2話
『僕は人間らしく生きることをやめた』
『そして僕は君たちと出会って変わっていった』
僕は高校一年生の山辺空。
クラスには一人も友達がいない。容姿も地味で成績も普通となんの取り柄もないただの高校一年生。
なぜ僕に友達がいないのかは中学生のときのいじめが尾を引いているからだ
中学3年生のある日から僕は嫌がらせを受けるようになった
最初はただの嫌がらせでしかなかった。
中学生らしく体をぶつけてきたり、悪口に近いあだ名をつけられ、クラスに広まって
みんなが僕のことを面白おかしくそのあだ名で呼んでいるぐらいだった。
それがどんどんひどくなっていき上履きが隠されるようになったり、教科書がなくなったり、体操服が濡らされていたりと同級生たちの僕に対する嫌がらせはひどくなっていくばかりだった。
僕は母親が13歳のときに病気で亡くなっており、お父さんと11歳の妹が1人の3人家族であり、昔から家族に心配をかけたくない性格だったので、学校で嫌なことがあったとしても親にそれを相談することはなかった。
ネットでいじめの件数を調べたら、2018年の小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は414378件で、中学生だけで見ると80424件であると書いてあったのでいじめはどこでもあっているもんだと思ったらこのくらいは我慢するべきなんだなと自分の中で整理ができていた。
ある日いつものように学校に行くと
机の上に花が置いてあった。
誰かがここに忘れて行ったのかなと最初は思った。そしてふとの黒板のほうをみたら、黒板にはびっしりと僕に対する悪口が書かれていた。
僕はよくこんなにひどいことを同じ人間が書くことができるなと心の底から思った。
そこに、担任の先生が来て、黒板に悪口を書いていた生徒たちを呼び出し怒っていた。
怒られるぐらいでやめる生徒ではないと思っていたがその日から今まで以上にいじめはひどくなっていった
僕は先生に相談しにいった。
すると先生はこう言った。
『山辺、いじめる奴は絶対悪い、もしかしたらいじめられているやつにもなにかあるのかもしれない。だからお前も自分のことをもう一回見直してみろ。』
僕がなにをしたというのだろう。なにもしていないのにいじめられて、たくさん嫌なことをされてきたのに、まだ助けてもらえないのか。僕は自分の中の何かが折れたような気がした。
僕は人間とは、怒って・泣いて・笑って・遊んで・学んでなどを当たり前のようにできるのが人間と思っている。でも僕の今の状況はどうだろう、怒ればいじめが悪化する、泣いてすがっても助けてくれない、笑えるような日常がなく、遊ぼうとしても遊んでくれる人がいなく、学ぶための道具もかくされる。
自分はなんのために生きているんだろう。僕は死という道は選ばない。だって死んでしまったらすべてが終わってしまうから。がんばって生きていればなにかが変わるかもしれない。でもそれは今じゃない。
だから僕は『人間らしさをやめる』
1人になることを選び、できるだけ誰ともかかわらない人生を歩んでいくと
人間らしさをやめるといっても死ぬことではなく。
できるだけ誰とも関わらないことで、怒ることもなく、泣くこともなく、笑うこともなく、遊ぶこともなく、学校という空間で1人で生きていこう。他人を信じるな。自分を信じろ。この日から僕は1人で道を歩き始めた。
これが僕が今一人でいる理由だ。