第50話 呼び出し
反撃の時間
文化祭まであと1日。
私と優一君、英智君は校舎裏で待機していた。
そして…
スタッ…と、足音が聞こえた。
後ろを見ると…
「あなたたちですか?私を呼び出したのは。」
今回の事件の元凶である、東山みかりがいた。
「そこの女子ならまだしも、男子までなんでいるのですか?」
東山さんは優一君と英智君の2人を睨んだ。
私はどこかイラッとしていた。
小さい頃から大切な2人をそんな蔑んだ目で見ていたのが私にとっては火に油を注がれているような感覚だった。
私は話を続ける。
「あなたが伊澄優梨に暴力を振るっていると言う噂があるのだけれど、本当なのかしら。」
既に私たちには証拠も揃っている。
が、一度泳がせることにした。
「私が暴力を?確かに男子は嫌いですが、流石にそこまでではありませんよ。」
予想通りの答えが返ってきた。
「まぁ、あなたは生徒会の立場だからね、普通の生徒に暴行を加えることはまずありえないわよね。」
「そうに決まっているでしょう、生徒会の一員である以上、普通の生徒に暴行は加えていませんよ。」
「だけど、その普通じゃない、女子の格好をした男子がいた場合あなたならどうする?」
「ッ…!」
「私たち3人はね、いわゆる問題児って呼ばれているのよ。私たちの他にも7名ぐらいいるんだけど、その中の1人に、男の娘がいるのよ。」
「…」
「あなたは自分が好きな女子の格好をしている男子が気に食わなかった。それで暴行をしたということよね。」
私がそう言うと、東山さんは急に。
「そうですよ…」
「…」
「私は男子が大嫌いで、女子だけに光を感じていたんです!でも、あの伊澄優梨って男…アイツは気に食わなかった…神聖なる女子に変装してるなんて…反吐がでますよ…元々女装したいとか言う男子には一つ文句を言わないと気が済まなくなって…大体…あなたたちの入部している部活での文化祭出し物の一つにメイド喫茶って…しかも女装ですよ!今すぐにでも潰したいぐらいに…」
東山さんは洗いざらい全てを吐き出した。
「だから優梨君を…」
「でもそれを証明する証拠はないですよね。」
「…」
「だったらもう用はないですよね。」
東山さんが帰ろうとしたのを優一君が止めた。
「男子が私に触らないでください。」
「お前は一つ思い違いをしている。」
優一君は口角をあげながらそう言った。
「なんですか?」
「証拠は…今作っている。」
そう優一君が行った時、英智君はスマホでの録音を終了した。
「録音…!」
「これで証拠はできた。これを上の奴らに見せれば、お前の立場は崩れ落ちるな。」
「人を陥れて楽しいんですか⁉︎これだから男子は…」
「だったらあなたもよ!」
私はそう言った。
「あなたは優梨君に暴力を振るって彼の精神を陥れた!それと何が変わらないって言うの⁉︎」
「なんで…なんであなたは男子の味方をするんですか⁉︎」
東山さんがそう私に言った。
それは…答えは決まっているわよ。
「それは…彼らのことが…好きだから!」
私はそう言った。
「は…?好き…?あなた…男子に毒されたんじゃないんですか…⁉︎」
「毒されてなんかないわ。私は心の底から彼ら含めてみんな好きなのよ!」
私はそう口角を上げ言った。
「…どうかしてますよ…」
東山さんはそう言うと、英智君のスマホを奪い取った。
「この録音のデータを消去すれば、証拠は何も残らないですよね。」
東山さんは笑いながらそう言った。
「なら、奪い返すまでよ。」
私は釘バットを手に持った。
優一君は鉈を。
英智君は木刀を持った。
東山さんの顔は青ざめている。
「それじゃ、久しぶりにやるわよ。」
「おう!」
「そうだな!」
私たちは東山さんに向かって歩き出した。
「全く、アイツら3人は…」
俺はそう呟いた。
もう作戦は始まっている。
そして俺らが大手だ。
それにしても、中1でやめたにしてはまだまだサマになっているな。
「ヤンキーからは足を洗ったんじゃないのかよ。」
俺はそう呟いた。
アイツら3人は…元ヤンだ。
こ、怖いっす…
by 金生




