ハーレム戦隊アイジンジャー!
感想ページで練られた設定の元、作ってみました!
展開は猛スピードで進みます♪
ここはパルティア王国、首都クリセニア。
今日も世界は平和である。
「おはようシャナ。朝だよ。起きないとご飯食べ損ねるよ」
「ごあん!」
ご飯につられて目が覚めた私の名は高木佐奈…もとい、異世界転生を果たしたシャナ・リンスター、現在ラブリーな3歳である。
私を起こしてくれたのは歳の離れた美形な兄様、現在24歳のモテモテな若き騎士様だ。
「おはよーごじゃいましゅ」
「ほら、早く着替えなさい」
しゅぽんっとネグリジェを脱がされ、いや~ん・・・とはならないのが私だ。本日はネグリジェの下にオレンジ色のキャミソールとかぼちゃパンツをめしておりますからね。
可愛いかぼちゃなオケツをフリフリ踊っちゃいますよ。
「シャナ…何してるんだ?」
「ファンサービスでしゅっ」
「・・・・早く着替えなさい。今日は動きがありそうだから」
動き…それは、悪の組織の活動のことだ。
何を隠そうこのシャナ。世界を救う正義のヒーロー、赤ベコ…じゃなくて、アイジンジャーレッドなのである!
というわけで、まずは腹ごしらえ。
朝食の時間は正義の会議でもあるのだ。
「おはようごじゃいましゅ皆しゃま」
部屋に入ると、なんと、アイジンジャーの仲間達が勢ぞろいだ!
姉様、兄様、パパン、ママン、ノルさん、ヘイン君、シェールと司令である。(実は約1名いないのだが、数に入っていない)
慌てて席に着けば、上座に座る司令…リアナシア様がくるりと椅子を回して皆の方へ向き直った。
「これで全員集合したわね。では、本日の司令よ」
リアナシア様がすっとパパンに流し目を送れば、パパンは立ち上がり、大テーブルの上に映像が流れた。
説明はママンがするようだ。
「クリセニア東地区に魔王が出現。現在騎士団と戦闘中です。状況は思わしくなく、民に被害が出始めております」
「彼等の狙いは?」
シェールが厳しい表情で問えば、父様が頷く。
「食糧だ」
・・・悪の組織もご飯は重要だからね。
「そこで、我々は本日の夕飯を鳥鍋にすべく、食材を守ることとする! 皆現場に急行せよ!」
リアナシア様はそう叫ぶとすっとその姿が消えた。どうやら映像だったらしい。
私はすぐに立ち上がり…
「シャナはちゃんと朝ご飯を食べてからね」
母様に突っ込まれた。
現場に出遅れるヒーローってどうよ…
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それは、とある有名店にて、本日も極辛カレーにセアンが挑んでいる時だった。
「食材通りは我々魔王軍が占拠した! 皆、かかれぇ!」
なんだかよく聞く声が響き渡った。
「了解です魔王様!」
中級戦闘員(着ぐるみ部隊)のカマキリ男が姿勢を正して叫べば
「大首領と呼ばんか! 馬鹿者!」
魔王に殴られた…。
いつものことだが、『魔王』は禁句らしい。
今日も今日とて悪の組織の掛け声の下、町の住民が蹂躙されていく。
現場に一番に駆けつけ…たのでなく、その場にいたセアンは、カレーを抱えたまま物陰にて変身した!
彼こそ、仲間に味方と数えられないのだが、アイジンジャーイエローなのである!
「まっ…おっ…イエッ」
極辛カレーを口にかっ込み、もぐもぐと口を動かしながら決めポーズをとる彼は、すでに口と喉をやられている!
「いつものカレー臭いのが現れました!」
敵にも名を呼んでもらえない哀れなイエローだ。
「邪魔くさい、片付けよ!」
叫んだのはハイレグ美女、深緑の髪に赤い瞳の美脚な四天王ナンバー2ソフィアだ。
「イーッ!」
黒タイツに身を包んだ下級戦闘員がイエロー・セアンを取り囲む。
と、そこへ空からいくつも影が降り、地に降り立った!
「待たせたな! 我等がいる限り悪の蔓延るところなし! ハーレム戦隊、アイジンジャーブルー!」
誰より張り切ってシャキーンッとポーズをとったのは濃いブルーのシェールだ。
「ライトブルー…」
なぜかその影になり、存在感が薄いが…ライトブルーはエルネスト兄様。
「グリーン」
ポーズよりも、転んだ町の人を起こしているのはヘイムダール。
「ブラックです」
特に何をするでもなく遠巻きにしているのはブラックのノルディーク。
「えぇと…ピンクです」
もじもじと恥ずかしげに主張したのはレオノーラ姉様だ。
そして、レッドは現在朝食中…。
「イー!!」
黒タイツが彼等を囲み、攻撃をしていく。
だが、下級相手に苦戦するようなアイジンジャーではない。
黒タイツ達をちぎっては投げ、ちぎっては投げ…
「くっ!…お前達っ! これを見よ! これでも抵抗できるか!!?」
そう言ってハイレグ・ソフィアが彼等に見せたのは、美しいドレス姿の…そこそこガタイのでかい男…
「アルディス姫!」
いや…姫なのか…? という意見は聞かないでおこう。とにかく姫だ。
「展開早いなぁ…」
グリーン・ヘイムダールが呟く。
このままではレッドの出番がなくなる!
しかしっ、そこはやはりレッドだ、このピンチにこそその姿が現れるのである!
「必殺…レッドロケットー!」
赤い弾丸がアルディスを捕える中級カマキリ男…と共にアルディスに直撃し、そのまま地面に転がった。
「大丈夫でしゅか姫しゃま!」
「・・・・ありがとうレッド・・・うぅっ」
ガクッとアルディスは気を失う。
「なんてことでしゅか…姫しゃまが…」
「…やったのはお前だがな」
魔王は呆れているが、私は聞く耳など持ちません! 展開は早いのです! 風のごとく駆け抜けるのです!
ビシィッと魔王に指先を向け、怒りの炎を燃やした!
「許しましぇんよ魔王!」
「やったのはお前だと言うとろうが!」
睨みあう両者、襲いかかる黒タイツ。
分が悪くなってくると、魔王は突如カマキリ男にビームを浴びせ、マントを翻して姿を消す。これもいつものことだ。
「ははははは! 町を守れるならばやってみよ!」
四天王ハイレグ・ソフィアが笑い声を残して魔王の後を追って消え去った後、残されたカマキリが、次第に巨大化していく!
「きゃんっ」
カマキリが足を踏み降ろしたことで地響きが起き、ピンクの姉様が尻餅をつく。
「大丈夫か!」
そこへ颯爽と現れたのは、なぜか顔を仮面で隠した謎の黒い騎士…。に見えるがディアスである。
彼は姉様限定でピンチの時現れる謎のヒーローなのだ!
「謎の騎士様…」
見つめあう二人、飛び交うハート…
「しょこ! 見つめあわない! こちらも呼びましゅよ! オペレーター!」
『アイジンオウ 発進!』
オペレーターことパパンとママンの声が響き、町に地響きが鳴り響く。
そして、海から、空から、地面から、5基の守護塔が現れ、合体していく!
ちなみに、地面から出てきた守護塔はカマキリ怪獣を突き刺し、カマキリ怪獣は倒された…が、アイジンジャーはアイジンオウに乗り込んでいて気がつかない!(黒い約一名は気が付いている)
ちなみに動力は操縦室の下にて、イエローが自転車発電しているというエコ設計だ。(というのはシャナの嘘で、実は太陽光で動ける)毎回操縦室の下ではイエロー・セアンが自転車をこぎまくっている。
「さぁ、怪獣を倒すでしゅよ~!」
乗り込んだ私が見たモノは、カマキリ怪獣に蹂躙され、半壊した町だ(半分以上はアイジンオウを呼ぶときに塔が壊した)
「なんてひどいことを!」
と、周りを見回せば…敵はなぜかいなかった。
「あり??」
首を傾げる私に、一部始終を見ていたノルディーク・ブラックはにこりと微笑む(仮面で顔は見えないが)
「いつものように逃げたみたいだよ」
「そうなんでしゅか…では、本日も大勝利~!」
そして、アイジンオウは甚大な被害を残しつつ空へと帰って行った・・・・
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「お前らが暴れるたびに嬢ちゃんが町を破壊する羽目になるんだ! 少しは反省しろ!」
全てが終わった後、消えたと思った魔王と四天王ハイレグ・ソフィアは、肉屋の主ハーンにコテンパンにのされていた…
「くっ…覚えていろ…」
「反省!」
「「すみません!!」」
そして、今日も世界は平和である…
ハーン「いや…世界は平和じゃないだろう…」
頑張れシャナ!
頑張れハーレム戦隊 アイジンジャー!