第46話 サイン会
捜査一課とかかっこいいっすよね!俺もなってみたいっす!
by 金生
ども、相澤英智です。
え?
優梨のことを調べなくていいのかって?
安心しろ。
今の時刻は午後5時だ。
もう帰る時間だ。
じゃあ何をしているのかって?
そう!
俺は今、最近ハマった小説家、月魄出海先生のサイン会に来ているのだ!
そして次は俺の番!
俺は正直な気持ち、ワクワクしていた。
今を駆けている小説家と会えるのだから!
こんな機会は滅多にない。
そんなこんなで俺の番になったようだ。
俺は前へと進んだ。
横を見ると、まだまだ若そうな女性が座っていた。
俺は彼女の元へと進む。
「えっと…月魄…出海先生ですよね。」
「いかにも。」
彼女、月魄出海先生は俺の問いかけにそう答えた。
「この本です。」
そう言って俺は、彼女の14作目である『血汚れの少女』を前に出した。
「オッケー、サインっと。」
彼女は、自分の著者名を本の裏に書いた。
「えっと、この本は自分用?」
「え、はい。俺と友人用です。」
「誰なの?その友人。」
「鈍感そうでそうじゃない奴に、いつも災難に巻き込まれて恋が全然発展しない奴、マトモな奴に大食いな奴に真面目なメガネに金持ちのやつにクズにドMにバカにドジっ娘に…あと…」
「あと?」
「…男の娘もいるんです。おとこのむすめと漢字で書いて男の娘です。」
俺がそう言うと…
「男の娘、ね…まるで彼みたいね。」
「彼みたい?」
「私ね、あなたと同じく男の娘の友人がいるの。」
「そうなんですか?」
「そうよ。彼ったらホンット可愛いのよ。前にも女装させたことあるけど、女子にしか見えなかったのよ。」
「その彼は今…?」
「彼は確か…よくわかんないのよね。」
「そ、そうですか。」
俺はそう返事した。
そして時間になり、俺はサイン会会場から出て行った。
「月魄さーん!そろそろ帰宅時間ですよ!」
「ちょっと待ってね!」
私は落ちていた物を拾う。
「…生徒手帳…?」
生徒手帳ってことはさっきの彼のものだろうか?
私は生徒手帳を開いた。
「ビンゴ。」
私はそう呟いた。
『相澤英智 2008年3月3日出身。 私立東洋高等学園2年。 メモ 7月12日に文化祭!絶対成功させるぞ!我ら問題児集まりの異世界部に誓って!』
私はそれを見て…
「へぇ、文化祭かぁ、楽しみなのね。」
私はそう言いながら口角を上げた。
こんな問題児の集まっている部活にいるお前のその頭じゃなれねぇぞ。
by 神田




