げて階段に向かって歩き出す。


 大地の予想通り足元がしっかり照らされて見渡しやすい。縛られた状態の少女と一緒に滑りやすい急階段を暗い夜中に降りるための最善策だった。


 明らかに上るときよりも過酷な状況のはずなのだが、少女の命を預かっている責任感から、大地は疲れを感じる余裕もなく一段、また一段と全神経を足元に集中させながら階段を下りきることに成功した。


 最後の力を振り絞って少女を地面に丁寧に降ろした直後、一気に疲れがやってきて大地は階段の一段目に座り込んで乱れた息を整える。


 そんな大地の様子を心配そうに見つめる少女に対して大地はコンビニ袋から未開封のペットボトルを取り出してキャップを開け、少女に差し出すようにして声を掛ける。


「お水、飲む?」


 少女は首を横に降って断ったが、その後視線がコンビニ袋の方を見ているのが分かった。


(もしかしてグミが食べたいのかな?)


 大地は太ももにペットボトルの水を傾けるように挟んで軽く手を洗ってから、グミを取り出して少女の口へ近づけてやると、少女は目を輝かせながら「あーん」と小さい口を力いっぱい広げてきた。


「あはは……」


 少女の無邪気な姿を見て、大地から自然と笑みがこぼれる。


 こんな事件の最中でありながら心はとても穏やかな気持だったが、ここ数年“作り笑顔”しかできなかった大地は、久しぶりに心の底から“本当の笑顔”が出てきたことに少し驚きながら、別に悪いことではないのにペットボトルの水を口に運んで“本当の笑顔”を誤魔化した。


 車に移動してエンジンを付けてヘッドライトとハザードを点灯させて目印になるようにして警察の到着を待つ。


 大地は少女の体調を気にすることはあったが、少女に名前を聞くこともせず、少女について全く詮索しようともしなかった。


 他人に興味や期待を持たない、なので詮索もしない。社会人になってからしばらくして行き着いた大地の考え方だった。


 クーラーの効いた車内で少女と一緒にグミを食べながら待つこと数分、警察が到着して男は逮捕され、少女は無事保護されることとなった。


 少女と一緒に居た大地は上半身裸の状態で通報者とはいえかなり怪まれる状況だったと思うのだが、意外すぎる程あっさり大地の証言が全て認められて警察からは犯人逮捕の協力を感謝されただけであった。


  ――そして事件は一件落着……しなかった。



 事件のショックからか、少女は警察に対して一言も口を開くことはなかった。


 若手の女性警察官が風呂や食事など一通り少女の身の回りの世話をして一緒に警察署に泊まったそうだが、それでも少女と会話をすることはできなかったみたいだ。


 事件当時、親しそうにしていた大地が警察署に呼ばれて少女と会話しながら質問を試みる。


「昨日、一昨日……?、聞いてなくてごめんね、キミの名前を教えてくれる?」


 少女は不思議そうな顔をしてこちらを見つめてくるだけ。


「お母さんの名前は分かる?」


 少女は首を横に振った。どうやら質問を理解した上で、返答を拒否しているわけでもないように見える。


「お家の場所は分かる?」


 再び少女は首を振る。少し辛そうな表情にも見えて質問してる大地も申し訳ない気持ちになってくる。


「俺のこと、怖いかな?……あ、いやごめん……」


 大地から不意に出てしまった言葉だった。すぐに少女を困らせるだけの質問だったかもしれないと思い返して、質問を終わろうとしたそのとき、


「……!」


 その場を離れようとした大地に少女が抱きついてきたのだ。


 大地は気まずそうに若手女性警察官を見ながら両手を上げて情けない服従のポーズを取る。


 大地の前に質問を試みていたであろう若手女性警察官も、解決の糸口が見つからないこの状況に困り顔を浮かべる中、ベテランの風格がある男性警察官がデスクから立ち上がり声を発した。


「現状を整理しますと、少女の身元は完全に不明で犯人の男からも情報は引き出せていません。このままですと施設に送ることになりますが、見たところ大山さんにかなり懐かれているご様子で」


 ベテラン警察官が説得力のある口調で分かりやすく現状を整理して説明してくれる。


「もしよろしければ、この少女の身元が分かるまでの間、仮の養子縁組として大山さんの家に預かって頂くことはできますか?戸籍や身分証明などの手続きは仮名を決めて頂き次第こちらで全て対応させて頂きます」


 突然な話だ。いくら懐いているとはいえ昨日出会ったばかりの女の子が自分の家族になるなんて……想像できない。


 大地はうつ病の自分が他人の面倒を見られるような状態ではないと思い、きまずそうにベテラン警察官に話を切り出そうとする。


「でも……俺は……」


 しかしベテラン警察官は説得力のある口調を崩さず、しかしどこか優しさを感じる声で大地の話を遮ってくる。


「大地さんがご病気を療養中だということも存じた上でお願いしています、すみません勝手に」


 警察が自分の病気のことを知っていることに驚いたが、大地が事件の関係者かもしれないことを考えれば調べない方がおかしいかと納得する。


 大地に必死に抱きついたまま離れない少女の姿を見て、大地は考え込んでしまう。


(こんな子が俺なんかよりよっぽどひどい環境に……)


 大地が考えながら黙りこんでいると、ベテラン警察官がしばらく待ってから再び大地に声を投げかける。


「私は、今までいろんな人を見てきました。大地さん、あなたは人の助けになれる人です。そして彼女は、助けを求めている人です」


「誠に勝手ながら大地さんのご両親には既に了承を得ております。あとは大地さんご本人の意向次第です」


 いつの間に。警察の行動力の早さに驚きっぱなしだが、現状を完全に理解することができた。


 大地が了承すれば少女は自分の妹として大山家に引き取られる、断れば少女は施設に引き取られて里親を別に探すことになる。


 しかし一番大事なことがまだ確認できていないと思った。


 大地は抱きついている少女の手を優しくほどきながら両手を取り、泣きそうな表情の少女と同じ目線になるように少ししゃがみ込む。


 真剣な表情で少女の目を見つめながら最後の質問をする。


「俺と一緒に居たい?」


 すると少女は綺麗な翡翠色の瞳に涙を浮かべながら何度も頷いて再び大地に抱きついてきた。


 大地も今度はしっかりと少女を受け入れ、華奢で壊れやすそうな身体を抱きしめながら少女の助けになることを心に誓った。


 その様子を見ていた若手女性警察官は少女よりも号泣していて、ベテラン警察官は成長する子供を見守る父親のような表情をしていた。

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