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行き先のないラブレター  作者: りな小説家の卵
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予知能力を持つ者

春。

桜が散り、地上にはらはらと落ちる。

分かる。私には。

この桜の木は、20年前後に切り倒される。

いつもそうだ。私は人や動物、植物などを見ると、未来を予知できる。

生きているものじゃなく、株価が暴落するとか、総理大臣がいつ挫折するとか、ね。

株価が分かるから便利だけど、つらい時もある。

飼い犬がいつ死んでしまうかとかが分かるから。

考えていなくても、自然に頭に浮かび上がる。

それに、最近では予知能力がある人は研究所に連れて行かれ、自由に行動できなくなる。

だから、このことは信用がある人にしか言わない。

絶対に。

「おはようございます。」

5年3組に入った。

「春美、おはよう。」

「おはよー。」

あいさつしてきたのは、阿川桃子だ。

「みんな、授業始めるよー。社会の教科書開いて。」

うわっ、苦手な歴史の時間だ。

歴史って、人もたくさんだし、複雑な数字いっぱいだし、もう嫌い!

「ねえねえ、知ってる?」

後ろの席にいる岡井奈津が言う。

奈津も歴史が嫌いだから、気分転換に別の話をしたいのだろう。

「何?」

「5年1組の華井竜也君、モテモテなんだって。」

「へえ。」

「興味ないの?」

「私、恋に執着ないので。」

「うっそだぁー!」

ん?

きつい視線を感じる。

「松江さん、本能寺の変が起きた年は?岡井さん、本能寺の変を起こした人物は?」

んー、あっ。

「1682年!」

「1582年です。岡井さん、答えを。」

「あっ。明智光彦だ!」

「明智光秀です。2人とも、廊下に立ってなさい!」

廊下にいると、イケメン男子がこちらをのぞいていた。

「竜也君!」

竜也君は近づいてきた。

「ダメエェッッッ!!」

私は叫んだ。

これ以上近づくと、頭に竜也君の将来の行方が・・・

「お願い、近づかないで。」

本当、恥ずかしい。

ただの人間になりたい。


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