第四十一話 殺人訓練
全てが始まったあの「掲示板」の住民は10000人を越えた。スレ内では復讐が当たり前となった。中にはお互い協力する者、予告をする者まで出てきた。しかし、警察は対応する姿勢を見せなかった。
「なぜ、動かない警察」
「遂に復讐者に屈したか?」
「国民を守れない警察を持つ日本の現状」
「殺人予告に使われる掲示板、警察は対応せず」
メディアは警察をここぞとばかりに一斉に叩いた。今まで、警察からの報道規制で思うように書けなかったメディアはまるで楽しんでいるかのようだった。
そして、次の日には必ずと言っていいほど警察の自殺者が書かれている。日本は狂った。そして、その勢いは遂に海外にまで侵食しようとしていた。
@ @ @
ペイント弾が飛んできてまた彩那を汚した。
『ハァハァハァ……』
敵わない。強すぎる。
目の前に立っていたのはWだった。
武器担当「Weapon」
『おい、どうした?こんなもんか?』
馬鹿にされたままは終われない。彩那はペイント銃をWに向けた。しかし、その時には既に目の前から消えていた。気がつけば撃たれている。
なんで、気配も音も無く移動出来るのだろう。さっきコツと基本的なことは教えてもらったのだが慣れが必要でうまく出来なかった。
『1回休憩するぞ。』
と、後ろから声がした。彩那は後ろを振り替える。Wはいつの間にか背後に回っていたのだ。
二人はお茶にすることにした。
『3日後までに銃の撃ち合いが出来るようになれとは言わない。まぁ、慣れが必要だしな。今回使うのはこれだ。』
Wは武器庫からライフルを持ってきた。ただ大きかった。
『作戦だけ教えておく。オペレーション名は「偽り」だ。』
オペレーション名「偽り」
『行う場所は大阪府大阪市の大阪第一高校の周辺だ。時刻は午後10時。目標はお前をいじめ続けた最低最悪の女、中川舞の抹殺。狙うのは塾帰りの時だ。ビルからこのライフルで頭を撃ち抜く。その後、大阪支部のヘリで逃走。』
Wは全く汚れていない綺麗な服を脱ぎながら話、彩那はペイントで汚れた服を脱ぎながらそれを聞いた。
『で、お前に本当に人を殺せるのか見せてもらう。現場に行って私には無理です、じゃ話にならんからな。』
Wはコーヒーを一気に飲んでライフルを担いだ。
そうして、彩那と一緒にエレベーターへと向かう。エレベーターの前でカードをスラッシュさせた。川島彩那様と表示が出る。次にWがスラッシュすると、Wと言う文字が出た。本名が分かるかと思ったのだが……
こうして彩那達を乗せたエレベーターは地下4階へと降りた。
彩那は地下4階に来たことが無かったため、どんな場所かとワクワクしたが来てから後悔した。
4階は監獄「プリズン」と「実験場」だった。Wは監獄から女を一人連れ出して実験場へと入れた。そうして、壁に縛り付けていく。
『この女はあるやつをなんの理由もなくいじめ続けた。その裁きをする。』
女はただ黙っていた。Wはタバコに火を付け、息を吐いてから
『この女をこのライフルで撃ち殺してみろ』
と言ったのである。