第四十六話 天地の逆転
週刊橘新聞特別号
「最強の転校生、ミス橘の座を得る」
噂というものは本当に光より早い。すぐに学校中に知れ渡ってしまう。
「転校してきてわずか1時間34分で橘高校の頂点に!」
「勉強は全国トップクラス」
「運動も出来る?天才女子高生の実態」
など、話題は彩那のことで持ちきりだった。連絡帳登録件数もいじめが始まってからは低下していたのだが、236件まで上がった。
『おーい、テストやるぞ!!筆記用具持って来いよ』
今日はどれくらいの学力があるのかの調査を行う予定だった。
彩那は他の人とは別行動でテストを受けに行った。
1時間目は現代文。彩那の苦手科目だった。が、始まってから笑いが出た。
むちゃくちゃ簡単である。テストではなく課題か何かでは?と思う程だった。逆に大阪第一高校のレベルが高過ぎたのだ。
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『はい、試験終了』
と全ての科目が1日で終わった。半分の時間で出来てしまったのだ。これならかなり良い成績が残せるのではないだろうか?と思わず期待してしまう程に出来た。
『このテストは期末テストだ。1年生の最高が833だ。』
この程度のテストで平均83が最高って……この学校は私に合ってないのではと感じる。
『スポーツテストもやっとくか?』
いや、どうせ私が一番だけどやってみるか。
『はい、やりたいです。』
『分かった、また明日な』
彩那はその後、下校した。
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『どうだ、B。X計画は順調か?』
とパソコンから声が聞こえる。Bはそれに答える。
『はい、G様。大阪警察もなんとか納得した様です』
『そうか……。楽園の準備はどうだ?』
『そちらは既に準備整っています』
『そうか……。いよいよだな』
いよいよと言う言葉にBは反応した。
『我々の最終地点、楽園の建設。あと、3年となりました。今日にでもアメリカを潰します』
『アメリカは確実に潰しておけよ。では、切るぞ。合言葉は?』
『全ては「G」様のために』
パソコンの画面が言い終わりと同時に砂嵐に変わる。Bはアメリカ潰しとX警察のために最後の仕事へと取り掛かった。