第48話 ずぶ濡れに喧嘩して
二つの虎がいがみ合い…
文化祭まであと4日。
私は今日、東山みかりを尾行していた。
いくら聞き込みしても情報が集まらない。
私は雨の中で歩道橋を歩いていた。
そこで…
「…」
「瀬戸か。」
「…神田君…」
目の前には、バッグを持って歩いている神田君がいた。
「証拠は集まってるのか?」
神田君は曇ったメガネを拭きながらそう尋ねてきた。
「…」
「全然みたいだな。」
そう神田君は言い、私に横を通り過ぎた。
「…神田君は…優梨君のことをどう思っているの…?」
私はそう尋ねた。
絶対に『なんとも思わない。』とでも言うのだろう。
私はそう思っていた。
だけど、意外な返答が返ってきた。
「…なんやかんやだが、大切に決まっている。」
そう神田君は言った。
そして…
「だったらなんでよ!」
私は思わず怒声を上げた。
「大切に思っているのだったらなんで助けないのよ!」
「…」
私の問いかけに神田君は黙ったままだ。
「優梨君は今も苦しんでるんだよ!」
そして少し間を置き…
バゴォ…と神田君を殴った。
「骨は折ってないわよ…」
そう言い残し、私は神田君の元から去って行った。
「なんでだろうな。俺がお前らを大切に思っているなんて。」
俺は歩道橋の真ん中で倒れていた。
顔の上に雨が容赦なく降ってくる。
「…せっかく洗濯したのにな。」
俺は濡れたジャケットを触れながらそう言った。
「痛みは止まらないな。さすが…と言うだけはある。」
俺はそう呟きながら立ち上がった。
「そういうわけじゃないぞ瀬戸。確かに俺1人じゃ何にもできない。だがな…」
俺はそう呟き、スマホのメッセージ画面を覗いていた。
「持つべきものは…有能な協力者だ。」
俺はソイツにメッセージを送った。
(闇雲に情報収集していても意味はない。頭を使えばいい話だ。…まぁ、あの問題児たちには難しいことだろうがな。)
俺はそう思った。
…
「すまないな。瀬戸、河上、相澤。」
俺はそう呟いた後、またメッセージ送った。
俺はそのまま歩道橋を降りて行った。
私は家にいた。
私はベットで寝込んでいる。
しばらく神田君に会いたくない。
私は優一君と英智君とメッセージでやり取りをしていた。
私はさっきの神田君との出来事を話した。
すると…
『確かにその言い方はないな。』
優一君からそう送られてきた。
そうよ!
あんな言い方…
そう思っている時、英智君からもメッセージがきた。
そこには…
『確かにそんな言い方はないと思う。だけどな…俺は何か真意があると思ってるんだ…アイツはなんやかんや言って頭がいい。アイツなりに調べているんじゃないのか?』
そう送られてきた。
神田君の真意…
私たちとの決定的違い…
それは…
力…頭脳…趣味…成績…運動能力…友達…知り合い…
まさか…
「知り合い!」
私はそう言った。
そうだ。
神田君はバカじゃない。
自分の知り合っている人をどうにか利用するはずだ!
でも神田君の知り合いって誰なんだろう…
私はそう考えていた。
3分後、俺は彼女の前に出た。
「神田君!ずぶ濡れじゃないですか⁉︎」
俺は彼女にそう言われた。
「そんなことはどうでもいい。」
「どうでもよくありませんよ!」
「話を聞くんだ。それより、俺からお前に頼みたいことがある。」
「頼みたいこと…?」
「東山みかりのことを調べてくれないか?」
「みかりさんがどうしたんですか…?」
「それは順を追って説明する。それより、協力してくれるよな?」
「それはいいですけど…何故みかりさんのことを調べたいと…?」
「…協力してくれないなら、お前の秘密をバラす…例えばそうだな。……の……のこととか。」
「…なんでそれを…⁉︎」
「そういうことだ、秘密をバラされたくないなら大人しく俺に協力しろ。」
俺は今まで見たことないほどに動揺している彼女に向かってそう言った。
無能な彼女と有能な彼




