表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十色の追想  作者: 詩庵
出会い編。
41/55

神の楽園。

ー怜燈視点ー

「……正解はね、神族よ。」

響の告げた言葉に、なんの反応も出来なかった。


「〇〇。これだけは覚えておいて。神族は……」

これは、俺の記憶にある神族の話。

俺達は、唯一人間より早く創られた種族だ。


創造神クレアシオン。

全ての始まりである神は、永い時の中で神々を生み出した。

今では神世代と呼ばれる時代だ。

それは、神の楽園だった。


楽園は、完全だった。

進化も退化もしない。

完成された世界。それはまさに退屈だ。

神々は、自分達に似せて神族を創った。

そうして創られた神族は、神に準じた力を持ち、

それぞれの神に仕え、國を作っていった。


それを面白く思ったクレアシオンが、姿こそ神族に似ているが、

力も永き時を生きる身体も持たない、

「心」を持った生物を創り出した。

それが「人間」だった。

人間は脆く弱かったが、神や神族は自分達にないその儚さを愛し慈しんだ。

あれが、幸せの頂点に立った時期だっただろう。

しかし、その幸せは長くは続かなかった。

厄災が生まれたのだ。


厄災は全てを呑み込み、破壊し奪っていった。

その被害は世界全域に渡り、創造神、時空神の犠牲を経て終結したかに思われた。

しかし、厄災は多くの傷や争いの種を遺していった。

その影響を最も強く受けたのは人間だった。


人間は厄災から身を守るために、神から力を授かっていた。

身を守るだけならば良かったものを、人間はそれを争いに使い始めたのだった。

神からの独立を唱い、

神族を害し始めたのだった。


強い者を亡きものに。

弱き者を踏み台に。

美しい者を所有物に。

神族を物としか思わないような素振りに、神族達は困惑し怒った。

しかし、人間を攻撃するような事はしなかった。

いや、出来なかったのだ。

人間を、愛してしまったから。

どんなに憎くても、怖くても攻撃が出来なかった。

人間は脆くて、弱くて、守らなければいけないから。


神族はその数を減らし、その分人間は増えていった。

そして神族は、人間から逃げるようにその身を隠し表舞台から姿を消していった。

これが俺の知っている「神族」だった。


そんな神族がなぜ、守護者の存在を知っていたのか、答えは一つだ。

「守護者も神族だった。」

人間との共存を諦め、消えていった神族がなぜ人間の村を護っていたのか。

その理由だけが、どうしても分からなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ