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ぶすくれ譲は ドM譲

「デューク王の裏の姿です・・・。鬼畜で、ドSの、悪魔・・・あぁぁぁ・・・たまらないわ。わたくしに時々見せる、あの蔑んだ目。手が滑った振りをして皿を落としてわざとわたくしの手を切ってみたり、この間なんかわたくしの美貌に感動してよろけた振りをして、わたくしを冷たい湖に突き落としたりしましたの。うふ・・思い出しただけで、ぞくぞくするわぁ」


うわぁぁぁ。ドM宣言来ましたよ!!!!ぶすくれ嬢はドM嬢だったんですね。どうりでデューク王と結婚しようと思うわけだ。っていうかデューク王なにやってんの!!!細切れにする前に死んじゃうよ!王女様!!でも、これってかなり相性がいいのではないの?二人とも・・・。


あ・・・ダメだ。



鬼畜ドS王はエリョリーナ王女を殺そうとしているんだった。どう見ても健全なSMではない・・。健全なSMは命までは取らない筈だ、命に関わる時点でSMではなくて犯罪だ。・・・いやでも人の性的嗜好は、分からない。キャバクラでいろんな嗜好の人の噂を聞いたことがある。デュークだって、嫌がる女を精神的に追い詰めて、嫌なのに自らねだらせるような状況に追い込んだ女を抱くほうが好みだという倒錯的性的嗜好を持つと自分で言っていた。


「エリョリーナ王女はお好きなイケメン鬼畜ドS王に殺されることに喜びを見出すタイプの方なのですか?」


恐る恐る聞いてみると王女付き騎士が剣を抜き、私の肩を刺そうとした。しかしあっさりシューリの火で剣は燃え尽きる。


さすがシューリ。3匹の中で一番役に立つかも・・。と思いながらエリョリーナ王女をみると、呆れたような顔で言い放った。


「そんな訳ないじゃない。わたくしはイケメンに冷たくされて傷つけられるのが好きなだけで、殺されるのはご遠慮するわ」


「だったらーー!結婚やめてください!!じゃないとドM嬢、あの鬼畜ドS王に殺されちゃいますよ!!!もう何回私が体を張って止めたと思っているんですか!!あの鬼畜デューク王はブレダ王国と戦争になっても、顔の上のイボに生えていた毛が抜けたくらいにしか思っていないんです!」


私の真剣な助言を聞き入れてくれたのか不安になって様子を伺うと、ドM嬢の視線は私の背後に注がれていた。


「面白そうな話をしているみたいだね。私の愛する聖女のユイカ。それに私と2週間後に結婚式をあげるエリョリーナ王女」


うわぁ。この声・・・。前方にドM嬢、後方に鬼畜ドSデューク王・・・。詰んだ・・私・・詰んだ・・・。


エリョリーナ王女が信じられないといった顔で呟く。


「何ですって、聖女?」


ああーやっぱ、そこ気になりますか・・・そうですか・・・。すかさず蚊の啼く様な声で私は訂正した。


「いや・・・性を売るほうの性女です・・・」


この場にいるデューク王とその近衛兵達、エリョリーナ王女とその護衛騎士達がびっくりして固まっているのが分かる。いやだって聖女だってばれると王城を追い出されて、折角見つけた正社員の職を失ってしまうかもしれないんだよ。それくらいなら性女と勘違いされたほうが数段ましだ。


デューク王はその耽美なお顔に恐ろしく美しい微笑を浮かべると、エリョリーナ王女に言った。


「・・・ということで私は性を売るユイカを愛しているんだ。お前みたいな低脳で醜悪な女は肉の塊になればいいと思っている。肉塊になって自国に帰るか、今すぐ自国に帰るか自分で選ばせてやろう。どっちがいい?」


出た!!鬼畜なお言葉!!でもこれできっと、ドM嬢の目も覚め・・・・て・・・


私はすぐにエリョリーナ王女の顔に浮かぶ、甘美な歓喜に包まれている様子を見てがっくりと肩を落とした。


喜んでる・・・だめだ・・・こりゃ。


もうここは、ドM嬢と鬼畜ドSデューク王に任せて退散しよう。これ以上ここにいると私の常識が蹂躙されてしまう。


逃げようと振り返った瞬間、デューク王が私をその胸の中に掻き抱いた。顔を筋肉の付いた胸板に強く押し付けられて息ができなくなる。息が苦しくなってもがく私を気にも留めずに話を続ける。


「私はユリカ以外の女と閨を共にするつもりは無い、さぁ、答を聞かせてもらおうか。肉塊になって自国に帰るか、今すぐ自国に帰るかどっちだ?」


私は息もあまりできずデューク王のシャツしか見えない状況の中、デューク王が帯刀していた剣を抜いた音だけが聞こえた。ここにきてようやく我に返ったらしいエリョリーナ王女が、焦った声で叫ぶ。


「デューク王、ここでわたくしに手をかけたらブレダ王国のわが父チルブルグ王が黙っていませんよ!!折角10年かけて築いてきた国同士の友好を壊すおつもりですか!!」


「くくく・・・それは面白い事になりそうだ。せめて暫くの間でも退屈しのぎになればいいのだが・・・」


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