#1
私がこの話をするのは、思い出さなければならない人がいるからだ。
何度も生まれ変わる中で忘れてしまった、あの人と私たちの約束を
思い出さなければいけないからだ。
私たちの国は、地球の本質に宿るもう一つの地球だった。
その国はレムリアと呼ばれ、遥か昔に海の底に沈んだ伝説の大地だった。
そこは神秘的な光と生命で満ちた土地で、レムリアの海は星のようにきらめき、風は永遠に歌うようにささやいた。
私たちは地球が生まれたときに立ち会い、守り続けてきた民の国を築いた。
深く地球を愛し、地球の生き物を愛していた。
レムリアの民は言葉を知らず、代わりに心の響きで想いを伝え、きらめく光の色で喜びを分け合い、低い音の震えで悲しみを寄せ合った。
これから、その国にいた頃の私、あるいは僕の話をしようと思う。
僕の名前はサンライ。
レムリアの岸辺に住んでいた。
今年で17歳になる。
そうなんだ。僕は君の中に眠っていったんだ。
ずっと待っていたんだよ。
君が僕のことを思い出してくれるまで、僕は長い長い夢を見ていた。
君が何度も生まれ変わり、苦しみの中で「神なんてこの世にはいない」と叫びながら泣くときも、僕も一緒に泣いた。
君が花のようにはじけるように笑うときは、僕の胸もいっぱいになって喜んだ。
時が過ぎ、やっと君の魂が満月のようになり、僕と会えるようになってくれて嬉しいよ。
ありがとう。