表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トモダチ  作者: tomo
第4章 裏で
43/52

第四十三話 作戦中止

その後、彩那はベッドの上で目を冷ました。携帯で時間を確認すると午後9時だ。


その部屋にはBとWがいた。二人共イスに座ってコーヒーを飲んでいる。先に気付いたのはBだった。


『よぅ、彩那。目を冷ましたか』


『あれ、私何してたんだっけ?』


それにはWが答えた。


『お前は3時くらいからずっと寝てたよ。さっきはすまなかったな』


彩那は時間を巻き戻した。Wに殺人の基本を習って、ライフルで女を殺した。


『いえ、私は殺人出来るような性格じゃないです。すみません』


彩那は小さな声で謝った。もう、ここにもいられないだろう。もしかしたら殺されるかも知れない。しかし、そんな想像とは全く違った答えが返ってきた。


『優しいな……』


そう言ったのはW。


『いじめられて人の残忍さを知ってなお、人を守ろうとする。やべぇ、オレお前に惚れちまったかも』


そんな思わぬ返事に彩那は


『えっ?』


と驚くしかなかった。Wは誤魔化すようにこう告げた。


『とにかく作戦は中止にする。』


そう言ってBにWは目配りした。ここからは任せたぞ、とでも言っているようだった。次にBが話始める。


『お前、学校行く気ない?』


彩那は顔を上げた。


『まぁ、あんな思いしたのに行くかなんて聞く方がおかしいか……』


とBは期待していなかったが彩那は行きたかった。このまま高校生活を終わらせたくない。


『わ、私は学校に行きたい』


その瞬間、Bが振り返った。Wも目線が一瞬で彩那に向いた。


『お、お前正気か?学校でのこと忘れたのか?』


彩那はしっかりとBの目を見つめた。


『このままじゃ終われない……それに世界はそんなに悪い人ばっかじゃないよ』


そう言いながら脳裏に浮かべたのは慎太郎の笑顔だった。


もう一度だけで、良い


慎太郎じゃなくても、良い


だから、貴方のような素敵な人に会いたいの


『だから、私学校に行きます』


それを、聞いたBは


『分かった。もう手配はしてある。東京都橘高校だ。お前の学力ならば試験は無くても良いと学校側が行ってくれた。授業料、制服、その他はこちらで持つ』


こうして、彩那に再び学校に行く機会が訪れたのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ