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水満つる湖の天つ柱

 水満つる湖の天つ柱はその名の通り、天つ柱を起点に湧いた水によって出来た湖の真ん中にあります。

 里はその上に浮かべられたたくさんの丸太を繋いで作られているようで、あそこまでどうやっていこう、と湖のほとりからハイファが眺めていると、後ろから足音が聞こえてきました。

 前が見えないほどたくさんの枝を抱えたふたりの民です。


「こんにちは」

「おわ、あっ、こんにちはっ、巡礼の巫子さんだ!」

「昼出づる森の里から来ました、ハイファです」

「ようこそっ、ぼくはピレナ、この里の次代の巫子でっす! こっちはハトラ!」


 抱えた枝の隙間から顔を出したピレナが答え、ハトラという民は無言で軽く花を傾けました。


「ちょうど良かった、里にいくならぼくたちの筏に乗ってったらいいよ!」

「わ、ありがとうございます」

「こっちだよっ!」


 ふたりについていくと、岸に生えた木に筏が繋がれているのが見えてきました。


「ちょっと待っとくれ、先に枝を乗せちゃうから」

「何に使うんですか?」

「家を直すのに使うんだ! ほんとは丸太がいいんだけど、最近木の育ちが遅くって」


 いわれてみれば、あたりに生えているのはどれも細い木ばかりです。

 ピレナは顎に手を当てて首をひねります。


「何が悪いのかなあ、水はこんなにきれいなのに。……んっと、これでいいかな。ハイファ、どーぞ乗って!」


 ハイファが乗ったのを確認すると、ハトラが木に結ばれていた縄を解いて筏に飛び乗りました。

 そしてピレナが長い棒を掲げて元気よく声を上げます。


「しゅっぱーつ!」

 


 里に着き、筏を繋いだハトラは枝を抱えてささやくように、


「ピレナ、これ、あとやっとくから」

「おわ、ごめんね、ありがとうハトラ!」

「……ん」


 小声で言うとハイファに花を傾けて小走りに去っていきました。

 微笑ましげな笑顔を浮かべたピレナはハイファに耳打ちます。


「ハトラ、恥ずかしがり屋なんだあ。ミルマとスピュラの時もぼくと一緒にいたんだけと、今みたいに逃げちゃったの。さーて、それじゃあぼくたちの巫子さんを探さなきゃ。今日はどこにいるかなあ」

「ぼくがどうしたって?」

「おわあっ!」


 ピレナと同じ赤緑色の髪に、大輪の白花を咲かせた巫子がいつの間にかふたりの間に立っていました。


「驚かせないでおくれよう!」

「はは、今日もいーい顔だぁ。そちらは巡礼の巫子だな。ぼくは水満つる湖の天つ柱が精霊主パルマイに仕えるナルファと言う」

「昼出づる森の天つ柱が精霊主トワイにから祝福を授かりました、ハイファです」

「ようこそ。まずは休まれるがよろしかろう。ピレナに旅の話でも聞かせてやってくれ」





    ◆

  ◇ ◇ ◇

    ◇





 翌日、祈りの儀式が終わると、ナルファは後ろにいたピレナを振り返って聞きました。


「さて。ぼくとハイファはこれからウロへいく」

「うん! ぼくはハトラと家を直しにいくよっ」

「あとでぼくたちもいこう。あれ、残しておいてくれ」

「わかったよ! じゃっ、またあとでねっハイファ!」


 ぴんと片手を上げて元気よく答えたピレナは、近くで待っていたハトラの手を取って去っていきました。

 ハイファはナルファと、天つ柱を囲むように並べて繋がれた筏を伝ってウロへ向かいます。


「ぼくらは筏の上で生活しているだろう。筏の上では傘木が育ちにくくてね。代わりに湖の中に生える草を干し、水で戻して茶にする。ぼくらは水草茶と呼んでいるな」

「湖の中に生えているのに、湖がお茶になってしまったりはしないのですか?」

「はは、不思議だろう。一度水から出して太陽の光に当てないと茶にはならんのだよ」


 途中、里の民たちが次々に湖に飛び込んでいくのを、泳げないハイファは感心して見ていました。

 水浴びは好きでも、長時間水の中にいると具合が悪くなってしまうのです。

 ハイファだけでなく、他の里の民も似たようなものでしょう。

 この里の民たちにとっては生活の一部でも、他のみっつの里のほとんどの民たちにとっては簡単ではないことなのです。


 民たちの間に種族的な意味で違いはありませんが、生まれ育った里によって少しずつ性質が異なります。

 風駆ける山の里の民であれば頑丈で日陰に強いが日差しに弱く、

 砂溢れる地の里の民であれば日差しや乾燥に強いが湿気に弱く、

 水満つる湖の里の民であれば泳げて湿気に強いが乾燥に弱い。

 そして昼出づる森の里の民には特出した弱点が無く、平均的な性質となっています。


「ハイファよ、ここの水を見てなにか思わんか」


 歩きながらナルファが問いかけ、ハイファは考えます。

 水の中を覗き込むと、自在に泳ぎ回って水草の手入れや天つ柱の根の様子を見ている民たちの姿が見えました。


「今まで見たどの泉よりも、川よりも澄んでいて……きれいです。とても深いのに底までしっかり見えるのですね」

「すべての水はここから湧く。世界で一番きれいなのは当然だな。この水満つる湖の天つ柱の根から大天つ柱の根を伝ってそれぞれの根に水を届け、そこからも大地を潤す。しかし……」

「しかし?」

「……きれいすぎるんだよ。ぼくの前の巫子がいた頃はこんなに透き通ってはいなかった。緑がかっていたんだよ。今となってはぼくしか見たことがある民はいないんだけどな。ハイファ、あとで見せたいものがある。終わったらピレナのところへいこう」


 ハイファは頷きます。

 ふたりが通り過ぎる間、穏やかな水面は太陽の光を受けて、ただ美しく光っていました。

 


 ウロの中心部。

 他の天つ柱でそうだったように、中心部への一歩を踏み出すと光傘木の群生が一斉に灯っていきます。

 巨大な岩の前で膝をつき、ナルファは大輪の白花を傾けました。

 ハイファも合わせて花を傾けます。


「水満つる湖の天つ柱に宿りし精霊主パルマイよ。白花の巫子、ナルファが御前に。花を傾けるこちらは精霊主トワイより白花を賜り、承認を得しもの」

「水満つる湖の天つ柱に宿りし精霊主パルマイ。昼出づる森の天つ柱が精霊主トワイより祝福を授かりしハイファが御前に」


 空気が動き、岩をこすり、大木がきしむような音が響くと、ウロの中にもうひとつの呼吸が現れます。

 ハイファは顔を上げ、大きな岩が変化するのをじっと見ていました。

 岩はむくりと頭をあげ、立ち上がります。


 手はないようですが四本も足あり、長い首の先の頭からは立派な枝が二本生えていました。

 その枝の先から首、背にかけてを蔦が這い、無数の花が咲いています。

 

『──古に栄えし地上の文明。

 其は六を征し、務を廃し、無を有とす種が興せしもの。

 古に跋扈す荒きもの。

 其は生来の責務を唾棄し、背を向けし不徳のヒト。

 荒き悪獣より神樹を守りし獣あり。

 其を花獣と称す。

 我が名はパルマイ。

 水と生をよぶもの──』

 

 精霊主パルマイの声は湖のように澄み、空気に染み込んでいくように聞こえました。

 

『──巫子ハイファ。

 我は朝と夜出づる精霊主の選択に同意し、そなたを次代の巫子と承認しよう。

 大天つ柱への道は開かれ、大精霊主が迎えるだろう──』

 

 精霊主パルマイは頭を下げ、ハイファの頭の花に軽く触れます。

 やがて精霊主パルマイが離れると、ハイファはそっと頭に触れました。

 白花の前、おでこのあたりにみっつ目の小さな花が咲いています。

 

『──我は水満つる湖の天つ柱が精霊主パルマイ。

 子らの安らかなるを望むもの。


 世界と子らの旅路に祝福を──』

 

 そして再び岩をこすり、大木のきしむような音がしたかと思うと、精霊主パルマイは元の巨大な岩に戻っていました。

 光傘木も次第に光を失っていきます。


「精霊主パルマイ……ありがとうございます」


 ハイファは再びゆっくりと、丁寧に白花を傾けました。

 これでみっつの小花がすべて揃いました。

 残るは大天つ柱の大精霊主です。

 


 ウロを後にしたふたりはピレナのいる場所へ向かいました。

 ピレナとハトラは古びた家の前でなにやら作業をしています。

 この里での家は筏と同じように長さや太さを合わせた枝を並べて縄で固定した壁と、天つ柱から落ちてきた大きな葉を使った屋根から作られています。

 ふたりの作業する家は他の家に比べると色が濃く古びて見え、屋根や壁の一部が不自然に無くなっていました。


「おわ、ナルファさん! ハイファさんもっ。終わったんですね?」

「ハイファに見せようと思うてな。この里の現状を。昨日、砂溢れる地の砂漠や裂けた大地のことを聞いたろう」

「うんっ、ぼく、次の次の花祭りで巡礼にいくんだけど、大丈夫かなっ? だって、水がすこしもないんでしょ? 想像つかないや」


 眉を下げて笑うピレナの背をナルファは軽く叩きます。


「なにを言っている。ぼくの時にはすでに砂漠だったがなんともなかったぞ。……まあ、裂け目は知らんがな?」

「ほーらー」

「それで、見せたいものっていうのは……」


 われ関せずと黙々と枝を連ねて縄で固定していくハトラを横目にハイファは尋ねます。

 ナルファは、壁の一部を指し示し、


「そうだったな、これだ。……まずは触れてみればいい」


 言われた通りに色の濃い壁にそっと手を触れさせると、ハイファは息をのみました。


「──ひゃっ……えっ?」


 感触は無く、触れたはずの場所からとけるようにして壁は粉となり、さらさらと風に運ばれてしまったのです。

 さらに横から手を伸ばしたナルファが撫でていくと、その一画にあった壁は跡形もなく粉となって消えてしまいました。


「な、んですか、これ……」

「精霊主は前兆だと。砂溢れる地の里の巫子が巡礼に来たときにはこうはならなかったな。……これはな、古びて見えるが最近新しく作った家だったのだ」

「えっ」

「今までは木が弱くなってきたら新しいのと取り替えてたんだっ。いつもみたいにしたのにすぐにこんなことになっちゃって、とてもびっくりしたよっ」

「この里にある中で一番古い家はなんともない。若い木を使ったものばかりがこうして崩れてしまうのだよ」

「だからね、昨日拾ってきたのは古い枝なんだ。これなら崩れないからねっ。湖から離れれば昔から生えてる木もあるけど……」

「運ぶのがな、結構大変なんだ」


 しゃがんだナルファは筏の上に残っていた粉に息を吹きかけます。

 枝を縛っていたハトラは手を止めて、粉が舞うのを目で追いかけました。


「これから、どうなるのでしょう」

「どうもしないよっ。ぼくたちは精霊主に着いていくだけだからねっ。それがぼくたちの幸せ。だよね、ナルファさん!」

「そうだな。そのときが来るまでは──」


 湖から歌声が聞こえてきます。

 美しい湖、水の祝福を歌う民たちの姿を視界に収めたナルファは穏やかに微笑みました。


「──心配することはない。われらは、ともに」





    ◆

  ◇ ◇ ◇

    ◇





 ナルファとピレナに見送られ水満つる湖の里をあとにしたハイファは、大きな葉に乗って湖から始まる数ある川のうちのひとつを下っていきます。


「白花、そしてみっつの小花を授かった巫子には大天つ柱への道が開かれる」


 ナルファがいうには、葉に乗って水の流れに任せていれば、何もせずとも大天つ柱へたどり着けるのだそうです。

 水満つる湖の天つ柱へ行く途中で渡った川よりも細いですが、この流れの速さならば太陽が精霊主トワイに飲まれる前に大天つ柱の大巫子に会うことが出来るでしょう。


 大天つ柱の大巫子。

 大巫子についてハイファが知っているのは、世界の始まりの頃からたったひとりで大天つ柱にいるのだということ。

 ずっと生き続けているのか、と驚いたハイファにノルタは答えてくれませんでした。

 知らないのか、知らないほうが知ったときの驚きが増して面白いという理由で教えなかったのかハイファにはわかりませんが、どちらでもあり得ることであり、どちらでも構わないことです。

 だってこれから会いに行くのですから。

 必要なことならば、そこで知ることができるのでしょう。

 

 すでに川沿いに多く生えていた木々は若く細いものから太く丈夫そうな木々に変わり、林の隙間からは時折花畑が現れるようになりました。

 壁のように視界いっぱいにそびえ立つ大天つ柱は、その巨大さゆえに距離が縮まっているのかよくわかりません。

 大天つ柱を見上げたり、水の流れを見ていたハイファはなんとなく右手の指先を水面につけました。

 ひんやりと心地よい水がハイファの指先にぶつかて白い筋を立てていきます。

 花畑から漂う華やかな香りと穏やかな日差しに微睡んでしまいそうです。


「……昼を追い越し 焦がれ待つ夜を

 気高き誇り 夜の王

 艶なるけなみ 黒きをなびかせ

 鋭く光る つめときば」


 眠気覚ましにと口ずさむのは獣の歌。

 花獣が花獣となる前から歌われていたといいます。


「砂を平らげ 育むは大地

 気高き瞳 砂の王

 手足置き去り 頭をもたげ

 なるがまま見る 過ぐ明日を」


 ハイファはトワイ、そしてワナイの姿を思い浮かべます。

 花の民と全く異なる姿の精霊主たちは、しかし紛れもなく自分たちの母なのです。


「流るる水に さざと謳う木々

 気高き姿 森の王

 白枝のつの 白石のひづめよ

 鳴らし佇む 森の影」


 白枝。

 パルマイの枝のように見えたものは「つの」と言うらしい、とハイファは改めて気付きました。


「大地を撫でし 疾風は駆けゆく

 気高き心 空の王

 声よ鋭く 空高く響け

 つばさふるいて 飛び立たん」


 では、ラピルイが揺らしていた枝葉のようなものは「つばさ」と言うのでしょう。

 民が意味を知らないまま歌い継いできた言葉。

 他に伝わる歌の中にもわからない言葉はたくさんあります。

 失われ、この世界では必要のないものなのでしょう。

 精霊主もあえて伝えていないのですから。

 

 そのうち川の流れはゆっくりなものとなり、ハイファが乗っている大きな葉は自然と岸に寄っていきました。

 鬱蒼と生い茂る木々、枝葉、大小の鮮やかな花々。

 葉から下りたハイファは降りそそぐ木漏れ日を見上げ、呟きました。


「あんなに大きいのに、太陽の光は遮られないんだ……」


 ちゃぷん、と音がして振り返ると、仕事を終えた大きな葉が再び流されていくところでした。

 視線を戻すと、みっしりと生えた背の高い草むらの一箇所が左右に割れていることに気が付きます。

 きっと、この道をたどればいいのでしょう。

 ハイファは足を踏み出しました。

 この世界の根幹、大天つ柱へと。





    ◆

  ◇ ◇ ◇

    ◇





 ガレキが積み上がり割れた大地、灰色の空からは太陽が消え、灰にまみれた大気が重く淀んだ世界。


 あれから、とても長い時が過ぎました。

 静寂の中で時折思い出したようになにかが崩れる音がしますが、もはや聞くものもいません。

 あれほど栄えたヒトたちの営みは残らず無に帰しました。

 世界の中心、朽ちた神樹のウロの中で花獣たちは見守ります。

 自分たちが守るべきもの、神樹の遺した種を。

 それはゆっくりと成長し、やがて大樹と言えるほど立派な姿となりました。

 花獣たちは喜び祝います。

 

『愛し子よ生命よ 我らが同胞よ

 この灰の世界で 唯一の希望よ

 神樹の形見よ

 忘れるなかれ 民の痛みを

 忘れるなかれ 母の思いを

 我らがともに 寄り添おう

 我らとともに 歩み行こう』

 

 長い時の流れの中で出来てしまったウロの天を裂く傷。

 隙間から覗く外の世界を見た大樹は花獣たちに語りかけました。


『──母のウロで育ったからでしょうか。

 われは母の記憶を受け継ぎ、母の世界がどういう末路を辿ったのか知っているのです。

 かれらには、やはりどうすることもできなかった。

 どうしたって民らが樹にはなることはできないのだから。

 どこで違えてしまったのか……いくら考えたとしてももはや戻りはしません。

 ウロで守られたわれらは、まだ生きているのです。

 生きている以上、前へ進むしかないのです……。

 母は原初より分岐した宇宙の枝の先端。

 世界を創造し、根幹となる樹でした。

 それならば、われもまた新しき世界を作り、根幹となるべきなのでしょう。

 それが役目であり、意義。

 我が同胞よ、力を貸してください。

 新しき世界をこの、ウロの中で──』

 

 大樹は自らに実っていたひとつの果実を割り、中から四つの種を取り出しました。

 花獣たちは言わずとも分かっているというように渡された種を飲み込みます。


 まず、西の花獣が吼えました。

 すると何もない暗闇であったウロの中に太陽が現れ、瞬く間に光が広がっていきます。

 東の花獣が長大な身体を這わせれば砂があふれだして大地となり。

 北の花獣が枝のごときつのを振りかざせば雨が地を満たし水源となり。

 南の花獣が力強くはばたけば風とともに草木が芽吹きました。


 そうして新たな世界を整えた花獣たちは大樹を中心として四方へ散らばると、自らを苗床として飲み込んだ種を育て始めたのです。

 さらに成長を続けた大樹は枝葉でウロの天を覆い、花獣たちの作った大地を抱え込むようにして根を伸ばしていきます。

 そして種から成長した四本の樹の根と自らの根を同化することで、より世界を見渡せるようにしました。


 これで、世界の根幹たる樹としての基盤はすべて整いました。

 さっそく大樹は四本の樹から一斉に花を咲かせ、神樹の守った森の民の魂をもとに民を生みだします。

 本来の姿や性質からは変質してしまいましたが、心は変わりません。

 花獣たちは民たちにこの世界の仕組みやすべきことを教えていきました。


 やがて里が築かれると、もう民たちにまかせて問題はないと判断した花獣たちは樹のウロを閉じて大樹の補助に専念することにしました。

 そうして、これ以降は選ばれた巫子のみが精霊主の声を聞き、民たちを導くことになったのです。

 

 この世界で生きているものは民と、花獣、大樹だけ。

 大樹は今日も変わりなく過ごす民たちを守り続けます。

 民たちが飢えも苦しみもなく生きられるように。

 神樹の世界で魂に刷り込まれてしまった恐怖を癒やすために。

 ただ生きてほしくて、大樹は世界を保つのです。

 神樹が望んでいた、争い無く、穏やかで、平和な世界を。

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