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見習い魔術師と X X X  作者: Lumie
見習い魔術師と通り魔
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プロローグ

初めて小説を書きました。稚拙な文章ですがお付き合いいただけたら幸いです。

「危ない!」

 突然の女性の声に振り向くと、人が砕け散っていた。


 通り魔が出没している。そう学校で注意を受けて気を付けているつもりだった。

 ただ自分は大丈夫と思って寄り道をしていて気が付いたら日が暮れてしまっていた。早く帰るためにいつもは使わない近道の路地裏を使ってしまった。


 通り魔というのは本当に魔物のことらしい。事実獣のような雄叫びを上げながら私を背後から襲いかかろうとした。未遂ではあるが。

 代わりに見知らぬ女性が無残な姿となった。

 

 血が私の足元をゆっくりと濡らしていく……。逃げなきゃ、そんな思考が働く前に鋭い爪が振り下ろされた。


 ガキン!


 気づけば、私と通り魔の間に別の誰かが割り込んでいた。それは驚くほど漆黒の、それでいて不思議な光沢の髪をもつ女性だ。手には輝き放つ虹色の剣を握っている。


 「間に合わなかったか!」


 忌々しそうな声を女性があげる。

 剣は鉤爪をしっかりと受け止めていて、両者の力は拮抗しているように見える。

 数秒間力の押し合いが行われる。魔物の鉤爪が女性側を近づくと女性はそれを押し返す。 魔物側に剣がよれば魔物はそれを押し返す。   

                            

 「埒が明かない、ロースラセスト!リーゲンボーゲンシュベルト!」

 

 女性が叫んだ。

 

 虹色の剣がまばゆいほど輝きを増す。非常に高温なのだろうか、その光を受けた鉤爪は焼かれて炭になったかのようにぼろぼろと砕けていく。

 剣はそのまま腕を通り抜け胴も切り裂いていった。

 

 今まで見たことのない圧倒的な力。私の常識をはるかに超えたもの。

 ドクン……。私の心臓が一度だけ大きく脈動する。

 それが欲しい……私もその力が欲しい……。


 「ごめんなさい。ひどい思いをしましたね」


 いつの間にか助けてくれた女性が傍らに立っており手を差し伸べてくれていた。気づかないうちに地べたにへたりこんでいたらしい。

 女性に引っ張られてどうにか立ち上がる。


 「気にしないで、今日のことはなかったことになりますから」


 そういいながら私の頭に手をかざした。

 その意味が分かる前に私は次の言葉を発していた。

 ――私を弟子にしてください。


 それが私と先生の出会いだった。

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