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トモダチ  作者: tomo
最終章 終戦
50/52

最終話(前編) すべての真実

『これはすごいな。よくやったな』


と先生から返ってきたのは何やら丸がたくさんついている紙の束だった。


現代文98点

古典100点

数学I93点

数学A100点

英語I100点

英語Iダッシュ97点

オーラルコミュニケーション100点

理科100点

社会97点


九教科合計885点

平均98点


学校最高と過去最高、そして自己ベストを達成した彩那だったがこんなことはどうでも良い。早くやるべきことがあるのだ。


『ありがとうございます。帰っても良いですか?』


と早口に聞く。しかし、先生は


『校長先生が表彰してくれると言っていたぞ』


なんでこんな時に限って……


『どうでもいいです。賞状はヤギのエサにでもしといてください』


彩那は職員室から走り去る。後ろから先生の叫び声が聞こえるがひたすら走り続けた。校門を出ると、Bが待っていた。思わず立ち止まる。


『よぅ!!今から行くぞ』


と言ってポルシェに乗り込む。彩那もそれに続いた。


彩那は後ろを振り返った。後ろに映るのは夕陽を浴びる校門。結局、橘高校にいたのは数日だった。だけど本当に楽しかったように感じる。いじめもなかった。


見るのは最後かもしれない。青春をたくさん味わった。


さらば橘高校よー


そう心のなかで強く思った。ポルシェはあっという間に遠くに離れてゆく。


『どこに向かうの?』


と彩那が問うとBは


『東京タワーだ』


と答えた。決着の地は日本で二番目に高い塔。窓の外に雪が散りはじめる。


東京タワーには早く着いた。橘高校から10分程度だ。東京タワーはGの支配下にある警察が封鎖していた。しかし、ポルシェはすぐに許可を得た。駐車場に止められたポルシェからBと彩那が出てきた。東京タワーのエレベーターへと向かう。この第三展望台にGがいる。


エレベーターが上昇を始めた。と、同時に地面はどんどん遠ざかっていく。


そうしてようやくエレベーターは第三展望台へと辿り着いたのだった。



@ @ @


『ようこそ、いや初めまして。Gだ。』


と顔が見えないようにしてある男が言った。その隣の男もいる。


『やっぱり、G、あなたにも上がいたのね』


『くっくっく。気付いてたのか』


とGは余裕である。


『G、あなたの正体は分からないけど隣の男は分かるわよ。P!』


Gはなっ、と顔をした。有り得ないと言った表情である。Pはただ黙っている。


『Gを金で操り、全世界を狂わせた男、そしてそんな野望を持ちなおかつ億単位で金を動かせる男はただ一人しかいない』


誰もいない展望台は沈黙に包まれる。


『そうでしょう、稲垣総理』


Bが驚愕の表情をした。


『フハハハハ!!おもしろい、面白いぜ、川島彩那ぁ!!』


と顔を隠していたマスクを取る。間違いなく稲垣総理だった。


「Premier」 総理大臣


『どこで分かった、川島彩那ぁ!』


稲垣の声が響いた。


『なぜ、Gはこんな大金を動かせるのか、そしてなぜ姿を眩ませることが出来たのか。それはあなたがGに資金を動かし、Gはそれを動かした。そして、これは警察から聞いた話ですが、みんなGの情報を教えなかった。あなたからの圧力がかかっていたからです』


完璧な推理だった。Pはただ『面白い』とだけ呟く。


『Gはオレだ』


と続いてGが顔を出した。それは大阪第一高校の時に最も身近だった人。


そして、日本、世界からいじめを消し去った人物。


そう、飛行機テロで死んだはずの


「佐藤慎太郎」


だった。



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