第二話 ホテルエデンから異世界へ
目の前がチカチカして体がぐちゃぐちゃになるような不快感がずっと続くのではないかと思っていたころ、それは突然止んだ。
目の前がはっきりして体には若干の不快感が残るだけだった。
現状を理解しようと周りを見渡すと俺と同じように召喚されたのかポカンと今を理解できてないような間抜け顔の少年がいた。
すると、鈴が鳴るような可愛らしい声で上から話しかけられる。
「いきなりこのような場所に呼んでしまい申し訳ありません。わたしはこの国の姫、ネネと申します。…この国は魔王に脅かされているのです!どうか、どうか国を救ってくださいませんか。勇者様方!!」
その姿にポーとしている少年。
鮮やかな金色の髪を髪を残し二つの団子をして紫色のたれ目は少し怪しい光を放っている。装いの可愛らしさと少しの怪しさのそのアンバランスさが少女の魅力を引き出しているように思え、まぁ少年がそうなるのも無理はない。
俺は…普段から女性と接することが多いから何も思うことはなかったが。
「…戸惑ってしまうのも無理はありませんね。今は落ち着くことも大事でしょう、部屋をご用意しています。そちらでとりあえずお休みになられて後日くわしく話しますね。」
「え、っとはい!よろしくお願いします!!」
「…。」
にっこりと微笑んだ姫に顔を赤くして元気に返事をし、部屋へ案内をする人へついて行っていく。
俺もついて行こうとこの場を後にしたが、そのとき姫の胸元が怪しく光っていた。
「お部屋はこちらとなります、何かありましたらお呼びくださいませ。」
「あぁ、ありがとう。」
ドアに二人か。単なる護衛…というわけでもなさそうだな。
案内人がいうには大事な勇者に何かあったら困るとのことでいるらしいが意識が外ではなく中の俺にあることに不信感を持った。
とりあえずすることもないし言われた通り座って休むかと椅子に座り辺りを見渡す。
調度品は品があり椅子も座り心地はそれなりに良かったが自分のホテルと比べると何段かランクが下がるなと癖で少し失礼なことを考えてしまう。
今日できることもなし、これから仕事もないのだからゆっくりしていくかと絶対相手に裏があると分かりつつ女神の面倒ごとに巻き込まれたイラつきもあり、まぁいざとなればあれがあると呑気に目をつぶった。
「ネネよ、あの者らはどうだ?」
「茶髪の方はきちんとこのネックレスが機能していますから、あと一押しわたしが話せば堕ちるでしょう。…問題は黒髪の方でしょう…何故かネックレスが効いていないような。もし本当に効いていないのならばもっと近くで発動させ今度こそ確実に…。」
「あぁ、頼りにしているぞ。あれを倒すにはあの者らの力が必要だ。」
「…勇者召喚は当たりはずれが強いと聞きます。もし、使えない場合はどうなさいますか?」
「決まっているだろう。…処分するだけだ、そのような者この世界に毒でしかないわ。」
「こわいお父様…分かりましたわ、全ては我々の為に。」
今回は短いですが三話目は長め予定なんで許してください…(;´・ω・)