あうたーわーるど
いぁいぁはすたー
これ以外にいうべきことはありません。
しかし、くとぅるふさんにはあまり関係したことになる予定はありません。
読者の皆様、SAN値の貯蔵は十分ですか?
SAN値、直葬の厨二設定でお送りいたします。
これは、この世界ではない別の世界での話である。
その世界においては、武器と呼ばれるものは意識を持っている。
武器に意識がある。
このお話は、そんな馬鹿げた世界のごくごく、一般的でない、武器達の■■■な物語である。
ではでは、この世界における状況を簡単に説明させていただこう。
いやなに、読まなければならない理由などないけれど、どうしてこうなった?
くらいは、みな知りたいものでしょう。
当事者にしろ、被害者にしろ、加害者にしろ、読者にしろ、■■にしろ、いやはや、どうして、こうなった?
それは、うえぽんと呼ばれる。
意思を持ち、主を持ち、うえぽんと競い合う。
この世界では、うえぽん同士が争うのが常識である。
なぜならば、うえぽんは、生まれたならば、目指さなければならない。
”うえぽん おぶ うえぽん”になる為にだ。
この世界では、まず、”とぅえるぶ うえぽん”に選ばれ、更に熾烈な”とぅえるぶ うえぽん”同士の戦いに打ち克ち、さーてぃんへ到達しなければならない。
円卓のとぅえるぶを越えて、外なるさーてぃんへ
そして、唯一にして全なる■に至るのがうえぽんの定めなのだ。
「というわけだ、あるじどの、ご理解頂けただろうか?」
とのたまう、見た目は■■■■の馬鹿野郎はきっと、話にある、うえぽんなのでしょうね。
「ああ、何を言っているのか、さっぱりわからん。」
あれです、超常現象はスルーするのが、一般的な、いや、常識的な反応ですね。
「なあなあ、現実逃避などしても、現状は一向に良くならん。むしろ悪化の一途だと思うのですよ、あるじどの」
まぁ、その通りなのだろうが、本当にどうしてこうなった、俺こと、メイガスは自問自答を行わずにいられない。
事の始まりは、少し時間を遡る事になる。
始まりは、メイガスの師匠であるエイボンの戯言から始まった。
「この都度、試作段階である儀式の結果で素晴らしい成果が得られたのだ。」
師匠はそうおっしゃた。
この、奇天烈、滅裂、支離滅裂の権化であらせられる師匠の成果だ。
きっとロクでもない事だろう。
「それは良い事ですね師匠、是非とも実験結果を破棄しましょう。」
師匠は天才である、まさに天災なのだ。
素晴らしい魔術師であり、神秘学者であり、迷惑千万極まりない人でなしであらせられる。
今までの、素晴らしい発明で、国が人類が幾度、滅びかけたか、数えるのも馬鹿らしくなるほどの偉業、異端の数々を築きあげた信頼と実績が有り余る、危険人物であらせられる。
きっと、今回の事も面倒事に間違いない。
故に俺に厄災が降りかかる前になんとしても、処理せねばならない。
それが、弟子の勤めであろう。
「おお、そうか、弟子よ、この結果を捨てろと言うのだな。」
「ええ、そうです師匠、国の為、人の為、弟子の為になることです。」
我ながら、俺、必死だと思います。ええ、なんかほらその、ふらぐが立ちそうなんですよ。
こう、ばっどなふらぐがですね。
「あい分かった。この異界から取り寄せし金属は捨てることにしよう。」
「…」
今、師匠はなんと仰られた?
異界から取り寄せしと…
師匠にしろ俺にしろ、目指すところは同じなのだ。
だから、こんな危険な人物の傍で俺は学んでいるのだ。
このどうしようもない、腐れ切った世界の外へ行きたい。
それが俺の望みで、師匠は、外の世界へ会いに行くために魔術を神秘を研究しているのだ。
取り寄せたという事は、この内なる世界から、外側の世界へ干渉することが出来た。
、素晴らしい結果であるのだ。
「そ れ を す て る な ん て と ん で も な い !」
あれだ、今思えば、呪いの道具であるとか、重要な道具であるみたいな、何か、運命的な何かが働いたのかもしれない。
「ん、弟子よ、こんなもん、いらんだろう。」
「いやいや、要るでしょう。外への鍵じゃないですかそれ」
あっさり捨てることなど、出来ようはずがない。
「いや、外の物だとはいえ、こうして、内側に存在してしまえば、この世界に内包されたものなのだぞ、存在してしまえば、それは、この世界の物なのだ。故に我らにとっての価値はない。」
この理論が理解できる魔術師が神秘学者がいかほどいるのだろうか?
外から取り寄せはしたが、存在してしまったが故に、これが、外の世界の物である事を証明することは出来ないのだ。
「鶏が先か卵が先か、なんてくだらない。」
思わず、毒づいてしまう。
この腐れた世界に取り寄せられてしまった故に、外の物ではなく、中の物なのだこの腐れた世界に内包された。
「ああ、実にくだらない。しかし、今回の実験で穴は開かれた。」
「穴…ですか?」
内側から、外に至る穴であろうか、しかし、開かれたなら、なぜ、師匠は到達しないのだろうか?
穴が繋がっているのならば、そこへ、辿りつくことは不可能ではないはず。
「問題は穴だって事だよ、道じゃない。極々細い針の穴なんだ。」
「つまり、極々小さな物であるので、われわれでは通ることが出来ない?」
あれだ、金属だ物であるサイズであれば、誤魔化し通す事もできるが、人サイズになるとそうもいかないのだろう。
この閉じた世界を封じている檻の柱に人の身が接触すれば、削られるか、四散するか、霧散するか、それは、たどり着けたとしても、我ではなく、ただの肉片であるか程度であろう。
いや、肉も残らぬかもしれない。取り寄せた物は金属だというのだ、人の身よりは遥かに硬度も高かろう、それが、金属などという、不確定名称になるまで、圧縮されたのだとすれば…
神ならぬ、人の身では、言うべくも無いだろう。
「元の形も分からぬ金属に価値などありませんか、証明する事も出来ませんし」
よくよく、話し合えば、なるほど師匠の言は正しいのだろう。
「ん~、証明する手立ては無いこともないのだぞ…」
なるほど、このイカレ野郎おっと、いけない、師匠は証明する手が無いことも無いなどと抜かしやがります。
はぁ、非才の身である、わが身には計り知れぬ何かがあるのでしょうが
「どう、証明するのです?」
問わずにはいられない。自分には不可能に思える事を何でもない事のように、実現してしまう、このもはや、■■使いとしか言えない天才に…
「証明するには、弟子の協力が必要なのだよ。」
協力、何について、協力すればいいのだろう、師匠と俺とでは、差がありすぎると言うのに師匠は嬉嬉として説明を始める。
「まぁ、言わば、観測者がいれば、証明には事足りる。」
はしょってしまえば、そう言う事らしい。
内側にあるのを見れば、外の物であろうと内の物であり、証明は不可能だが、外側にあるのを見れば、それは、外側の物だ。
結局、それを観察できるか、出来ないかが、証明の鍵になるらしい。
この腐れた世界の外を観測できるならば、それは、俺にとっての、到達したい世界を見ることに他ならない。
協力という名の実験に、俺はくべられてから、気づいたような気がする。
「金属を捨てるよ。元の世界にね、つまり外の世界にだ。」
実験結果を捨てる、確かにその言葉に偽りはない。
「それを君に観測してもらいたいんだ。」
外の世界へ出て行くのを観測する。
なるほど、確かに、それにより、これが外の物だと、俺は認識することができる。
「だから…」
その後に続く言葉をなぜ先に、実験の前に聞かなかったのだろう。
「金属という、外世界の固定情報持った、君ごと捨てれば、君は外世界を観測できるだろう。いやぁー、君の望みが適うじゃないか、たどり着いたときは肉片か何か分からないけれど、ぜひとも、生きていればこの実験の結果を報告しに帰ってきてほしいね。そうすれば、君は生還者であり、帰還者であり、観測者であり、達成者である。いやぁー、師匠の何歩先に君はいっちゃうんだろうね。憧れちゃうなぁ、はっはっはっ…」
その最低最悪な言葉を聴きながら、俺の意識は薄れていった…
そんな俺が意識を取り戻したとき、元の世界に戻ったからなのだろう、■■■■も意識を取り戻し、冒頭のようなお話に繋がるわけだ。
いやはや、どうしてこうなった?
まぁ、ごくごく、単純な話あのろくでなしに巻き込まれて、ねじ込まれて、平穏無事に終わることなど考えるまでもなく、あり得なかったのだけれど、だけれども、感謝もしている。
「なぁ、うえぽん、ここは世界の外なのか?」
「あるじどの、ここは世界の中ですよでなければ、某は意識を維持できないのですから、ただ、あるじどのから見えるこの世界は、外といえば、外なのでしょうね。」
自分が住む世界の外側へ物理的にたどり着くことに、いや、たどり着いたのだ。
「あの腐れた世界からの離脱か…」
思えば長かったようで、短かったのだろう、齢260年程度で到達できたのだから…
世界に絶望するまでに、20年も必要なかった。
世界の外側を知るまでに、暴れまわる事40年程度の事だった。
世界の外側へ至る道のりをあがくこと50年ほど、単独での外側への限界を知るに至る。
20年ほどだろうか、諦めつつも、諦めきれない日々を過ごし、エイボンに出会う。
あの史上最高傑作ともいえる、人格破綻者と出会ってしまった。
それから、130年、師匠とありとあらゆる、出来事をしでかしてきた。
俺は、到達するために、師匠は出会う為に…
しかし、たどり着けたとはいえ、到着したときには、半分以上、肉の塊と化していた俺をよく、見捨てずに傍にあり続けたものだ。
まぁ、俺は、ほぼ、不死身に近い存在だ。
気が付けば、誓約と言う名の呪いをこの身に受け、死すことはできず、滅ぶこともできず、ただあり続ける。
いわゆるリビングデッドなのだ。生きてる死体、時間さえかければ、再生する不死身の肉体、あの腐れた世界に、俺を殺せる物は何も存在しなかった。
だから、外の世界を求めた。
外の世界になら、このすべての法から外れた、俺でも死ねるんじゃないか?
ろくでもない、師匠のおかげで、何度死にかけたか分からない。
それでも、師匠と呼び、その元で過ごす理由なんて、一つしかない、もしかしたら、こいつの巻き添えで俺は死ねるんじゃないか?
がっかりだったのは、所詮、死にかけるだけで、死ねなかった事だ。
最高だったのは、こうして、外なる世界に俺を放りだしてくれたことだ、ここでなら、俺は死ねるかもしれない。そんな最高の夢が見れるじゃないか…
「では、あるじどの、そろそろ妄想から目を覚まして、現実を見て頂けますか?」
「ああ、そうですね。うえぽん。」
妄想なら、どれだけ良かったか分からないが、師匠に捨てられた先は本当に、異界と言っても差しさわりのない場所だった。
周囲には暗闇と星々の輝きのみが存在し、自分の足元さえ定かでなく、ふわふわと浮いたような感覚しかない。
そこに俺とうえぽんのみが存在していた。
「ぶっちゃけ、捨てられたのはわかるんだけど、これからどうすればいいんだ?」
現実問題としてふわふわ浮いているだけでは、話は進まないのだ。
俺としてもこのままで、終わりというわけにもいかない。
「では、自分が道を切り開きますので、あるじどのは、その道を進んで頂ければ幸いです。」
「へぇへぇ」
郷に入っては郷に従え?
どうやら、うえぽんが道を作ってくれるらしい。
それが、どんな道かは、いや、どんな道になるかは、俺が選ぶ事になるのだがそれは、今の俺に分かろうはずも無かった…
PC故障でロストデータがたくさんありすぎて、前作はいろいろ断念しました。
もし、お読みの読者様がいらっしゃいましたら、このようなスペースではございますが、ご迷惑をおかけしました。
ゆっくり、書いていきますので、よろしければ、お付き合いくださいませ。