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殺される俺
この小説には、グロテスクな表現がされています。
苦手な方はお引き取りください。
「お前なんか死んじまえばいいんだぁ!」
夜の公園に叫び声と呻き声が響き渡った……。
どうしてこうなった?
過去を振り返る暇もなく、振り下ろされるその腕。
俺はただ、何者かに怯える彼女を救いたかっただけだ。
……なのに……なのに……どうしてこうなってしまう?
自分は、必死に腕を振り下ろす彼女をただ見つめていた。
この距離だと目を見る事も簡単なはずだが、俺は唖然とその場にいるだけだった。
いつの間にか、頭が真っ白になって何も考えられなくなった時だった。自然と痛みはなく、血が出ているのさえ気づいていなかった。
彼女はまだ、腕を振り下ろしている。
俺は殺されてしまうのか?
頭に思い浮かんだ言葉は、自然と俺を安心させてくれる言葉だった。
もう、キミを助けることは出来ないけど彼女を救うことは出来るはず。
だから……俺は彼女に殺されよう。
俺はゆっくりと目を……瞑った。