第51話 一枚上手
釘バットとか物騒だな。
by 神田
「なら、奪い返すまでよ。」
私は釘バットを手に持った。
優一君は鉈を。
英智君は木刀を持った。
東山さんの顔は青ざめている。
「それじゃ、久しぶりにやるわよ。」
「おう!」
「そうだな!」
私たちは東山さんに向かって歩き出した。
「あなたたち…なんでそんな物騒なものを…」
「だって私たち…元ヤンだもの。」
私はキッパリそう言った。
「瀬戸玲奈…でしたね。…初めて女子が嫌いになりましたよ。」
「そう。ま、構わないけど。」
私は釘バットを一回回した。
「そのスマホ、返させて貰うわ。」
私は彼女に向かってそう言った。
東山さんは逃げ出した。
私たちは急いで後を追った。
彼女は途中で鉄パイプを私に投げた。
私はそれを受け止め潰した。
鉄パイプを丸め砲丸にし、私は彼女に投げた。
砲丸は彼女の横を通って先の壁にぶつかった。
彼女は地面に伏した。
「これで観念かしら?」
私はそう言った。
だが東山さんは…
「…でも残念でしたね。」
「何が?」
「もうデータは消去してあります!これで証拠は何もなくなりました!」
彼女はニヤリとしながらそう言った。
「さぁどうしますか?」
彼女は私たちにそう言った。
確かに普通なら私たちの負けかもしれない。
普通なら。
だけど、私たちは…
「くくく…」
「?」
「だけど、残念だったわね東山さん。」
「何がですか…?」
私はそしてこう答える。
「あなたが消した録音データは…ダミーよ。」
私がそう言うと、物陰から人が出てきた。
「よ。」
神田君だ。
「本物の録音データは俺のスマホの中だ。」
神田君がそう言うと、東山さんは神田君のスマホを奪おうと走り出した。
が、その途中で2人ほど物陰から出て、東山さんを拘束した。
「お前なんだな優梨を虐めたのは。」
「地獄に落ちるべきだね。」
安沢と岸さんだ。
そして私は神田君に言う。
「ごめんね、あの時は殴ってしまって…」
私はあの時からずっと言いたかったことを言った。
「いいんだ。それよりも…」
神田君は東山さんの元へ近づき…
「この録音データはこの異世界部の問題児全員に送ってある。」
しれっと私たちを問題児扱いしているが、それは聞かなかったことにした。
「でも、あなたたちだけならまだ…」
「あ、後もう1人いたな。」
神田君がそう言うと、東山さんはすぐに問い詰めた。
「誰なんですか⁉︎」
東山さんの問いに、神田君は言う。
「それはな…」
そう神田君が言っている時、別の物陰から彼女は出てくる。
彼女を見た東山さんは顔が一気に青ざめた。
そして神田君は言う。
「田村沙也加。生徒会の会長だ。」
彼女、田村沙也加は真剣な表情だ。
「本当だっただろう。」
田村さんの後ろで、排施君はそう言った。
「た、田村さん…」
「東山さん…本当に暴力を振るったんですね…」
田村さんはそれだけを東山さんに言った。
「東山さんの情報がここまでわかったのも田村さんのおかげよね。」
私は神田君にそう尋ねた。
「ま、そうだ。」
そう神田君は返答する。
「それで、神田君。聞きたいことがあるのよね。」
「あぁ。」
そう神田君は言い、東山さんに尋ねる。
「何故男が嫌いなんだ?そうなった経緯はなんだ?」
そう東山さんは言われ、答える…
「あれは8年前のことで…」
彼女は、自身の過去を振り返るのであった。
純粋無垢




