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十色の追想  作者: 詩庵
出会い編。
24/45

暴走と突風。

ー怜燈視点ー

紫音が気を暴走させてしまった。

草木は枯れ、花は萎れていた。

まさか、毒か?

響がなにか知っているのでは、と思い響の方を見た。


響が、何か言いかけた直後。

次の瞬間、保護していた女の子が水の塊ごとこちらへ吹き飛んできた。

驚いて響を見ると、響の体は力尽きたかのように崩れ落ちていった。

思わず駆け寄ろうとすると、後ろから肩を掴まれた。

時雨が俺の肩を必死に掴みながら、風の障壁を展開していた。


「怜燈さん!今は駄目だ!!耐えてくれ!」

そう言われ前を見ると、そこには既に毒に侵され、生気を無くした世界が広がっていた。

時雨は一人でかなり大きな風の障壁を展開し、俺達を守ってくれていたのだ。

しかし、風の障壁も少しずつ毒に侵食されていた。

このままだと全員が共倒れになってしまう。


響を助けなければ……

もう大切な家族を失う訳には行かない。

俺は時雨に早くこの場を離れるよう言い残し、障壁の外に飛び出した。


後ろから、時雨の焦った声が聞こえる。

飛び出してすぐに、痛みと痺れが走った。

毒だ。

吸い込んでなくともこの強さ、速く助けなければ……


バタッ

急に体に力が入らなくなった。

倒れてしまった。

目と鼻の先に響がいた。

もう少しで届くのに……

動け、動け、言うことを聞いてくれ!!!

そう強く思った瞬間、何も見えなくなるほどの突風が吹き荒れた。


ー時雨視点ー

怜燈兄さんが、障壁外に出てしまった。

追いかけるにも、気力と技術が足りない。

今展開している障壁でさえ、維持が難しくなってきている。

それに、咄嗟に展開したとはいえ崩壊が早すぎる。

ここで兄さんの言う通り、離れてしまえば確実に兄さんを見殺しにしてしまう。

だけど、俺以外の五人は障壁を使えない。

このままでは、皆毒で死んでしまう。


守らなければ。

守れなければ失ってしまう。

俺は最後の気を振り絞って飛翔した。


確かに飛翔したのだ。

しかし、飛んだ先にも毒は届きつつあった。

走るしかない!

俺達は走った。

しかし、まともに動けない人間が三人もいては、思うように動けない。


「あっ」

そんな声が聞こえた。

振り向くと、桜花がつまづいて転んでいた。

すぐそこには、もう毒が迫っていた。

間に合わない。

咄嗟に力を使おうとした瞬間、激しい痛みが体を襲った。

限界だ、体が悲鳴をあげている。

でも……!そんな事を気にしてはいられない……!

失うのは一度で十分だ!!

痛みを押し殺し、俺は気を使った。

しかし、発動する前に術は消え去った。

その代わり凄まじい突風が巻き起こった。

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