声と想い。
ー時雨視点ー
俺は、凪の行動を容認した。
凪のあの行動は最善だった。
しかし、それはそれなのだ。
女の子に手を挙げてはいけない。
きっちり教育せねば。
そう思ったところに、怜燈さんの
「程々にしておけよー」
と、気欠の痛みがきた。
今日のところは、これで勘弁してやろう。
ー凪視点ー
誰も止めなかったのに……
理不尽に怒られた。
そりゃ女の子を叩くのは、俺だって良くないと思うよ。
でもあの場はそうするのが一番効果的だったはず。
暴走し始めてる人間に何を言っても聞こえない。
それよりも、体に衝撃を入れた方がいいと思ってやったのに。
時雨も止めなかったくせに……
紫音とまともに話したのは、それが初めてだったかもしれない。
だって、紫音はすぐ怒る。
それに、紫音に何か言うとよく時雨にしばかれる……
あの時は自ら姉の、自分の命を捨てようとする紫音を放っておけなかった。
あの時の俺みたいに後悔してほしくなかった……
ー紫音視点ー
凪に叱られてからは、自分でもびっくりするほど落ち着いて治療することができた。
女の子の治療も、やっぱり少し高揚したけど、
絡まった糸を解くようにゆっくりと分解し、浄化していくことで、だんだんと浄化できた。
ただ、女の子の体は長く毒に侵され続けていたせいで、
毒を取り除いても元の健康な体には戻れないだろう。
完全に元通りにしてあげられなくて、申し訳なく思っていると、
後ろからがばっと抱きつかれた。
「紫音ありがとう!大好きよ!!」
聞かなくても、見なくてもわかる。
この優しくて暖かい感じは、私の敬愛する姉様だ。
「うん!私も大好きよ!姉様!!」
生きている。
その温もりに、深く感謝した。




