第七話 結束
【ねぇ、あなたもしかして…彩那】
彩那の予想が正しければ慎に彼女がいて、その人は大阪第一高校にいる!!
と、考えながらパソコンを見ると、書き込みが更新されていた。
【ん?どうかした?慎】
【私、大阪第一高校だよ♪彩那】
【なっ?まさか…慎】
【そのまさかだよ!!川島彩那だよ!!彩那】
【彩那…まだいじめられてるんだね…慎】
彩那はこの時、雷に打たれたように全身に痛みのようなものが走った。
そういえばなんで、佐藤慎太郎がここにいるの?
いじめられてるの?
なんで?なんで?なんで?
彩那は頭にハテナばかり浮かぶ。
【ねぇ、なんで慎太郎がここにいるの?いじめられてるの?彩那】
【……。慎】
慎太郎…
怒りと悲しみが混じりあって新たな気持ちが生まれた。
慎太郎を守りたい。
そして、全国のいじめられていているみんなを解放したい!!
ちらっとカレンダーを見た。今日は金曜日。明日の予定は特にない!!
【ねぇ、明日二人でデートしない?彩那】
【マジ?全然オッケー!!慎】
【じゃ、1時にいつもの公園ね♪彩那】
【了解でーす!!慎】
これを見て彩那は深いため息をついた。ちらりと壁に掛かっている時計を見た。
長い針が9を指している。帰ってきたのが7時。つまり、夕食も食べずに2時間も掲示板に没頭していた。
そろそろ落ちないと…
【じゃ、そろそろ落ちるね!!また明日会おうね♪彩那】
そう書き込んだあと、電源を切った。パソコンの蓋を閉じて、一人むなしい気分になった
親に夕食で呼ばれた時は乱暴な返事を返して困らせたな…
なんで、あんな返事しか出来なかったんだろう?
お母さんがいつまでも、自分の横にいると思い込んでいた。
でも、今は呼ぶところか夕食の匂いすら匂ってこない。
もっと、大切にすれば良かったな…
『ていうか、夕食どうしよう…まだ作ってないや…今日はダルいしコンビニでもいいや』
と、椅子から重い腰を離した。
派手にデコレーションしてある財布を手に取る。
そうして、家を出た。