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Pure rain  作者: 柊羽
2/5

偶然か、必然か

その出会いは偶然か、

それとも……




暫く歩いていると、何やら話し声が聞こえてきた。

よくよく聞いてみると、どうやら言い争っている…と言うよりは、罵倒していると言ったほうが正しいかもしれない。複数人の声が雨音に紛れて聞こえる。


(け、喧嘩……?)


まずいところに来てしまったか…寄り道せずに家路に着いていればよかったと後悔し始めたとき、


―バシン―


雨の中、渇いた音が響き、

―バタバタバタ―


数人の女子(制服が違かかったので、多分他校生)が草陰から出てきて、柚希に気づかないまま早足で立ち去っていった。


「………行っちゃった…喧嘩……してたのかな…………ん?」


気付かれたら色々と面倒は必須。少しほっとした柚希は草陰にもう一人居ることに気づいた。

全身ずぶ濡れで俯き座り込む女の子。彼女の周りには鞄の中に入っていたであろうものが散乱していた。

…柚希はすべてを察した。あれは喧嘩は喧嘩でも、友達同士の揉め事ではなく、一方的で理不尽なもの…………。


柚希は自然に草陰に足を踏み入れ少女の前に行き、散乱した鞄や筆記用具などを拾う。柚希の気配に気づいたのか、少女が僅かに顔を上げた。


「…あ、ごめんね。余計な事だった…かな…」

「………………」


少女は無言で首を振り、自分も拾い始める。

柚希は拾った物を手渡し、改めて少女の顔を見た。赤く腫れた頬。やはり先程の音は彼女が叩かれた音だったのだ。恐らく、あの数人の女子の中の一人に…。

荷物を鞄に詰め込み、小さく頭を下げ、逃げるように立ち去ろうとする少女を柚希は引き止めた。


「あ、待って!!」

「!え……」

「あ、…え…と」


少女は怯えたような視線を柚希に向ける。柚希自信も何故引き止めたのか解らず言葉に詰まる。そして…


「私の家、すぐ近くなの。寄っていって!!」

「え………でも…」


少しの沈黙の後、柚希は意を決して少女に提案するが、警戒しているのか顔は強張ったまま。…余程酷い事をされてきたのだろう。無理もないかと思い、柚希は優しく微笑み少女の手をとると、びくりと体を震わせるが振り払う気はないと分かった。


「そんなびしょ濡れのままじゃ、風邪引いちゃうよ?ウチで暖まって行って、ね?」

「………いいの?」

「うん!!」

「……あ、りがとう……」


柚希の言葉に警戒を解いたのか少し微笑む少女。そして柚希は、彼女を傘の中に招き入れ家路についた。



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