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3.その少女、強引

更新おくれました。

だいぶ時間たってしまいました(・・;)


「ちょっと待ってよ、僕は君のこと全然知らないし……」


「私も知りません」


 でも、と少女は続ける。


「これも、何かの縁だと思うんですよね」


 これが縁なら、神はとんだイタズラ好きと推察する。神様なんてものは今さら信じてもいないけど、神様、どうやら僕は貴方に嫌われてしまっているようですね。


 これまでずっと平和だったのに……こんな不祥事、バレたら大変なことに……というか、『縁』という一言で片づけないで下さい。

 僕が心の内で不満をさらしていると、目の前の少女がにこっ……と人の良さそうな顔でほほ笑んだ。



「というわけで、よろしくお願いしますね」


「や、ちょっと待って! イミ不明だし、お家の人も心配するでしょ、早く帰った方がいいよ」


「……私、家出なんてしてません」


 少女は、子ども扱いされたと感じたのか、不機嫌そうな声を出した。

 家出だろう、と訂正したくなったが、僕がしゃべるより先に少女が口を開いていた。


「――鍵、無くしちゃったんですよね……帰り道も分からないし」




* *  *  *




『2階の窓を突き破ってきた、鍵をなくした帰り道の分からない少女』


 まとめるとこういうことだろう――が、



 謎い……! 謎すぎる!!


 迷子なのか……? それとも記憶喪失とか?



 僕が、これは警察か病院かどちらに届けるべきだろうかと真剣に悩み始めたとき、それを察したかのように少女が言った。


「――あの、ちょっと事情があるんです」



 そして僕は気づく――――この流れはまずい、と。


 これは、訳ありと見せかけてこれまでの事情を語り、同情を誘い込もうとするパターンだ。



「あのさ、事情があるのはなんとなく分かるから、だって普通の女の子はとつぜん窓割って入ってきたりしないから」


「もしかして怒ってるんですか? 窓壊したこと」


「いや……怒りよりも先に驚きが……じゃなくて、僕が言いたいのは事情とかどうでもいいから、とにかく出て行ってくれないかなってことで……」



 なんで侵入者に対してこんな丁寧な対応なんだろ、僕って……

 まぁ、あんまりきつく言って泣きわめかれたら姉貴にバレるかもしれないし、適切な判断であったとは思ってるけど。


 少女は一瞬うつむくと、再び顔を上げた。

 そして、僕の目をまっすぐに見つめて――



「私は、彼らを止めることができなかった……」


 少し申し訳なさそうに眉根を寄せて、語り出した少女の口。

 ――彼らって誰! てゆうか、彼ら、一体何したの!?とツッコミどころ満載のセリフだが、たぶんツッコんだら僕の負けだ。



「あの、出てってくれないかなって言ってるんだけど。 聞こえない?」


「いつからか――私たちは敵同士だった」


「出て行って下さい」


 もう面倒なので、どストレートに言い放つ。が、少女は完全スル―。



「理由もないのに憎み合い、いがみ合い――それが私にはとても悲しかった……」


 なんの話だよ、ともう半分以上あきらめてかけてる僕。


 しかたない、話ぐらいなら――……


 この気持ちが、のちに大きな後悔を及ぼすことを――この時の僕はまだ知らなかった。





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