目覚め。
ー鈴音視点ー
私が目覚めたのは、そんな事があった三日後の事だった。
ある程度のことのあらましは、怜燈兄が教えてくれた。
これは、その時の話だ。
眠りから覚めると、そこは知らない場所だった。
知らない匂い。
知らない天井。
何も知らなくて、分からなくて怖かった。
でも、それ以上に急に世界が少し明るくなって、音が聞こえて、
何かを触れている感覚があることに驚いた。
体を起こそうとしたけど、上手く起き上がれなくて歯がゆかった。
しばらくすると、扉の開く音がして一人の女の人が入ってきた。
空気が一気に柔らかくなった気がした。
「調子はどうかしら?」
と優しく問いかけてきた。
話そうとしたけど、上手く声が出なかった。
どうにかして伝えようとしたけど、やっぱり声は出なかった。
そんな私を女の人は怒らなかった。
その代わり
「少しお話ししてもいいかしら?」
と話しかけてきた。
「初めまして。私の名前は響。蝶花響よ。
ここは、あなたのいた村の近くにある森の奥よ。
急に連れてきてしまってごめんなさい。
あなたのいた場所では治療が出来なくて連れてきてしまったの。」
響と名乗る人はそう言った。
あの村に未練なんかない。
あるとしてもそれは最後まで私を守ろうとして、どこかに連れていかれた父ちゃんだけだ。
父ちゃんは元気だろうか……
そんな事を考えている間も響さんの話は続いていた。
響さんは旅する商人?みたいなものをしているらしく、
ここには次の国に行くために、通りかかったそうだった。
響さんは八人家族らしく、お兄さんが一人、妹弟が六人いると言った。
「しばらくしたら、皆戻って来るからその時に紹介するわ!」
そう言ってくれた。
その後響さんは、旅をしてきた国の色々な話をしてくれた。
響さんは話上手で、思わず夢中になって聞いていると、急に外が騒がしくなった。
「困ります!中にはまだ病人がいるんですよ?
それに急に来られてもおもてなしもできませんから、今日のところは一旦お帰りください!」
「良いでは無いか!私と君の仲だろ?」
「どんな仲ですか?!」
「それは私と同じ……」
「あーあーーーーーーー!!」
「なんだ?」
「わかりました!わかりましたから。これ以上は静かにお願いします!!」
「そうか!話がわかるようで何よりだよ!」
とこんな感じの会話が聞こえてきた。
すると扉が開いて、全体的に黄緑色をした女の人?が入ってきた。
その人からは懐かしい風の匂いがした。
「君達に用事はないからさ、
この子と二人きりにしてくれないか?安心してくれ、危害は加えないからさ」
「いや、でも……」
「私と君の仲を皆に言うのと、二人きりにさせてもらうの、どっちがいい?」
「どうぞごゆっくり。」
「よろしい。」
「皆ー!木の実取りに行こうか!!」
「怜燈兄さん!いいの?」
「大丈夫!身元は保証するよ」
「兄さんが言うなら……」
「ごめんね、すぐ戻るから」
そう言い、響さんは部屋から出ていった。
疑いの目を向けながらも、他の人達も金色の男の人と共に去っていった。




