それぞれの形。
ー紫音視点ー
「ねぇ、ずっと気になってたんだけど、四人ってどういう関係なの?」
突然、凪にそう聞かれた。
「家族よ?他に何があるの?」
「だって、先生が血の繋がりないって。
怜燈さんは家族って言ってたけど、それにしては距離を感じて。」
鋭い。
私達は遠慮していた。
お互い過去の話はしないようにしていたし、心に踏み込むようなことはしなかった。
「凪!失礼だぞ!」
「だって、時雨も見たでしょ?怜燈さんは神族だよ!」
「それがなんだって言うんだ?」
「神族は、人との交わりを嫌う。特に獣型は人を怨んでる。」
知らなかった。
怜燈兄さんは、私達を嫌ってる?
そんなはず、でも……
「そんなはずないだろ!」
いきなり声をかけて振り返ると、怜燈兄さんが笑って立っていた。
「兄さん!」
「どうした?」
「私、びっくりしちゃって」
「ほら凪、言わんこちゃない。」
「紫音ちゃん。ごめんね。」
時雨に促され、凪が謝ってきた。
「まぁまぁ、そんなこともあるな。
……それと凪、俺達の中に本当の人間族はいないぞ?」
「「「えぇ?」」」
急な告白に声が揃った。
「ということで、今日は明け方に出る。
早く寝ろよ。」
そう言って怜燈兄さんは去って言った。
「え?」
「うそ?」
私達はお互いを見つめあった。
「まさかね?」
もう笑うしかなかった。
三人揃った苦笑いを浮かべながら、夕飯を食べる羽目になった。
ー怜燈視点ー
みんな気づいてなかったのか。
三人の会話より、そのことに驚いた。
響は怪しい薬飲み続けているし、
紫音の調薬の力も才能だけでは説明できない。
桜花だって、植物を自在に操る力は気術ではない。
時雨だって多分……
すでにわかっている凪を含め、人間はいないのだ。
まぁ、そんなことはどうでも良かった。
みんな俺の大切な家族だ。
たとえ、血の繋がりがなくとも……
次の日の夜明け前に、俺達は翔んだ。
この移動で、また家族が増えるなんてこの時は夢にも思わなかった。




