第三十六話 施設
Bに部屋を案内してもらった彩那は心の底から驚いた。
部屋は5LDKで、バスルーム、などを兼ね備えた高級ホテルのような部屋だったのだ。自動販売機などもあり、それで家賃はただなのだから、凄いことこの上ない。
「武器庫」と称された部屋では銃がずらりと並んでいた。
今までの案内からまとめると……。
建物は地上4階、地下3回。個人の部屋は地上にあり、武器庫などは地下にある。そうして、今ここに住んでいるのは恐らく10人程度であると言うことだった。
案内を終えたBはあとは部屋でゆっくり休んでいろ、と言い残して立ち去ってしまった。そうして、彩那も部屋に戻ることにしたのだった。
@ @ @
11月2日 アメリカ合衆国 ニューヨーク
遂にアメリカ合衆国でも復讐と言われるものが始まった。アメリカ政府の行動によって。
今までアメリカ政府は日本からこの復讐が広まるのを恐れ、報道規制をしていた。しかし、昨日になって日本の現状は一気に漏れた。これに賛同した恨みを持った者が暴れだしたのだ。
『おい、どうなっている!』
アメリカ政府の防犯庁の長官、サムは机を殴り付けて叫んだ。
『なぜ、日本のことが漏れた?すぐに情報の経路を探し出せ。』
サムの怒りに部下は頷くことしか出来ない。
『さっさと動け!』
そうとうご立腹の様子だ。部下たちは散って動き出した。残されたのはサムとその秘書のサリーだけだ。
『復讐と言うのはやっかいなものだ。止められない。現にジャパンでも1日に50から100人が死んでいる。1ヶ月もたったのにだ。刑務所はもう満杯でこれ以上は入らないらしい。警察もそれに精一杯で他のことに手が回らず窃盗なとが急増した。だから、報道規制までしたのに!』
サリーは黙ったままだった。