表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/7

第一話 ホテルエデンと女神さま


ホテルエデン。


それは名の通り楽園のようなホテルである。門をくぐると色とりどりな花たちがお出迎えしてくれ、道を歩いていくと白い外壁の美しいホテルが現れる。

ホテルは中も外装の美しさに負けず劣らずだ。

調度品も繊細な細工が施されていて本当に名の通りのホテルであった。


その中、ホールの掃除をしている男性が一人…。


「あと残っているの掃除は…。」

「タナカ、のど渇いた。」

「ムリア!忙しそうだろう、タナカをあまり困らすな。喉が渇いているなら私が何か作ろうか!」

「あらあら、駄目ですよぉ。アリスさんのドリンクは栄養剤じゃないですかぁ?あれは独特すぎてマリアはお金も取れないと思いますぅ。」

「むっ、体にいいものなんだぞ?」


若すぎる支配人の男、タナカが掃除したところを確認するのに思わず声が出ると首がいきなり重くなりタナカはのけ反りかけた。

ドリンクを望むムリアと呼ばれた褐色の肌をした少女が飛びかかってきたからだったようだ。

それを止めるアリスと呼ばれた女性はタナカよりでかくムリアなぞヒョイッと持ち上げてしまった。

その後ろから来たマリアと自称した女性は、クスクスとその二人の様子を笑っていた。


どの女性も美人で魅力的だがどこか現代とは違う装いなどをしていて、それがホテルの雰囲気に負けておらずその場だけでも一枚の絵画のようだった。

アリスは一転の汚れのない輝く白髪に空を切り取ったような色の瞳をしていてそれだけでも人離れした美しさをしていたが服装も立派に磨き上げられた銀色の鎧を身にまとっていたのが異質な美しさを強調していた。

マリアは教会の人間なのだろうかシスター服を着て女性たちの中では一番異国じみていない格好だったが、印象的だったのは瞳である。

髪はサラサラと動くたびに揺れ動く金髪、そしてその瞳も金色で、月の光のように淡く輝いているように見えた。

そしてムリア、シンプルな服装でモフモフのファーがついている上着は背丈もあり着られているような風だった。

桜の花びらのような色の髪に薔薇色の瞳で花の色をした褐色の少女、それだけでも不思議な容姿だったが、明らかに人ではない部分があった。

耳だ。長く、遠くのことまで聞き逃さそうな耳。これは明らかに人ではないだろう。

ピクピクと動くその姿は神経がつながっている本物だと物語っている。


そう、このホテルは異世界の英雄、勇者の休息所なのだ。

可愛くって天才、美人でスタイル抜群の女神が今までの功績を称え、もう辛く大変な思いをしないようにと作り、タナカをその英雄たちの世話係として連れてきたのだった。

女神は空を映した澄んだ海の色の髪に藤色の瞳、髪に花を飾り、腰には綺麗な翼が生えていて素晴らしい女性だったのでタナカも快く引き受けてくれたのだ。

本当に素晴らしい女神様だなぁ「あの…。なに地の文を第三者目線みたいに勝手に作ってるんですか。」


あ、バレちゃった。


「あらぁ、女神様。お久しぶりでございます。可愛い人間にお小遣いでもくださりに来たんですかぁ?」


マリアちゃんは相変わらずねぇ、今度は持ってきてあげましょうか。


「女神さまが来られたんだのだから何か重要な用があるのだろう。何かございましたか?それならば私で良ければ代行致します。」


ありがとう、アリスちゃんは素直でいい子ね。ムリアちゃんは相変わらず照れ屋なの可愛いわね。


アリスちゃんはマリアちゃんの言葉を窘めその後に、膝をつき恭しく聞いてくる。

それと対照的にムリアちゃんはマリアちゃんの後ろに隠れるように後ろにいた。

いつも照れて隠れてしまうので見れるのは嬉しいわ。やはりダークエルフだから女神の私に会うのが気まずいのかしら。ムリアちゃんの功績は生まれを差し引いても私と話せる権利があるのに。もっと気軽にかかわってほしいわ、最初に会ったときは私の神々しさに顔を真っ青させてプルプル子犬みたいに震えながら話していたからこれでも仲良くなれたってポジティブに考えましょ。


「それで、ご用は。」


あら、冷たいわね。もっと会話したかったのに…ってごめんなさい。だからそんな目で見ないでよぉ。

はいはい、本題に入りますよっと。……面倒くさい世界が一つあってねぇ。いつもは教会から何となぁく軌道修正とかしていたんだけど、なんだかおもしろくないこと考えているみたいであんまり言うこと聞いてくれないの。直接関わるのは私の信条に反するからしたくないしぃって思ったらタナカの事を思い出してね。


ちょっと勇者になって来てくれない?


「は?」

「っ!タナカそこ危ない!!」


召喚術式を展開させるとそれに気が付いたムリアちゃんがマリアちゃんの背から離れ、タナカに手を伸ばし離れさせようとする。

それを片手で止め、もう片手で召喚を完成させた。



いってらっしゃい、タナカ。勇者を頑張ってね。



そう言ってとびきりの女神スマイルでタナカを送り届けたのだった。


あーあ、こんなに世界をよくするために動く私って本当に頑張り屋さんで健気で可愛いのかしら。


初投稿です!

なろうはよく読んでいて自分も投稿したいなぁと考えてはいたのですがネタが思いつかず…やっとのことである程度できてきたので投稿させていただきました。

拙いところもあると思いますが大目に見て頂けたら幸いです。

また、次回も読んで頂けたら嬉しいです。

もしよろしければ評価等宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ