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異世界コンビニ無双

作者: もっぷす
掲載日:2025/09/13

 気がつくと、私は見知らぬ草原に立っていた。

 制服姿のまま、手にはコンビニのレジ袋。中身は肉まん三つと割り箸とおでんの玉子。いや、なぜこのラインナップで異世界に?

 驚いている間もなく、背後から唸り声。ゴブリンだ。三体もいる。現代日本の一般人にはちと荷が重いですな。私は割り箸を構え、ゴブリンを睨みつける。


 キシャアッ。

 躍りかかる影に、私は箸先を突き出す。


 突如、割り箸が光り輝き、ゴブリンの身体をまるで紙のように切り裂いた。

 「は?」と呟いた瞬間、画面のようなものが視界に現れる。


《神器:セブンの箸 攻撃力+999》


 と浮かんでいた。

 誤解のないように補足するが、セブンとは七支刀のことであり、割り箸の七つのささくれを七支刀に見立てたのだろう。

 残り二体のゴブリンも向かってくるが――それこそ《いらっしゃいませ》だ。一太刀で斬り捨てる。

血煙の中、再び視界に浮かぶ文字。


《スキル獲得:深夜シフト耐性》

《称号:異世界アルバイター》


「……なんだこの扱い」


 すると倒れたゴブリンが光に変わり、ポップコーンと肉まんを落としていった。ありがたくドロップアイテムをいただくと、拾ったものが文字として浮かんだ。

 ステータスも見れたりするのだろうか。念じてみるとあっさり浮かぶ。


《名前:茣蓙屋敷 夢喰人》

《レベル:2》

《職業:コンビニバイト》


 職業欄の下に、さらに小さな文字が追加された。


《特殊能力:値引きシール貼付》

《発動条件:消費期限切れ30分前》


「……おい、これは勇者スキルじゃないのか?」


 呟いた瞬間、遠くからオークが牛丼を掲げて迫ってきた。

 警戒しながら出方を窺う。するとオークは牛丼を差し出し、何か言いたげな視線を投げる。

 私は瞬時にラベルに目をやる。消費期限は明日だ。首を横に振ると、オークはそのまま停止する。


 まさか割引シールの時間まで待つつもりか?

 異世界での戦いは始まったばかりだ。

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