第一章・本能寺の変―第一部:謀反の開幕
タイトルは「本能寺」ですけど、「本能寺の変」以外の事件も書きます。
天正10年6月2日:1582年6月21日(現:1582年7月1日)夜
‐山城国、京・本能寺‐
ジジジジジジ・・・・・・パチパチッ・・・・・・。
篝火が松明が燃える音が静寂な夜に響く。
ガチャッガチャッガチャッ・・・・・・。
鎧が擦れているかの様な音が響く。
織田信長公がわずかな手勢と共に宿泊している本能寺が、篝火によって幻想的に照らされ出すとともに、だんだんと武士の喧騒と鎧が擦れる音に包まれ始めた。
信長公は、それらに疑問を抱き、小姓・森成利(蘭丸)に様子を伺わせた。
しかし、様子を見に行った成利は、驚くべきものを見る。
その篝火は、平時の夜を優しく照らす炎ではない。
その喧騒や音は、平時における唯の喧嘩によるものではない。
それは、戦の匂いを宿す炎と、獲物を狩るのを待つ狼の如き大軍による喧騒。
大軍が掲げし軍旗に描かれしは「桔梗紋」即ち“明智”。
本能寺を包囲するは、前日に丹波亀山城を出立した明智十兵衛光秀率いる総勢約1万3千6百。
一方、本能寺におわすは、信長公を始めとするわずかな手勢のみ。
先頭にいる光秀公は宣告する。
「敵は、本能寺にあり!」
ワァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・!!!
成利は、この非常事態を信長公に報告するべく信長公の下へ走る。
ダダダダダダダダダダダダダダダ・・・・・・・・・・・・バンッ!
「信長様、非常事態でございまする!
光秀殿が謀反!大軍にて、この本能寺を包囲しております!」
続く
今回はここまで。
次回の構想は既にありますが、次の更新日は未定です。
5/19:若干、修正