第二話
―大学でー
「有希、今日お昼どうする?学食?」
「あっごめ〜ん。今日、お昼で終わりだから帰るね!」
「なに、なに?デートか?(笑)」
「違うよ〜(笑)あっ行かなきゃ!じゃあ、また明日ね♪」
仁との約束の時間に遅れそうで、私は走って教室を出た。
仁って、自分は遅刻するくせに、私が遅れるとうるさいんだもん!
校門に近づくにつれて、女の子たちの会話が聞こえてきた。
(ねぇ〜あの人かっこよくない?)
(ちょっと、声かけてきなよ!)
まさかね〜(笑)
でも、確かにこうやって仁を見ると、背も高いし、顔もかっこいい。
だけど、性格がなぁ・・・(笑)
「有希―!!遅い!!」
「遅いってまだ約束の時間なってないじゃん!」
「俺、10分も待ったんだからな!!」
ほら(笑)
「10分しかでしょ!?」
「まっいいや〜。腹減ったから、早く行こ。」
女の子たちの視線を浴びながら、私は車に乗った。
「どこ行くの?」
「決めてない!!」
「え〜、どっか行きたいトコがあるから私を誘ったんじゃないの?」
「有希と遊びたいから誘ったの!!」
「まったく〜(笑)」
私たちはランチをしてから、ドライブして海に行った。
砂浜に座りながら、昔のことを思い出していた。
「海なんて久しぶりだね〜。」
「小学生ぶり?あの時、聖が溺れて大変だったよな(笑)」
「そうそう〜(笑)聖さぁ、水泳習ってるからって沖まで泳いだのに戻れなくなって。」
「あんな怒った父さん見たのあの時だけだよ(笑)」
「そういえば、あの後だったね〜兄妹のこと聞いたの・・・。」
・・・・・
「あっごめん(汗)なんかしんみりしちゃったね。」
「ううん。あれは結構ショックだったけど、うちは仲いいし別によくねぇ?(笑)」
「そうだね(笑)さて、今日は早く帰るし、雄ちゃんのお手伝いでもしますかー!!」
「してくだパイ〜♪」
「仁もすんの!!」
「えっ〜!?」
私たちは海をあとにした。
家で起こっていることなど、知らずに・・・。