表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十色の追想  作者: 詩庵
出会い編。
40/53

過去の欠片。

ー怜燈視点ー

「時雨から聞いた通り、この先はとても危険だ。

だから、皆ここでしばらく待っていてくれないか?」

「それは承諾出来兼ねるわ。怜燈兄さん。

私達に誰かを置いて行く。置いて行かれるなんて選択はひとつもないわ。」


「だけど、この先は聞いたとおりとても危険なんだ。皆を危険に晒したくはない。」

「怜燈兄さん!俺雪蓮花見たくなってきたなー。だからさ、見せてよ!」

「怜燈兄!私も!」

「寒いけど、俺も花見たい。」

「凪、一言余計。でも私も見たいわ。雪蓮花。」

「兄さん、皆お花が見たいんだって!長男として連れてってあげないの?

いざとなったら、兄さんが守ってくださるでしょう?」


「……わかった。見に行こう。雪蓮花。」

「そうと決まったら、夜まで皆しっかり休息を取りましょうか。

と言っても、紫音と凪は鈴音達の面倒を見てて。

時雨は私と兄さんと食べ物を探しに行きましょうか。皆わかった?」

「「「「はい!」」」」

「よろしい。さぁ怜燈兄さん、時雨行きましょう。」

「あぁ。」

「行こう。」


「なぁ、響。

食料って言っても、こんな冬山の中にはないと思うんだけど。」

「えぇ。知っているわ。」

「ならどうして?」

「そうね。さっき思い出した事なんだけど聞いてくれる?」

「「うん。」」

そう言って響は話しだした。


「私がね、二つか三つの時に聞いた話しなんだけどね、私達が目指していた村。

白霧村にはね、守護者が居たの。

その名の通り村を護っていたんだけど、

その守護者の正体を村人はほとんど知らなかったそうよ。

でもね、知ってる人もいたの。誰だと思う?」

そう言いながら、響はこちらを振り向いた。


「響の家族か?」

「違うわ。でも当たらずしも遠からずってとこかしら。正解はね……。」


ー響視点ー

少し離れたところで、時雨達がなにかを始めた。

凄い勢いで、目に見えるほどの気が時雨達の頭へ流れ込んでいく。

中心には、優夜がいた。


「何してるの?!」

「響お姉ちゃん!観せてるだよ!村の記憶!」

「記憶?」

「そう!記憶!」

「そんな事が出来るの?」

「出来るよ!目を閉じてね、ぎゅっとしてぱっとするの!」

「……そうなのね。流石ね優夜。」

「でしょう!」


観せる。

その言葉の意味が最初は分からなかった。

でも、なにかの記憶を観せているのだということだけは理解できた。

そんな事が普通の神族に出来るのかは分からなかった。

でも今は、そういうものなのだろうと思うことにした。


「響お姉ちゃん!お姉ちゃんの記憶も観せる?」

「え?」

「お姉ちゃん、なにか思い出そうとしてる?」

「そうね、少し思い出せない事があるの。

でも大丈夫よ!こう見えてお姉ちゃん記憶力いいの!思い出してみせるわ!」

「無理だと思う。とっても古い記憶だよ。」

「無理?」

「うん。もう色褪せてる。」

「そうなの?もう思い出せない?」

「ううん!出来るよ!任せて!」

「じゃあ、お願いしようかな?」


多少不安な部分もあったけど、私は優夜に任せる事にした。

覚悟を決めた。

次の瞬間、

頭にかかっていた霧が、ふっと晴れた気がした。


「終わったよ!」

そう言われて我に返ると、忘れていた記憶が鮮明に蘇ってきた。

急いで優夜に感謝を伝え、私は考えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ